気がついたら深いのらねこの世界に引きずり込まれていた
ただののらねこウォッチャーなので、
彼らの生態についてはまだまだ知らないことがたくさんある。
幸いなことに自分には解らないことがあると話を聞いてくれて、
その疑問を解いてくれるねこの先生がいる。
たとえば、顔に傷を負っているのは
弱いねこなのかと思っていたら
決してそうではなく、喧嘩を正面から受ける勇敢なねこの証なのだ
ということを教えてくれたのも彼女だ。

今回、そのねこの先生が前回の『前篇』を読んで、
これは動物に搔きむしられたり齧り取られたのではなくて、
たとえばけんかなどで受けたひっかき傷が
化膿して破けた痕なのですよ、と教えてくれた。

のらねこは小さな傷口からばい菌が入りやすく、
それが膿瘍になることが多々あるのだそうだ。
なるほど、「ねこ 化膿」でインターネット検索してみたら
それに関する情報がたくさん出てきた。
症状を読んでみると、たしかにビビリーの症例に似ている。


ということは、もう膿は出た状態なので、
治癒に向かっているということか。
人間も、おできができるとそれこそ
腫れ物に触るという表現がぴったりなくらいの痛みがある。
それが膿が出てしまうとまるで嘘のようにすっきりするから
彼は今そんな感じなのだろう。
表層の組織が崩れてしまっていたのには驚いたけど、
少しだけ安心した。




ところで、ビビリーが元のテリトリーを去ったのと同時に、
くまごろうの姿もなぜか見かけなくなった。
そこで、ぼくは余計なお節介を実行してみた。
ビビリーはぼくが歩くとついてくる性格なので、
ゆっくりと歩きながらゴルバチョフのもとに誘導してやろうと考えたのだ。
仲良しだった彼女と会えば、彼も少しは元気が出るかもしれない。
ところが、いざ実行してみるとある一定の場所まで来たところで
彼はぴたっと足を止め、それ以上前に進もうとしなくなった。


目に見えない何かがそうさせている感じ。
くまごろうがいるかもしれないエリアには、戻りたくないのか。






それならばと、今度はゴルバチョフのもとに向かい、
彼女をこちらに連れてこよう作戦を開始した。


しかし、ゴルバチョフもあるラインを境に、身を低くして動かなくなり、
そのうち小走りで自分のエリアヘと戻って行ってしまった。
明らかになにか結界が張られている様子。
むむむ、ねこの縄張り意識は結構シビア だ。



ここでも1匹だけ例外がいた。
涼しい顔してビビリーのもとまでついてきたのはボーリョク。
またおまえか。

   ぼくは気にしないのだ。


とはいえ、彼との再会には大した喜びも見せず、
じっとぼくの横に座ってただけでしたけどね。
戻れなくなってもいけないので
そのあと歩いてゴルバチョフのもとに戻ると
ちゃんとボーリョクも横に並んでついてきて、
無事に帰宅。
※ねこの帰巣本能については、あんまり研究が進んでないようです。


ゴルバチョフとビビリーの仲良しコンビは
このまま解散となってしまうのだろうか??