ロマンすら感じる初期のナビゲーションシステム | アメブロなpandaheavenブログ

アメブロなpandaheavenブログ

最近漫画の先生始めました。
好評です☆

写真を撮ったり映画を見たり。でもやっぱり普通が一番!
みんなも無理しないでね!

Etak Navigatorが登場した1985年当時、ナビゲーション・システムには「推測航法」と呼ばれる技術が使われていました。推測航法は、移動距離と進行方向をチェックするセンサーを使うものでしたが、遠くに行けば行くほど誤差が大きくなるという欠点がありました。

この問題を解決するため、アメリカのベンダー・Etakは「拡張推測航法」を発明しました。これは、ナビゲーション・センサーが示す位置を、地形学的に正しい電子地図に一致させるプロセスを利用したもの。

網羅のさせ方、掌握のさせ方、フォーカスの仕方、がナビのポイントであって、表示しとく選択幅の収斂のさせ方が肝。必要になる部分の、リアルタイムでの切り取り方法が命ですものね。

 

Etakの2つ目の重要な発明は、「ヘディング・アップ」と呼ばれる動く地図表示でした。つまり、車両がナビゲーション画面の中央に留まり、地図が車両を中心に移動したり回転したりするものです。この概念はスマートフォンでも地図が見られるようになった時代では一般的ですが、当時は画期的なものだったそうです。

これ、ナビゆえの発明の概念ですよね。利用範疇のファンクションの定義のセンスがいい。

一生まれ落ちれば、これ以外の概念なんか探しにいきもしないような定番発想に着席してますが、これを最初に位置させたのはすごいことです。

 

Etak Navigatorには5つの主要コンポーネントがありました。1つ目はオシロスコープにあるようなベクトルCRTディスプレイで、2つ目は特製のカセットテープドライブです。Etak Navigatorのナビゲーションアプリとデータはカセットテープに保存されていたのですが、カセットテープ・ドライブはテープを非常に高速で読み取るために特別に開発されたものでした。一般の音楽プレーヤーでは1秒間に約5cmの速度で読み込まれるところ、Etak Navigatorのカセットテープは1秒間に約200cmの速度で読み込まれていたそうです。

これってビデオテープがその収容性の確保のために、Mローディングに走ったようなもんで、一本筋で「間に合わない」記録を、斜めに途切れなく記録し、読み取りにはトラッキングで補正しながら引っ張り出す。往年の60年代SFのコンピュータのオープンリールを彷彿(ほうふつ)とさせますね。

 

価格に加え、Etak Navigatorには技術的に大きな制約がありました。当時、政府は軍以外が100メートル以上の精度を得るシステムを作ることを禁じていて、それを回避するGPSレシーバーはまだ大型で高価でした。

さらに、大容量の交換可能なメディアもなく、十分な情報を保存できないフロッピーディスクと、真新しく、コストがかかりすぎるCD-ROMのどちらも採用できなかったとのこと。また、車輪センサーとコンパスだけで航法誤差を克服することも大きな課題でした。

最も大きな課題だったのは傾斜地への対応です。地図には標高情報がないため、坂道を上ったり下ったりする場合、道路を走った距離と地図を走った距離が一致せず、システムに誤差が生じていました。そのため、Etakのエンジニアは流体と静電容量センサーを使った特別な傾斜計を発明して搭載したとのことです。

コスパ内に収められ、高額故に購入者を絞りますけれど、それでも市場に出した気概に拍手送りたいですね。すごいなあ。

 

名前の由来にも悠久な海原を思わせるロマンの由縁を覚えます。素敵ぃ。