戦争の凄惨が胸に詰まる話。小さな子の何が怖くて焼夷弾は当たったんだろう。
戦争の無意味さ極まれり。
戦争が起きれば理不尽が先に立ち、命を賭すことを強いられる。命令者たちは生き延びるだろうけれど、命令受諾側は否応も倫理もない凄惨な人生の終焉を迎える。
仲代さんが握ってくれた手は、わずかな時間でも慰められたんだろうか。
手塚治虫先生の戦争描写にも、ごく普通の人たちに見舞われる戦争の災禍が、無尽蔵に無慈悲に描かれ、実際はもっと苛烈であったほどを予見させるに足るものがあった。
「まさか、そんなことが」が起こるのが戦争。起こせば止めるやり口が異常に難しく達成までに損なわれる命多数。
戦争ができるコンディションを許してる連中を許しちゃいけない。