もう敵対しきった、牙むき出しの表現ですね。
中国の呉江浩駐日大使。いやしくも、一国家を代表する顔で日本の駐在する中国の「大きな代理」で来日し、日本国内で大使特権を囲う者の言質にしては愚か過ぎはしまいか?
「日本の民衆が火の中に引きずり込まれる」とした発言
中華国内のシュプレヒコールでならまだしも、友好をうたう国家のうちにあって、大使職の頂点にあるものの言質でこれを許すのはいかがなものか?中国はそういう「無礼」に疎(うと)い国だったか?自身が身を寄せる国に「火の中」を見舞うかの如き妄言は慎めるものに大使であってほしい。恫喝にしに来たとでも言うのか?一個人の思いならまだしも。何たる不寛容。
中国の国民党を率いた蔣介石が共産党との内戦に敗れ、大陸から台湾に移ったのは1949年。台湾で75年に没するが、日本政界の親台湾派の巨頭、元首相の岸信介と何度も会った
▼台湾の枢要な地位は蔣を追って大陸から逃れてきた者たちが占め、台湾出身者が不遇であることを岸が懸念すると、蔣はこう言った
▼台湾出身者は生活に困らぬが、自分の臣下たちは大陸に全てを置いてきた。自分はここに長くいる気はなく、いずれ台湾出身者に償える-。台湾はあくまで緊急避難の地で、必ず大陸に戻るとの決意がうかがえる
不遇の経緯があった。それでも大陸出身を心に宿した人らがちゃんといた。
▼岸は蔣に対し、大陸に力で勝つのは無理だから、台湾に王道楽土を築き当方の体制の良さを示す方がいいと勧めた。先方は少し黙った後「やっぱり軍事的に解決する以外にない」などと応じたという。同じ言葉が北京から聞こえてきませんように。
当事者というのは外野の伺い知れぬ苦悶を秘めるものだし、軽々なアドバイスは毒かもしれない。
それでも台湾には親和性を覚える。中国にはどこかおごった印象を常々抱くのと対照的。