『彼女は一人で歩くのか?』 森博嗣/著 | パンダの日記「パンダ日和」 by pandaosaco

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何が必要で、何が大切なのか――?
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 かなり久しぶりに、森博嗣さんの小説を読みましたよ。


『Does She Walk Alone?』


 こちらWシリーズの序章的な一冊。

 なので、今後どうなっていくのかな?と言ったところで終わっておりました。

 こんなにきっぱりと触りだけだとは思わず(Wシリーズの一冊目という事は知っていた)、まだ二冊目を買っておらず、東野圭吾を読みはじめてしまったりして。

 間が空きそうだなぁ、という訳で、概要だけ。


 ガッチガチのSF小説です。

 ですが、舞台はというと子どもの生まれなくなった未来の人間社会。
 あり得なくもない世界です。

 医学の進歩によって余程の事がなければ死ななくなった人間と、人間の作り出した人工人間(ウォーカロン)とが共存し、今と同じような社会活動を行っています。

 人間なのか、はたまたウォーカロンなのかは、もはや見ただけでは区別のつかないほど精巧。

 生殖ができない、というところでウォーカロンなのですが、当の人間も、若く見えても何十年何百年と生きているので、生殖をする事は過去の話。

 そして、今や両者の立場は対等で、ウォーカロンは人間に支配されているわけではありません。

 人により作られた生命体ではあるけれど、自分の考え(?)で状況判断し、コミュニケーションをとり、“生きて”います。

 想像力を掻き立てられます。

 とはいえ、人々は相変わらず会社勤めをしているし、居酒屋があったり、一般社会人の通勤は電車のようだし――…。

 そんな未来においても人間社会の勤勉さやら慎ましさがあったりして、何だかそこは、少し苦笑いしてしまいました。


 そんな中、人間とウォーカロンとを見分ける技術を開発中のハギリ博士が、何者か(大きな組織と思われる)に命を狙われます。

 ハギリ博士だけでなく、他にもウォーカロンに関する研究者が次々と襲われます。

 犯人は、人間なのか、それともウォーカロンなのか?

 Wシリーズの幕開けです。

 てか、終盤、森博嗣さんの別の小説に出てきた女性(マガタ・シキ)が登場していて、どうやら彼女も何らかの形で深く関わっているようで、そこも気になるところ。

 最近はゆっくり読書出来ていなかったけれど、久しぶりのSF、面白かったな。


 とりあえず、姪っ子に手元の東野圭吾を読んだら貸す約束をしているので、一旦挟みますが……。

 これを読んだ後だからか、さくさく読めちゃいますよ。

(SF小説は、頭の普段使わない部分を使うみたい。)