もう友の会入ってしまおうかしら。
今回行ってきたのは
水彩画家・大下藤次郎の展覧会。
明治時代、旅行で訪れた房総で
自然の美に目覚め
日本各地の風景を水彩で描いた藤次郎。
製作の傍ら指導や普及活動にも
力を入れていた彼の画業を
水彩、スケッチ、絵具箱など
120点以上の展示から振り返ります。
展示は藤次郎が写生を始めた
1892年の作品から始まり
房総や関東各地の風景画へと進みます。
小石川 1896年
まず藤次郎の絵を見て最初に感じたのは
水の描き方のうまさでした。
この絵でも水に不思議な透明感があり
水面にすっと入る白線が印象的でした。
1898年、藤次郎は海軍の遠洋航海に
明治美術会の特派員として同行し
船員の様子などをスナップで撮るように
100枚近いスケッチを描いています。
さらに船から見える広大な海の風景を
水彩画としても残しています。
シドニー湾 1898年
この空と海は本当に素晴らしかった。
どうやって描いているんだろうと近くで見ても
どうやって描いているのかわからない。
というか、同じように描いても
こうなる気がしないんです。
赤道直下にて 1898年
藤次郎がこの船旅で
一番感動したという赤道直下の海の風景。
波の立たない静かな海と
空に混在する鮮やかな色彩。
空と海以外なにもない
静寂に張りつめる空気が
伝わってくるような作品でした。
秋の雲 1904年
これはもう藤次郎の
雲の集大成というような作品。
これから「雲」と聞いたら
この絵を思い出してしまうだろうなと
思うような印象的な絵でした。
晩年になるにつれて
絵はより写実的になっていきます。
多摩川湖畔 1907年
こちらは水の集大成といった感じ。
点描のような独特の作品でした。
藤次郎の作品はとにかく色彩が美しく
本当にこんな色をしていたんだろうなと
確信してしまうような色使いでした。
水彩画の素晴らしさや可能性を
改めて感じさせてくれる展覧会で
スケッチブックと絵の具だけを持って
どこかへ出かけたくなりました。
島根県立石見美術館所蔵 水彩画家・大下藤次郎
千葉市美術館 2014.5.20 ~ 2014.6.29





