【映画】ウマ娘プリティーダービー新時代の扉 | パンダ屋ブログ

パンダ屋ブログ

元キングオブプロレスリング統一王者
映画・舞台・プロレス・サッカー・競馬好き

パンダヘェーゾウさんの日常を追う!

本日はこちら、ウマ娘プリティーダービー新時代の扉鑑賞。

実際の競走馬をモチーフとしたアニメとして様々なマルチメディアを展開するウマ娘初の完全劇場版。

⚠ネタバレあり

良い点も有りましたが総合するとやや残念な作りでしたね。力は入ってましたがまだまだやれそう。

先日まで劇場公開されていた、テイエムオペラオー&アドマイヤベガ&ナリタトップロードの3強の作品、ロードトゥーザトップの方が話を上手く纏めて演出も過剰になり過ぎないよう作っていた印象。


史実ベースで作っているが上の良い点は競馬をしている人達には説明せずとも展開が分かる点。
あのレースやこのレースの裏側をこう描いてきたかと楽しめる点はこのコンテンツの強い点で、世代最強最速アグネスタキオンについては良く描けていたなと感じます。

4戦4 勝無敗の皐月賞を制するも屈腱炎を発症し無念の引退。作品では走りを研究追求するマッドサイエンティストとして描かれ、圧倒的なパフォーマンスで同世代をねじ伏せ、主人公ジャングルポケットを打ち負かす大きな壁として描かれます。当然ウマ娘なので色々な味付けは行われますがキャラも面白く、今作では非常に存在感を示したアグネスタキオンでした。


問題は主人公ジャングルポケット。

最強を掴めと言う映画タイトルにあるように、常に最強最強うるさいキャラクターになっています。
何故最強に拘るのかは描かれず、フジキセキの走りを見てより最強になりたいと思う辺からスタート。

実際の競馬では典型的なトニービン産駒で東京でしかまともに勝鞍も無く、ダービーは取ったものの菊花賞ではマンハッタンカフェに及ばず、既に力が衰えはじめていたテイエムオペラオーにジャパンカップで勝ったものの、ペリエの神騎乗によるものだったのは古馬になってからの結果を見れば明らかな馬なので、どう描くのか次第ではありました。

史実では阪神大賞典でナリタトップロードに完敗。
天皇賞・春でまたもマンハッタンカフェに完敗。
その後は泣かず飛ばずで引退…。
と史実だけだと弱すぎるので上手く脚色して欲しいなぁと言った所でした。


結局、かつて同じチームで悲願が叶わなかったフジキセキの後を次いでダービーを取った事で一定のストーリーは確立出来たモノの、3歳でのジャパンカップ制覇をクライマックスに持ってきた事で競馬を知ってる人間からすればウーンとならざるを得ません。

フジキセキが思った以上に描かれていたのは◎
サンデーサイレンス初年度産駒でG1朝日杯を制してクラシック最有力候補でしたが屈腱炎により無念の引退。アグネスタキオンと通じるモノがあり、ジャンポケの兄貴姉貴?分として良い描かれ方でした。



ラスボスとして描かれるテイエムオペラオー。

皐月賞を制してクラシックをRTT組で分け合った後に覚醒。年間無敗で古馬G1完全制覇と言う偉業を成し遂げます。ド新人の和田竜二を背に並み居るライバルを寄せ付けず、まさに世紀末覇王と呼ぶべき実績を積み上げました。

が…今作でジャンポケと対決するまでの経緯を全く描かず、それこそ年間無敗でした〜からのJC。
まるっと約一年すっ飛ばしてのJC。

飛ばした理由は単純に既に力の衰えが激しく、それこそアニメ3期で強すぎるキタサンブラックが強制ピークアウトさせられた訳ですが、本来このテイエムオペラオーこそピークアウトしていた訳で描くに描けない。

無敗だった前年の勢いが続くと思われた春初戦でいきなり負け、天皇賞・春を何とか取ったものの、宝塚記念ではメイショウドトウに敗戦。
京都大賞典ではステイゴールド斜行により繰り上がりで見た目だけは一着も事実上完敗。
天皇賞・秋ではアグネスデジタルにも敗れ、既に無敵でも覇王でも無くなっていたオペラオー。

これに対して斤量差2キロ、世界のペリエと和田。
まぁこれは良いとして。

最大のクライマックスになるべきレースが、衰えたオペラオーをジャンポケの成長と同時に描けない為に、いきなり取ってつけた感じとなり萎えたと言うのが最大のガッカリポイントでした。

せめて、オペラオーにもピークアウトしながらもG1連対は外してない訳なので、覇王としての意地を描いて貰えていたらまた違った作品になったのかなと思いましたがその辺が一切無いので淡白なレースに。

戦績からしたらタキオンにも勝ててない、本格化したマンハッタンカフェにも勝ててない訳なので、最強は俺だじゃねーんだと言ったところ。
府中で最強は俺だならOK。


競馬好きと言うよりはウマ娘大好きな人達向け。
ウマ娘なのでそれで良し🐼