「出撃したら、絶対に帰ってくるな。必ず死んでこい!」が”正しい命令”になるのが戦争 | アメブロなpandaheavenブログ

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最近漫画の先生始めました。
好評です☆

写真を撮ったり映画を見たり。でもやっぱり普通が一番!
みんなも無理しないでね!

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戦争の理不尽さ、云々はよく耳にすると思いますが、「出撃したら、絶対に帰ってくるな。必ず死んでこい!」が大日本帝国の軍隊による「命令」でした。命令に背くと逮捕ですし、殴打もありましょう。

でも戦争ってそういうことです。理屈や正否は意味ないんですよ、やれって言うだけで。

 

この記事は「抗(あらが)う」一つにまつわる、起こることの深刻と絶望と異常さを全部ハラミ持ってる。これくらいの生き様を誰もがこなせようはずもなく、普通は「死んだほうが楽」になりかねない。

佐々木がカローカンに戻ると、司令部から出頭の命令が来ていた。すぐに出向くと、猿渡参謀長が頭から怒鳴りつけた。
「この臆病者! よく、のめのめと帰ってきたな。貴様は出発の時になんと言われたか覚えているか!」

佐々木は黙って参謀長の顔を見返した。

参謀長はさらに激昂した。
「レイテ湾には、敵戦艦はたくさんいたんだ。弾を落としたら、すぐに体当たりをしろ。出発前にそう言ったはずだ。貴様は名誉ある特攻隊だ。弾を落として帰るだけなら、特攻隊でなくてもいいんだ。貴様は特攻隊なのに、ふらふら帰ってくる。貴様は、なぜ死なんのだ!」

この言い草が、広く一般的な世界が日本にあったのだ。

特攻隊がどうして帰ってこられるんだと、不思議そうに尋ねた。佐々木は「体当たりをしなければいいんです」とあっけらかんと答えた。津田少尉は驚いた顔で佐々木を見た。

「万朶隊は5人の将校さんが、攻撃に出る前に戦死したんです。佐々木は将校5名分の船を沈めるまでは、死なないつもりです。最後の6番目は自分のものですから、このときは、どうするか、まだ分かりません」

佐々木の表情は真剣だった。

真剣に生きている眼差しがわかる。

「体当たりをしないで、戦艦を沈めるにこしたことはない。しかし、特攻隊が体当たりしないで生きていたら、うるさいだろう」津田少尉は正直に聞いた。

「いろいろ言われますが、船を沈めりゃ文句ないでしょう」佐々木は人懐こい目を細くして、笑いを浮かべた。

真っ当なのは、個人だけになるのかも知れぬ時、大勢の日本人が、彼のように振舞え、思案してる方向にならないと思う。そうあればいいのに、と思う。