お越しいただきありがとうございます。
日曜日には書き終え今日から別のテーマで書くつもりがパソコンが使えず遅れてしまいました。
今までの私のお話にしては短い方ですね。
今回このテーマを書きながらやっぱりハッピーなお話の方が良いのかなぁと思いました。悲しいお話だと書いていて自分も切なくなります。
暫くは悲しいテーマは封印したいと思います。
上手く纏められた自信はありません。
誤字・脱字が有ったらお許し下さい。
ではお話に。
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寝返りしてゆっくりと目を開けると見慣れたテギョンの人形が目に入った。大好きなテギョンが目の前にいるかのようにニッコリ微笑み無意識に手を伸ばし自分の胸の中でギュッと抱きしめた。そして自分がどうしてベッドに寝ているかぼんやり考えた。
「あっ!」
慌てて布団を捲りベッドから飛び出ると左手に人形を抱いたままベッドルームのドアを勢いよく開けその場に立ってリビングを見回しテギョンの姿を探した。
「お仕事に戻られたんですね」
ガッカリとしながら眠る前まで2人でいたソファーに倒れこんだ。テギョンの人形をソファーに座らせそれを見ながら大きなため息をついた。時計を見るとテギョンとこの部屋に戻ってから大分時間が経っていた。仕事の合間に時間を作って来てくれたのに・・・。
何日も悩み続け眠れなかったが自分の気持ちを正直に伝えた事で一番居心地の良いテギョンの胸で眠ってしまった。
「オッパ、呆れてますか?」
隣に座ったテギョンの人形に話しかけてみた。テギョンの優しい笑顔を頭に浮かべているとテーブルのに置いてある一枚の紙が目に入った。ソファーから立ち上がりその紙を手にすると落ち込んでいたミニョの顔がパッと明るくなった。
“目が覚めたら直ぐに電話しろ”
紙を置くと携帯電話を手にし電話を掛けた。打ち合わせ中だがミニョの電話を待っていたかのようにテギョンの声がミニョの耳に入ってきた。
「場所を変えるからちょっと待ってくれ」
電話の奥で聞きなれた声がミニョの名前を呼んでいるのが聞こえた。ミニョが返事をしようとするとテギョンが後ろの声に向かって“うるさい!”と怒鳴っているのが聞こえミニョはクスッと笑った。
移動したのか静かになるといつものテギョンの声が聞こえた。
「お前に怒鳴ったんじゃないからな、勘違いするな」」
ミニョは勿論分かっていると返事をし眠ってしまった事をテギョンに謝った。
「五分ですぐに眠れる特技の恋人を持つと寂しいもんだ。わざわざ時間を作っても寝顔しか見れない」
機嫌を損ねたと思ったミニョはどれだけテギョンの胸の中が居心地良かったかを一生懸命説明していた。
「分かった、分かった。そう言って貰えると胸を貸した甲斐があったということだな。
それより明日の夕方、今日と同じ位の時間に迎えに行くからバス停で待っててくれ。出来る限り待たせないように行くつもりだから少しくらい遅れても待ってろ。
良いか、勝手に都合の良い様に解釈して帰るなよ。遅くなるようなら必ず電話するしお前も何かあったら連絡しろ。分かったな」
「大丈夫です。ちゃんとオッパがいらっしゃるまで待ってますから」
「最近お前の“大丈夫”が一番危ないと分かったからな。もし今度約束破ったら・・・一日俺の言う事を聞いてもらおう。
俺はそっちの方が良いから何だったらすっぽかしても良いぞ」
「明日はどんな事があってもオッパのこと待ってます。遅くなってもずっと待ってますから心配しないで下さい」
テギョンの事だからあえて嫌がることを言うだろうと思い、仕事が終わった急いでバス停に行こうと思った。
翌日、仕事が終わるとミニョは急いで帰る準備をして孤児院を出た。テギョンと待ち合わせだと思うと昨日とは違って足取りも軽かった。
どんな理由であれ昨日、今日と続けてテギョンに会えるのがミニョは嬉しくて仕方なかった。バス停の椅子に座って目の前を通り過ぎる車を眺めていた。ミニョの待っている青い車が早く来ないかと立ったり座ったり身を乗り出して待っていた。
テギョンの車はミニョの待っているバス停の近くまで来ていた。そして助手席の前に置かれた小さな箱をチラリと見た。
ミニョが箱を開けた時に喜んでくれるだろうか?。頭の中でミニョが箱を手にする姿を思い思い浮かべた。
喜んでミニョが手にしてくれると良いんだが・・・。ただ普通に渡しても素直に貰うとは思えない。テギョンは心の中で少し不安になってきた。
バス停の手前で車を停めるとテギョンはミニョに分かるようにクラクションを鳴らした椅子に座ってそわそわしながら待っていたミニョは音のした方を向きテギョンの車を見つけると乱れる髪を押さえながら走って来た。外からテギョンの顔を見つけると嬉しそうな顔をして助手席に乗り込んだ。
「お仕事大丈夫でした?。遅れるんじゃないかと思ってました」
思ったより早くテギョンが迎えに来てくれミニョはホッとしていた。
「ちゃんと仕事は片付けてきた。長く待たせると帰られてしまうかもしれないからな」
どんなに遅くなっても待っていたとミニョは頬を膨らましテギョンを見た。
「オッパ、これからどこに行くんですか?」
「合宿所だ。昨日、お前が俺の胸の中で寝てしまって打ち合わせの時間をずらして貰ったからお前がメンバーに詫びを言え。今日はもうみんな帰っているから」
眠ったことを言われミニョは申し訳なさそうに下を向いた。
「皆さんにご迷惑をお掛けしたならちゃんと謝らなければいけませんね。オッパ、途中で何かお土産買っていきますから車を停めて下さい」
ミニョは何かを決意したかのように前を真っ直ぐ見ながら言った。合宿所に行く口実を冗談のように言ったつもりが真面目に反応したミニョを呆れるように見つめた。
暫く車を走らせるとテギョンはミニョの前に置いた小さな箱を見るようにと顎で示すとミニョは不思議そうな顔をして箱を手にした。中を見るように言われ蓋を開けるとミニョの顔がパッと明るくなった。
「わぁ~、可愛い指輪ですね。どうしたんですか?。どなたかにプレゼントされるんですか?」
箱の中にはシルバーのファッションリングが入っていた。星のモチーフの横にミニョの誕生石のブルートパーズが付いたリングだった。テギョンの返事を待ちながら蓋を閉め箱を置こうとしていた。
「誰にって・・・、お前に決まってるだろう」
予想通りにいかないとテギョンは不機嫌そうに口を尖らせミニョを横目で見た。
「私にですか?」
テギョンは頷きながらミニョの喜ぶ顔をこっそり見ようとしていた。
「オッパ、頂く訳には・・・。これって・・・」
指輪を見た時の明るい表情はなくなり下を向いて困ったような顔をしていた。
「貰えないってどういう事だ。お前、まさか婚約指輪だと・・・?」
ミニョはむしろそうではないのかと不思議そうな顔をしてテギョンを見て頷いた。テギョンは婚約指輪ならまだ受け取って貰えないと顔には出さなかったが心の中ではショックだった。
「安心しろ、それは婚約指輪ではない。
お前は知ってるかどうか分からないが、このトパーズは恋人たちが離れ離れになっても一途な愛を育てる石だと言われているそうだ。まぁ、この先俺たちが離れ離れになることはなさそうだから心配はいらないが。それにその石を身に付ける事で幸せが訪れるし、愛する人に贈ると苦しみから立ち直るきっかけを授けてくれるそうだぞ。
お前はとにかく事故多発地帯だからこれからもどんな事に巻き込まれるか分からないだろう。指輪がお守り代わりだ。俺と離れていてもそれを付けていれば大丈夫だ。俺の仕事の事で胸が苦しくなったら指輪を見れば大丈夫と思え」
お守りかわりと言われミニョは納得したようにもう一度指輪を見た。
「それが婚約指輪なら俺の分が箱の中に無いのはおかしいと思わないのか?。デザインを見てお前の指輪しかないと思えば婚約指輪ではないくらい気が付くだろう?」
勘違いをしてしまったミニョは頬を膨らましテギョンを睨んだが直ぐに手にしている指輪を見て“お守り”だと言いながらテギョンと指輪を交互に見て嬉しそうにしていた。
「後でちゃんとつけてやる」
テギョンがぶっきら棒に言うとミニョは恥ずかしそうに頷いた。本当は自分で買いに行きたかった。テギョンが指輪を買ったとなると騒ぎになってしまい誰のものなのかを憶測で書かれてしまうと思い、ツアーの打ち合わせに同席していたワン・コーディにミニョの誕生石の付いた指輪を何点か用意して貰った。そしてその中からミニョが貰っても負担に思わない物をとテギョンが選んだものだった。
合宿所に向かう途中でテギョンがお土産用と言ってビックリするほどアイスクリームを買った。車に戻るとミニョはアイスクリームの入った紙袋を抱え、テギョンに貰った指輪を嬉しそうに眺めていた。
駐車場に付き2人は車から降りテギョンはミニョから紙袋を持ち、ミニョは指輪の入った箱を大事そうに持ってウッドデッキに上がって行った。
そこでテギョンは止まり、ミニョに椅子に座るように言い指輪の箱を受け取った。
蓋を開け指輪を取りニッコリと微笑むとミニョの左手薬指にゆっくりとはめていった。指にぴったりとはまるとミニョは指輪を右手でなぞるようにして“お守りですね”と言いながらテギョンを見た。
「先に言っておくが外すとお守りの効果がなくなるから絶対外すなよ。指輪をしているから事故が起きない訳ではないから勘違いするな。事故を起こしても指輪のお陰で軽く済んだと思えば良い」
ミニョは改めて指輪をした左手を高く上げキラキラ光る誕生石を見つめていた。
「オッパ、ありがとうございます。お守りがあれば大丈夫だと自信がつきます、大切にします」
ミニョの嬉しそうな顔を見てテギョンは良かった。指輪を受け取ってもらうために説明した事を素直に信じ指輪をしてくれテギョンはホッとしていた。
「テギョン、お帰り。ミニョも一緒だったんだね」
先に帰って来ていたシヌがキッチンにいた。
「シヌヒョン、お邪魔します」
数日前に会った事をテギョンに知られないようにと普通に挨拶した。テギョンが着替えて来ると二階に上がるとミニョは椅子に座って恥ずかしそうにシヌを見た。
「あれからどうなったのか気になっていたんだよ。ちゃんと話が出来たんだね、良かったよ。話をしてもテギョン怒らなかったでしょ?」
「はい。
お仕事の事はやはり求められばそれは私が見たくないと言っていても仕事と割り切ってやるとおっしゃってました。私が嫌だと思ってくれて良かったと言っていただきましたし。
また見たら胸が苦しくなるかもしれませんがオッパに私の気持ちが伝わっていると分かったからもう大丈夫です」
シヌは良かったとミニョの頭を撫ぜた。
「今日は私のせいで昨日オッパが打ち合わせの時間に遅れたのでお詫びに来たんです」
ミニョは合宿所に来る途中買って来たアイスクリームの紙袋を差し出し申し訳なさそうにシヌを見た。
「お詫びに?。ジェルミもミナムもミニョの事でテギョンが遅れたって気づいてないよ。だから普通に遊びに来たって事にしておけば良いよ。
テギョンはここにミニョを連れてくる理由が欲しくてわざと言ったんだよ」
ミニョはシヌの言うとおり遊びに来た事にすると頷いた。
「シヌヒョン、テギョンヒョン帰ってきたんだね」
ジェルミがゆっくりと階段を下りながら聞いてきた。
「ミニョも一緒だったよ」
ミニョの名前を聞いた途端ジェルミが二階のテギョンの部屋に向かおうとした。慌ててミニョがジェルミの名前を呼ぶとニョの声のするキッチンに飛んできた。
「ジェルミ、お邪魔してます。アイスクリーム買って来ましたよ。冷凍庫に入れてありますから後で食べて下さいね」
ミニョの目の前に立つと嬉しそうに手を握り一緒にアイスを食べようと誘った。
「あの・・・ミナムオッパは?。せっかくですからちょっと呼んできます」
部屋で寝ていると聞いたミニョは起こして来ると言って二階に上がって行った。
ミニョと入れ替わりに着替え終わったテギョンがキッチンに来ると冷蔵庫から水のボトルと出して飲んでいた。
二階の方からミナムの名前を呼ぶミニョの声と階段を急いで降りて来る足音が聞こえた。キッチンにいた三人は一斉に怒った顔をしたミナムと手を引っ張られ困った表情をしたミニョを見て驚いた。
「ヒョン、これ何だよ?。俺は二人の結婚の話も聞いていないし許可をした覚えもないのに勝手に婚約したって事?」
テギョンの目の前にミニョの左手にはめられた指輪を見せた。シヌとジェルミも驚いた顔をしてテギョンを見つめた。
「ミナムオッパ、違います。婚約指輪ではありません。私がいつも事故ばかりおこすのでオッパがこれをすればお守りがわりになるからとわざわざ下さったんです」
オロオロしてミニョがテギョンから聞いた話をミナムに説明した。
横で聞いていたシヌとジェルミも本当なのかと半信半疑の表情でテギョンを見ていた。
ミニョは同意を求めるようにテギョンに助けを求めた。
「こいつが言ったとおりだ。単にお守り代わりにあげた」
婚約の意味ではないと渋々ミナムにも説明した。
三人は納得いかず疑いの目をしてテギョンを見たがミニョが嬉しそうにお守りに貰った指輪を見ていたのでこれ以上何も言わないようにした。
「良かったよ、婚約指輪でなくて」
ジェルミの言葉にミナムは“簡単にOKするわけない”と言うとテギョンは口を尖らせた。ミニョは三人のやり取りを見ながら嬉しそうに指輪を眺め、そんなミニョを複雑そうな顔でシヌは見ていた。