この映画を今こそ世界の人々に見てもらったら…
そんな思いでいっぱいになります。
作者のレイモンド・ブリッグズさんの名前は、絵本が大好きな方なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
映画にもなった名作絵本スノーマン。
美しい歌声と空を飛ぶスノーマンと少年の名シーンは忘れることができません。
このスノーマンを見に行ったのは、遥か昔、学生だったころ。
二本立ての映画でした。
そう…もうひとつの映画が、風が吹くときだったんです。
先に風が吹くときが上映されたのですが、見た画像をそのまま引きずる私には、
そのあとのスノーマンの儚くも優しい絵に助けられたかもしれません。
風が吹くときは、原爆の恐ろしさ、核戦争の恐怖を描いた映画です。
片田舎に住むどこにでもいるような仲良い夫婦が、ある日、被爆します。
素朴なふたりの生活は、どんどんと死へと蝕まれる身体と苦しみとの闘いへと変わって行きます。
当時はこの物語を唯一の被爆国である日本ではなく、イギリスの作家さんが描かれたということにまず驚きました。
小学生の頃から、原爆の恐ろしさは学校で映画や授業などで教えられました。
身近に原爆の悲惨さや恐ろしさを感じることができる環境にいたと思います。
私は怪我をして行けなかったけど、小学校の卒業旅行は広島でした。
事前にスライドで見た原爆ドームの中に展示されている少女の影だけが残った階段などは、忘れ難く恐怖とともに脳裏に焼き付いています。
ボタンひとつで天文学的数字の生命の未来を消し去る。。
尊い命を奪い家族を奪い地球にとてつもないダメージを与える、決して存在してはならないもの。。
どの国の人も生き物も幸せに生きる権利があって。
それを使うことでどれだけ沢山の取り返しのつかない哀しみが生まれてしまうか…
人が地球で幸せに生きるために、もっともっと事実を伝えていかないといけないんじゃないかな…
風が吹くときの中で、被爆に無知ななんの罪もない夫婦が被った苦しみ。
2人が原爆に対して無知なゆえに哀しみが増し、被爆の恐ろしさをヒシヒシと感じる。。
とてもメッセージ性のある映画だと思います。
デビットボウイさんの歌う主題歌 “When The Wind Blows” も心に残ります。
ふたりのイーダ、ガラスのうさぎ、そして風が吹くとき…
テレビで放映はしないのかなぁ。
たくさんの国のトップの方や賛成の方々に是非観て頂いて何かを感じてもらえたら…と、ニュースを見るたび思うこの頃です。