近況についての話になった。
泥は、まだ以前から勤めていた店で働いていた。
しかし、部署が変わり、今現在は、
ウェイターらしき仕事をしているようだった。
なんにせよ、泥の高校時代を思い出すとき、赤点だらけで、
卒業さえも危うかった泥が、長く同じ店で、
立派に勤め上げていることを、嬉しく思う。
黴は、横浜の長津田で仕事をし、旭川に帰り、
東京都の八王子に出没したところまでは把握していた。
そしていま黴は、神奈川県の相模原で、
ガスの営業の仕事をしているらしい。
黴が、どういった経緯でガスを売っているのか。
詳細は聞かなかったが、真面目に仕事をしている黴を、嬉しく思う。
そして、モケダラ。
「モケさん、大学は卒業したの?」
私の質問に、モケダラの表情は、卑屈に曇った。
「大学は辞めました・・・」
モケダラは大学を中退し、現在は、なんらかの勉強をしていた。
どんな勉強をしているのか。
詳しく詮索しなかったが、大学を辞めるほどの
価値があるものだと信じたい。
「でも、なにか目標があるっていうのは、素晴らしいことですよ」
卑屈な表情のモケダラを見て、泥が、なんとなくフォローする。
しかも、敬語で。
「ちゃうねん、あかんねん・・・」
モケダラは、自虐的な態度になっていた。
モケダラ曰く、試験勉強をしているうちは、
崇高な目標があったとしても、決して誇れるものではなく、
試験に合格して、初めてスタートラインに立てるのだという。
そうだ。
モケダラも自覚しているのだろうが、このときのモケダラの卑屈な表情は、
おっさんである私はともかくとして、若くして立派に働いている泥と黴が、
眩しくて仕方なかったのだろう。
モケダラよ。
勉強など、大学に通いながらだってできたはず。
そして、働きながらだってできるのだ。
甘い、甘いぞモケダラ。
そして、頑張れ、モケダラ。
つづく

















