寄り道が好きだ。
お天気がよくて、鼻歌を歌っちゃうような気分の時、ふっと知らない小道に迷いたくなる。

今日はそんな小道に出会った。
その道の先にはこんもりとおいしげった木々が見えた。

神社があるのかな?
行き止まりかな?

どきどきしながらいくと、居心地のよさそうな家が並ぶ先に木々にうっそうと囲まれた古い家があった。
周りの木の枝からはたくさんのツタやひもがぶら下がり、2階建ての家屋の壁は全てツタで覆われていた。私の背丈ぐらいの小屋が2つあり、入り口はシートでふさがれている。敷地は草が生い茂っている。
人は住んでいないのだろうか?

木で出来た低い柵が隣の家や道から線をひくようにたつ。
柵がぽっかり空いたところは入り口らしく、そこから1階建ての和風の家屋につづく小道だけが草が生えていない。
鬼太郎にでてくるようなポストがかろうじて、人の住む家だろうということを感じさせる。

この家にはどんな人が住んでいるんだろう?
家の前の道まで木が屋根のように生い茂っていて、とても暗い。
ここだけ別世界のようだ。


立ち去りがたく目を凝らして家の奥を眺めていた。
そっと背中が寒くなり、去ることにした。
不思議な寄り道だった。



うちの前の古家が解体されている。

住んでいたおじいさんが亡くなって、遺産相続の精算のためらしい。
近所の人に終戦前から建っていた家だと聞いた。
おじいさんと話したことはないけれど、懐かしい家と庭の雰囲気になんとも和ませてもらっていた。

業者さんに断って、庭と家の中を覗かせてもらった。
一階建ての平屋で4畳と8畳と6畳の畳の部屋があり、ふすまで仕切られている。縁側があって、庭から風が気持ちよく通り抜ける造りになっていた。裏庭には山椒や茗荷が生えていて、花の咲く木々がいっぱい植えられていた。

こんな家、もうこれからは建つこともないだろうな。