「◯◯さん、やっぱり間違いなくガンだった」
…はい。
「手術になるよ。なるべく早く手術しましょう。
やはり温存はあまりおすすめしない。皮下乳腺を全部摘出して、エキスパンダーを挿入する方法がいちばんいいよ」
…エキスパンダーってなんですか?
「全摘したあと胸筋の下に入れるバッグなんだけど、術後半年くらいかけて、少しずつ精製水をいれて膨らませるの。それで皮膚が十分伸びたら、シリコンインプラントに入れ替えるんですよ」
説明を聞いてもまったく想像がつかない。
でも、今日はもう決めなくちゃいけない。
おっぱいを取るのはすごくすごくいやだけど、
放射線治療はしたくないし、再発もしたくない。
全部摘出すれば、少なくとも左胸はもうがんにならないんだよね…。
最初に検査したときから、まだ一度も泣いていなかったのですが、
乳がんが発覚して初めて、ここで涙がぼろぼろと出てきました。
…ぜ、全摘します。
「それがいいよ、じゃあ手術の日を決めましょう。あと、再建してくれる形成外科の先生にも一度診てもらって、相談してきてね」
そして先生の予定と私の休む都合をすりあわせ、手術する日を決め、形成外科への紹介状をもらいました。
「では、がんばりましょう。看護師さんから入院の説明してもらって、今日はもういいよ。あとは手術まで風邪など引かないように」
手術は、2015年5月8日に決まりました。
つづく。