番外編として小話を書いていく。
本編はこちら
中学時代、ごく僅かな友達がいた。
中学のときにインターネットが普及し始め、
2ちゃんねる、電車男などが流行り始めた。
今の時代は便利なもので、
SNSさえあればいつでもどこでも
人と繋がることができる。
大人になったある日、
ふと中学の時の友達が何をしているか気になり、
とあるSNSで友達の名前を検索してみた。
友達がほとんどいなかった私は、
同窓会に呼ばれる訳もなく、
個人的に連絡を取る他なかった。
SNSを通して連絡を取り、
久しぶりに会うことになった。
懐かしい話に花を咲かせ、
楽しく食事を楽しむはずだった。
その子は、私と同じくらい
中学時代は交友関係が狭く、
友達は数えるほどしかいなかった。
華々しく高校デビューしたその子は、
「私はあなたと違って友達ができる子なんだ」
「中学の時のことは忘れたい」
と無邪気に言ってきた。
唯一の友達だったはずの人だった。
その言葉に傷ついたが、言えなかった。
もうこの人は友達じゃないんだと悟った。
それ以降、連絡を取らなくなり、
数年経ったある日、道端でバッタリ会った。
1週間前に付き合った人と結婚すると言ってた。
思うところはいろいろあったが、
「そっか。幸せになってね。」
と言ってその場を後にした。
私は当時の近況を話さなかった。
本編で後に語る高卒認定試験の勉強中だったが、
きっとわからないと思ったから。
本編を書いている中で思い出した小話でした。