そば派
うどんを食べると
ちょっと悲しくなるから
そばを食べることが増えました
母のきつねうどん
日曜日のお昼に
母がよく作ってくれていた
きつねうどん
母が小鍋で作る
ふかふかの甘いお揚げさんが
食べたいのだけれど
どうしても私には再現できない
施設にいる母は
「いつでも作ったるで」
と画面越しに笑うけれど
最後に作ってもらったのは
いつだっただろう
コロナ前
仕事に追われて
気持ちに余裕がなかった私は
週末や仕事帰りに
母に会いに行っても
話をゆっくり聞こうともしてなくて
美味しいうどん食べたいなぁと言う母に
市販のお出汁にお湯を入れて
刻み揚げを乗せただけの
うどんを食べさせていた
そんな手抜きうどんでも
美味しいなあって
喜んでくれた母を
思い出して
ごめんねと思う
退職した今なら
時間を気にすることなく
母の好きな昆布と鰹のお出汁で
美味しいうどん屋さんのうどんを使って
母のとは違ってぺっちゃんこになってしまう
甘いお揚げさんをのせて
一緒に食べることができるのに
コロナ禍で施設から
外出できないままの3年間で
母はもう私のことを
思い出せなくなったけれど
外出できるようになったら
きつねうどんを
母と一緒に食べよう
またおうどん派に
戻れるかもしれない
