お越しいただきありがとうございます。


ここ数日お天気が凄く不安定です。晴れてると思ったら急に雲が出て来て雨が降り出すし・・・。

家にいる時はお洗濯物が気になりベランダを行ったり来たりしています。

気温は以前より低く感じますが、湿度が・・・。

過ごしやすくなるのはいつなんでしょう?。待ち遠しいです。



ではお話に。

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「オッパ・・・」


「何だ、また事故でも起こしたのか?」

最近、声のトーンでどんな顔をしながらミニョが電話をしてきているのか想像できた。今日は嬉しそうというより申し訳なさそうな感じの顔をしているだろうと。


「いつも、いつも・・・事故多発地帯とオッパはおしゃいますが私だって事故を起こそうと思っているわけではありません。ちゃんと気をつけているんです。今はお守りだってあるんですし」

左手にしている指輪を見ながら今度は怒った顔に変わったとテギョンは声を出さないよう口元を押さえながら笑っていた。


「何かあるんだろう?」


「実は・・・オッパに見て頂きたいものが有るんですけど」

電話をしてきた本題をミニョは遠慮がちに話し始めた。


昨日、今回のCM出演の契約書を預かり内容を確認してサインをして欲しいと言われた。契約書に目を通し問題ないと思ったがこの場でサインをした方が良いのかミニョは聞いてみた。


“一旦持ち帰ってご家族の方にも見て頂いた方が良いかもしれませんね。出来る限りコ・ミニョssiのご希望通りにしてみましたが他に何か付け加えて欲しいと思う事があるかもしれません。

他にあったら連絡いただけますか?”

前回、CMをその場で引き受けテギョンに怒られた事を思い出しミナムに見て貰ってからサインをしようと思った。

話を聞いたテギョンは自分も一緒に仕事をしているスポンサーなので決してミニョに不利な内容の契約書を作るような事はしないだろうと思っている。


「その場で直ぐに返事をするお前だと心配になったんだろう。ミナムには見せたのか?」

ミニョにとっては家族と言えばまず最初に思い浮かぶのがミナムということになる。


「ミナムオッパは自分が見ても分からないからテギョンオッパに見て貰うほうが良いと言われました。自分の契約書も見てサインして無いし、オッパの方がこういう事にも詳しいからそれで大丈夫だと言われたらそれで良いと。お忙しいとは思いますが見て頂けますか?」

契約書にサインと聞いてテギョンはミニョがミナムの代わりに契約書にサインをした後、ミニョをその場から連れ出し練習室に鍵を掛けその場で歌わせた事を思い出した。

あの時鍵を掛けていなければミニョは逃げ出していただろうか?。ミニョが歌わなければメンバーとして今頃ミナムは存在していなかったのだろうか?



(あの時は訳も分からず連れて来られてサインをしたんだろう)



最近ミナムはミニョの事に関して何かとテギョンを先にするようにミニョに言っていた。気を使ってなのかそれとも細かい事まで口出すテギョンが面倒くさくてそうしているのか?。

テギョンはどちらでも良かった。どんな小さな事でもミニョの事がわかるなら。


「早い方が良いんだろう?。電話を切らずにちょっと待て」

自分の部屋出て何処かに向かっているようだった。ミニョは電話を耳に当てたまま電話口で先で交わされている会話を一生懸命聞こうとしていた。一言、二言交わされた後、静かになりテギョンは自分の部屋に戻ってきたようだった。


「コ・ミニョ、明日の午前中は俺もミナムも合宿所にいるからその方が一度で済むだろう?。10時位には来れるか?」

ミナムの部屋に行き契約書の話をしてきたと言った。


「大丈夫です。明日もお仕事ですよね、遅れないように行きますから宜しくお願いします」

目の前にテギョンがいるかのように頭を下げ電話を切った。

大丈夫だとは思ったがミニョは直ぐにミナムに電話を入れ明日10時に行くと伝えた。


「俺は見なくて良いのに・・・。ヒョンが今言ってきたから一応目を通すことにはしたけど」


「家族の人にもって言われたんですからちゃんと見て欲しいんです」

面倒くさそうに言うミナムにミニョは怒ったように言う。


「俺よりさぁ、ヒョンの方が保護者みたい・・・違う、恋人じゃなくて今は保護者だな。お前がヒョンと別れたら俺が面倒みてやるよ。それまではヒョンをに相談してくれて良いよ。本当にヒョンに相談しづらい事があれば聞くけど。

眠いからもう良い?。さっきも寝てる所起こされたんだよ。じゃあ、明日」

そう言うとミナムはミニョの返事も聞かずさっさと電話を切った。


「2人っきりの家族なのに・・・。最近何でもオッパに相談しろばかり。テギョンオッパに迷惑はかけられないからやっぱり私がもっとしっかりしなければ・・・」

ミニョがしっかりしよう頑張れば頑張るほど周りは不安になる。その気負いが空回りして事故を起こしてしまう事にミニョ自身気が付いていないからだ。





翌日、ミニョは約束した時間に付くとまずはジョリーの所に行き頭を撫ぜ挨拶をするとテギョンに見せる為に持って来た書類を大事そうに抱えて合宿所の中に入って行った。



「おはようございます♪」

時間の約束までしていたのでテギョンが1階で待っているものだと思っていた。しばらく待っても誰も降りて来る様子も無かった。


「昨日電話したしオッパが約束を忘れる訳はないし・・・。勝手に上がって来いって事なのかなぁ」

二階に上がろうか迷ったが仕事中で邪魔をしてはいけないと思いテギョンに電話をすると待ってたとばかりに直ぐに電話に出た。


「どこにいるんだ?」テギョンは早めに起きてミニョからの連絡を待っていた。


「もう合宿所です。一階にどなたもいらっしゃらないから勝手に上がるのはどうかと思って・・・」


「良いから早く上がって来い。時間が勿体ない」

それだけ言うとテギョンは電話を切った。ミニョは電話を眺めながら“そんなに怒らなくても・・・”と言うとテギョンの待つ二階の部屋に急いで上がって行った。





トン、トン♪



「オッパ、失礼します」

静かにドアを開け中の様子を窺うように顔だけ入れてテギョンの姿を探した。

曲を作っていたのか机の前で難しそうな顔をしたテギョンと目が合うとミニョはホッとした顔をした。

ドアの開く音に一瞬顔を上げミニョを見たテギョンは人差し指をクィ、クィと曲げミニョを呼んだ。急いで階段を下りテギョンの前に立ったミニョは書類をテギョンに差し出して頭を下げた。


「オッパ、お忙しいのにすみません」

テギョンは封筒に入った書類を取り出すとサッと目を通した。


「何か付け加えて頂いた方が良いことはありますか?。私は特に無いのですが」

テギョンの横に立って一緒に契約書の読んでいた。


「俺たちは事務所が全部やってくれるから何かトラブルに巻き込まれても俺たちが前に出て何かを言ったりすることは無いがお前は普通の生活をしているから撮影を引き受けた事で不利な事があると困るからきちんと取決めしてもらった方が良いだろう。

まぁ、お前は何があっても相手に文句は言わないだろう。たまに後から色々言って来るケースもあるんだろうから。

やっぱり正面からは映さないようにして貰ったんだな。その方がお前の為にも良いだろう。


撮影は・・・まるまる一日?。俺の時は半日だったのに何で一日なんだ?」

契約書を読んでいたテギョンが驚いてミニョを見た。


「私に言われても困ります。シヌヒョンのスケジュールの問題とか・・・。それとも私が不慣れだからたくさん時間を取って頂いたのかもしれません。どんな所でどんな内容なのかもまだ聞いていないんです。前回オッパの時、お仕事に戻れなかったので今回お仕事をお休みしなくて良いように土曜日にして下さったんです。私の都合で決めて頂いたのでシヌヒョンに申し訳なかったです」

ミニョの希望をかなり聞いてくれたと恐縮していた。


「それは仕方ないだろう。お前も仕事をしているし、それでも出て欲しかったんだろうから・・・。あと、CMの撮影は今回が最後にすると入れて貰え」

それ以外は大丈夫だと言い、ミニョに契約書を渡した。


「それを言うんですか?。次回も話が来るように思っていると勘違いされるから嫌です」

自分の中では今回が最後だと思っているから言いたくないとミニョは首を振った。


「最初に言っておかないと今回シヌと撮るCMが好評ならまた話が来るかもしれないだろう?。評判悪いと直ぐに終わるが良いときは続いたりするからな」


「書類を持って行った時に自分の口で言いますから・・・。もう絶対引き受けたりしませんから大丈夫です。

それにオッパと一緒ではないですから前みたいに上手くやれるか分かりませんから」

テギョンの腕を掴んでお願いすると渋々頷き“忘れるなよ”と念押しした。


「撮影の時はどうやって行くんだ?。俺が送って行ってやっても良いぞ」

ミニョを一人で行かせるのが心配でミニョがこの仕事を引き受けた時から考えていた。


「オッパに送って行ってもらうなんて・・・。皆に見られたらおかしいと思われます。スタッフの方々は私とオッパは撮影の時に初めて会ったとしか思われてません。たった数時間で車で送ってもらうようになったと思われてしまうと困ります」


「聞かれたら仕事をしてお前に一目ぼれして付き合うようになったとでも言ってみるか」

冗談のように言うテギョンをミニョは迫力のない目で睨んだ。


「今までのオッパをご存知の方ばかりなのにそんな言葉を信じて下さいません。撮影場所までは自分で行くようにしますから」

離れた場所に停めれば良いだろうと言ってもテギョンの車は目立つから絶対に嫌だと言ってミニョは譲らなかった。

テギョンは面白くなさそうに口を尖らせ顔を横にして拗ねた表情をした。


「そんな顔をしないで下さい。本当はオッパと一緒だったら良かったと思っているんです。撮影が終わったら一番にオッパに連絡しますから」

ミニョはテギョンにそっと寄り添い見上げながら言った。


「終わったらではなく間でもだ」

ミニョを抱き締め耳元で囁くとミニョはテギョンの胸の中で嬉しそうに頷いた。


契約書の内容を見て貰いOKを貰ったミニョはミナムの部屋に行ってくると言ってテギョンの部屋を出て行った。


ミナムの部屋に行くと眠っているミナムを揺さぶり契約書を見て欲しいと頼んだ。


「ヒョンが見たんだろ?。大丈夫だって」

それでもミニョが見て欲しいと言うと仕方なく体を起こしミニョに渡された契約書をパラパラと捲り直ぐに返した。


「問題なし。じゃあ」

まだ眠いとミナムは頭から布団を被り、ミニョにもう帰れと言わんばかりに手をヒラヒラさせ追い払おうとしていた。

呆れたミニョは溜息を付き、布団の中で丸まったミナムに頬を膨らませながら見ていた。

諦めてテギョンの部屋をノックし、ドアから顔だけ出した。あまりにも早くミナムの部屋からミニョが戻ってきてテギョンは驚いていた。


「ミナムは何か言ってたか?」


「パラパラ捲って“問題なし”で終わりました」

ミニョが不満そうな顔で言うとテギョンが笑いを堪えミニョを呼んだ。


「俺が大丈夫だと言ったからだろう。安心して出せば良い」

ミニョは頷いて大事そうに契約書を抱えた。


「オッパ、ありがとうございました」

ミニョは背伸びをしてテギョンにキスをすると頭を下げ部屋を出て行き一階へ降りて行った。

リビングを通り過ぎ出ていこうとするとミニョはキッチンにいたシヌに呼び止められた。



お越しいただきありがとうございます。


思ったより早く外出から戻ったのでお話を書き始めましたがやっぱりこんな時間になってしまいました。

それでも今日中だったから良しとします。



ではお話に。



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待ち合わせたレストランの個室に入るなり抱きついてきたミニョに驚くと同時にそんな姿が愛おしくミニョの背中に回すテギョンの腕にも力が入った。


「そんなに俺に会いたかったのか?」

わざと笑顔を封印し真顔でミニョに聞くと恥ずかしそうに頷きミニョはテギョンの上着をギュッと握りしめた。このまま仕事に戻らずゆっくりとミニョと一緒にいたい。ミニョと楽しい時間を過ごした後、またメンバーと打ち合わせをするため事務所に戻らなければならない。

ミニョを送ってそのまま過ごしたいと心の中で思うが自分のやるべき事を考え、そんな我が儘も口にすることも出来ない。


「俺と離れて寂しかったというお前の気持ちも分からなくもないが誰が入ってくるか分からない。お前がアタフタする姿を久しぶりに見て見たい気もするが・・・。お前に泣かれると困るから席に着くことにしよう」

テギョンの姿を見て無意識に気持ちより体が動いてしまった。今になって恥ずかしくなりミニョは慌てて背中に回した腕を外し、もじもじとしながらテギョンの顔を何度も見た。

テギョンは笑いを堪えミニョの手を引き椅子に座らせると自分も反対側の椅子に座って気になっていた事を尋ねた。


「電話で言っていた話って何なんだ?。また事故でもおこしたか?。事故ではないよな、声が嬉しそうだったし」

いつも“事故”と言われミニョは頬を膨らましテギョンを睨んだ。


「オッパ、またMP3のCMやるんですよね」

ミニョの怒った顔は長くは続かず一瞬でいつもの笑顔に戻しテギョンに聞いた。


「どうして知ってるんだ?。誰に聞いたんだ」

今日、ワン・コーディと一緒に会ったのが前回テギョンと一緒にCM撮影をした監督とそのスポンサーだったと話した。

どうしてミニョに会いたいと言っていたのがCMの関係者だったのか?。その時に次回の話が出てもおかしくはないが続きを聞こうとした時に料理が運ばれて来て二人の話は一旦止める事になった。

テーブルの前に料理が並ぶとミニョは美味しそうに食べ始め話の続きをしようとしていた。


「お前が昼間会った時にその話を聞いてきたという事か?」

ミニョは口いっぱいに入れているせいで返事が出来ず頷いた。


「その話を俺も今日社長から聞いたが断った。今回も相手がいるみたいだったがお前が泣くから断った訳ではない。これからのアジアツアーの準備が忙しくてそれどころじゃないから断ったんだ。お前の為に断ったと勘違いするな」

勘違いするなと言いながらも本当の事を言うのが恥ずかしくミニョの顔をわざと見ないで話をした。

テギョンの話を聞いているはずのミニョが何も返事をしない。不思議に思ったテギョンはミニョが目に涙を浮かべているのを見て驚いた。


「お前・・・、俺がCMの仕事を断ったのがそんなに嬉しいのか?。まぁ気持ちは分からなくもないが。嬉しいからといって泣かなくても・・・。何度も言うがお前の為ではなく・・・」


「CM引き受けしてしまいました」

テギョンの言葉にかぶせるようにミニョが小さな声で呟いた。


「はぁ?。お前、今なんて言った?。俺の聞き間違いだよな」

手に持っていたフォークを一旦置くとテギョンは下を向いているミニョに聞いた。

ミニョもフォークを置くと手を膝の上に乗せ下を向いたまま“CMのお話を受けてしまいました”と消えるような小さな声で繰り返した。

聞き間違いだと思ったテギョンが改めてミニョの口から出た言葉を聞いて額に手を当て考え始めた。


「今からでも断われますか?」

目に涙を浮かべながら真っ直ぐテギョンを見た。テギョンは溜息をつきミニョの顔を見ながらどうしてこうなったのかミニョに尋ねた。


「今回も“A.N.JELL”に了解を貰っていると聞いてたぶんオッパがやるものだと思ったんです。オッパに聞いてからお返事しようと思って席を立ってお電話をしましたが繋がらなくて・・・。オッパ達のアジアツアーもあるからスケジュールも厳しくてもし私が断ったらすぐに他の人に声を掛けるような感じだったんです。

この前オッパのCMを見て、これからはどんなシーンを見ても大丈夫だと言いましたがやっぱり嫌で・・・。それなら私で済むならその方が自分が楽だと思いました。

それに・・・一緒にお仕事して恋人同士という演技の中でも堂々と皆の前で振る舞えたのが本当は凄く嬉しかったからオッパに確認する前に返事をしてしまいました」


「返事を急がされたとはいえ、一日位考えさせて欲しいとは言えば良かっただろう?。お前はこの仕事をしているわけでもないし前回だってミナムの事を気にしていたじゃないか」

テギョンはアン社長とそのCMの話をしていた時にミニョから着信があった時に電話に出ていればこんな事にはならなかったと後悔していた。


「俺が断ったのにお前は受けてしまったのか・・・」

あり得ないとテギョンは首を振り頭を抱えたままだった。


「受けてしまったからにはお断りするのは失礼ですよね」

呆れているテギョンを見るのが怖く顔を上げてもすぐに下を向いてしまう。


「当たり前だ。前回は偶然にしろ今回はちゃんと先方は仕事としてお前にお願いをしてきたんだ。お前がやると返事をした事でもう動きだしているんだ。どんな理由であれ自分の頭で考えて返事をしたんだろう?。だったら仕事としてやり終える事だけを考えろ」

厳しい口調で叱るテギョンにミニョの体は更に小さくなっていく。


「決まった事だからもうこれ以上悩むな。せっかく作って貰った料理だ、とにかく食べろ。撮影の事は心配することはない」

気持ちを切り替えられず不安な顔をして下を向いているミニョに優しく声を掛けるが食欲が無くなったと少し食べてフォークを置いてしまった。


「指輪の効果が出るのはまだまだ先か・・・。一つではお前の事故には効果は無いのかもな」

テギョンの天井を見ながら溜息をつき、ミニョはお守りとして貰った指輪を指でそっとなぞった。


「CMは俺の代わりをシヌがやることになっている。ジェルミやミナムよりは安心だろう」

自分が食べ始めればミニョも食べだろうと思いテギョンは自分も食欲が無くなったがゆっくりと食べ始めた。


「どうしてシヌヒョンなら安心なんですか?」理由が分からないとミニョが聞いた。


「ジェルミはお前と一緒だというだけできっと現場でも大騒ぎになる。仕事だと称して勝手に演出をしかねないかもな。前回のCMでお前が俺の相手だったと今頃分かったらどうして隠していたのかと問い詰めるに決まっている。

ミナムは元々知っているから良いとしても双子の妹だと分かった時点でかなりの注目になる。前回俺との時にお前は初対面として会っている事がおかしいと思われるに違いない。色々矛盾点を言われたらお前は嘘がつけなくて直ぐに顔に出てしまう。

その点シヌはどんな時でも冷静に対処してくれるだろう。三人の中で一番お前の事を分かっているし」

安心だとテギョンは言ったが心の中では複雑だった。どんな時でもシヌはミニョの見方となり盾となって庇ってきたからだ。もしかしたら自分の知らないミニョがいるのではないかと思ってしまう。


「シヌヒョンは相手が私だともう聞かれたでしょうか?」


「それは分からない。ただ、前回俺と共演した女性だという事くらいは言われているかもしれない。現場で分かるより事前に言っておいた方が良いかもな」

この後事務所に戻ったら何気なく聞いてみるとテギョンは言った。

“すみません”と頭を下げるとテギョンは自分の席を立ちミニョの隣に座った。


「この仕事を引き受けるのも今回で最後だぞ。俺以外の男と一緒だと俺は不安だ」

ミニョをそっと抱きしめ髪を撫ぜながら耳元で囁くとミニョは“私にはオッパから頂いた大切なお守りがありますから”と返事をしテギョンを見つめた。


食事が終わるとミニョをマンションまで送り届けテギョンは事務所に戻った。

真っ直ぐに練習室に向かうとジェルミとミナムはまだ戻っておらずシヌだけが楽譜を見ながらギターを弾いていた。

テギョンはソファーに深く腰掛けると目の前に置かれたツアーのステージの見取り図を見ながらシヌにどうやって話切り出そうか考えていた。


「テギョン、CM本当に断って良かったのか?。今ならまだ間に合うんじゃないのか?」

ギターを弾くのを止めシヌが聞くとテギョンはどうして急にそんな事を聞くのかと首を傾げシヌを見た。


「共演するのは前回お前と一緒に出ていた女の子だってさっき社長に聞いたんだ。お前の方がミニョも安心するんじゃないのか?」

名前を言われテギョンは目を見開いてシヌを見た。


「社長も知っているのか?」テギョンの問いにシヌは首を左右に振った。


「社長からはテギョンと一緒だった女の子としか聞いていない」

その言葉だけでミニョの名前が出るのが不思議で仕方なかった。


「お前いつから知っていたんだ?」


「歌番組の収録後、合宿所でジェルミが撮ったDVDを見直している時にそのCMが流れていたのを覚えているか?。その時、ミニョの横顔が一瞬映っただろ?。その泣き顔とそれを見た時のお前とミナムの表情で確信した」


「お前はやっぱり気がついたんだな。あいつの泣き顔は俺よりお前の方がみているかもしれないな」

テギョンはフッと笑った。


「さらにCMで見たお前の表情がいつもと違うし。確かめるのもどうかと思ったからお前にもミニョにも何も言わずにいたんだ。まさかこんな事になるとは思っていなかったし。

ミニョはお前だと思っているんじゃないのか?」

今ミニョと会ってシヌがやることを話してきたと言った。


「ミニョは動揺していたが自分で引き受けた事だからちゃんとやるように話をした。それにお前が一緒ならあいつも安心だろう。いろいろと迷惑を掛けるがあいつの事頼む」

テギョンはシヌに向かって頭を下げた。


「テギョン、いつの間にか恋人と言うより親みたいだな」

シヌと歳が変わらないのに“親のようだ”と言われテギョンは不満そうに口を尖らせた。ミニョにとっていつまでも恋人でいたいが早くに両親を亡くしたミニョ。間接的に自分のせいでもあると思うと必要以上にミニョに対して過保護になってしまう。


「親代わりと言われても仕方がないか・・・」テギョンはシヌを見ながら苦笑いをしていた。

廊下から賑やかな声が聞こえてくると二人はCMの話をパタリと止め、ツアーの打ち合わせをしていたかのような素振りをした。

ジェルミとミナムが機嫌よく肩を組んで入ってくると二人に加わり四人は頭を付き合わせながらツアーの構成を考えはじめていた。

お越しいただきありがとうございます。


今回から新しいテーマでお話をアップしていきたいと思います。

5月にテギョンとのCM撮影のお話は覚えていらっしゃるでしょうか?。その時期にシネ・ヨンファカップルのドラマを見ていてミニョがシヌヒョンと二人でお仕事をしたらどうなるんだろう?。

テギョンが終わったら書き始めようと思っていましたが間に別なお話を入れてしまいこのタイミングになってしまいました。


また“CMの話”でつまらない(同じ内容でつまらないですよね)、テギョンがあまり出ないのはちょっと嫌だと思われる方は今回のテーマに目を瞑っていただけると嬉しいです。

CMのお話はこれで終わりにしようと思っています。(飽きますもんね)


テギョンとは全く雰囲気の違う内容になると・・・思います。

勿論、時々“彼”も出てきます。

ラブラブな感じには程遠いかもしれませんが、お暇な時に読んでくださると嬉しいです。

更新は・・・相変わらずお休みの日だけになりそうですけど。

ごめんなさい。


ではお話に



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「久しぶりだけど元気にしてる?」

休みの日、部屋の掃除をしていたミニョにワン・コーディから電話が入った。


「元気にしてます。この前は色々とご迷惑おかけしました」

夏フェスの時のお礼を言い、最近の近況報告をしたり事務所でのメンバーの話を聞かせてくれた。


「今日電話をしたのは久しぶりにミニョに会いたいから都合を聞いて連絡してほしいって頼まれたの」


「私にですか?。オンニのご存知の方だという事ですよね。いったい何方ですか?」

自分の知っている人だとは分かるが“A,N,JELL”のメンバーとして、そしてミニョとしてワン・コーディ共通の知り合いは少ないはずだと思いミニョは不安になってきた。


「ミニョも一緒に仕事をしたことがある人よ。誰に会うのかは行ってからのお楽しみという事で・・・。

ミニョ一人で行かせるとテギョンに叱られそうだから私も一緒に行くわ」

ワン・コーディと一緒なら安心だから行っても良いと返事をし、休みの日か仕事が終わった夕方なら都合をつけられると答えた。

相手にミニョの都合を伝え、また電話をすると言ってワン・コーディはその場は電話を切った。


「私もオンニも知っている人で仕事をしたことがある・・・。マ室長?、アン社長?。」

ミニョはテギョンとの事がアン社長にばれてしまったのではないかと不安になった。電話を手にしテギョンに確認をしてみようと思ったが誰に会うのかはっきりしないのに相談することでテギョンに迷惑を掛けてはいけないと思い直し夜に電話をする時に話すことにした。

暫くするともう一度ワン・コーディから電話が掛かって来て次の休みの日に会う約束をしたと言われた。

ミニョが誰と会うのか気になるから教えて欲しいと言っても笑って教えてくれなかった。マ室長やアン社長ではないと言われると余計にミニョの頭の中は不安でいっぱいだった。


その夜、いつものようにテギョンに電話をし相談するとワン・コーディが一緒だから心配ないだろ言われた。ミニョはテギョンの言葉にホッとし約束の日を迎えられると思った。


「オッパに心配ないって言われたから安心です」

ワン・コーディの電話を切った後悩んでいたが、テギョンの一言で気持ちも楽になりにベッドに入り枕元にあったテギョンの人形をギュッと抱きしめ“おやすみなさいと”呟くといつの間にか眠ってしまった。





ワン・コーディと約束の日、ミニョは待ち合わせの時間より早くホテルのロビーで待っていた。

テギョンとたまに食事来るホテルと違うが落ち着いた雰囲気のロビーにミニョが一人でも安心して待っていられた。ワン・コーディが入って来た時に直ぐに分かるように入り口を見て座っていると時間通りに入ってきた。


「ミニョ、ごめんね。もっと早く来ようと思っていたのにバタバタしちゃって・・・待った?」

ミニョの姿を見つけると足早に近づきミニョの手を握りながらワン・コーディが言った。ミニョがさっき着いたばかりだと言うと安心したような顔をした後、ミニョの左手を見直した。


「この指輪?」

ミニョは恥ずかしそうに下を向き握られた手を引っ込めようとした。


「とっても似合ってる。テギョンが一生懸命選んでたもの」

ミニョの薬指を見て言うとミニョがどうして知っているのかと驚いた顔をしていた。


「話すと怒られるかもしれないけど・・・。私から聞いたって内緒よ。

テギョンに頼まれていくつか用意したの。テギョンは買いに行けないでしょ?。皆にばれない様に会議室でどれがミニョに似合うか見てる姿を見せたかったわ。本当はミニョと一緒に買いに行きたかったみたいだけど。ミニョが寂しがるからって言ってたけど本当は自分が寂しいのよ、ミニョに忘れられない様にってね」

どんな事があってもテギョンの事を忘れる訳はないのに嘘でもテギョンがそう思ってくれたら良いのにとミニョは思った。


「オンニ、そろそろ教えていただけませんか、私に会いたがっていた方とは・・・?。気になって仕方がありません」


「お店に入ってい見ればわかるから」

ミニョの手を引いてワン・コーディはホテルの中のイタリアンレストランへと連れて行った。入り口で名前を言うと予約されている席に案内された。ワン・コーディの後ろを付いて行きながらテーブルの近くに来ると見たような顔だがミニョは直ぐには思い出せなかった。


「お元気でしたか、コ・ミニョssi?」


「えっと・・・」


「コ・ミニョssiの印象にはのこりませんでしたか・・・。以前CM撮影でお世話になりました監督のイ・ドンジュです。

こちらは・・・覚えてないですよね、最初に挨拶しただけでしたね。スポンサーのキム・ヨンセンssiとチョン・ジョンソクssiです。

今日は私もコ・ミニョssiに会いたかったのですが私以上にお二人がどうしてももう一度会直接お願いをしたいとおっしゃったので私がワン・コーディssiにお願いして席を設けて頂けました。無理を言って申し訳ありません」

監督とスポンサーの二人がミニョに頭を下げるとミニョは恐縮したように慌てて三人に頭を下げた。


「私の方こそお世話になりながら直ぐに思い出せずにすみません。顔を覚えるのが苦手で・・・。よく叱られます。でもどうして私に会いたいと・・・」


「先日のお礼を申し上げていなかったので一度ちゃんとお会いしてお礼を言っておきたかったのです。それと・・・先日ご協力頂いたCMがとても社内・外から大変好評だったのです。

共演されたファン・テギョンssiはとても人気のある方ですから評判になっても当たり前としてこちらも思っていますが、コ・ミニョssiについてのお問い合わせが非常に多かったのです。もちろん監督とのお約束でお名前もどんな方なのか一切お話はしていません。

ただあまりにも評判が良かったのでこういうお仕事をされていないと分かっていますが、次のCMにも出て頂けないかと・・・。お願いをしたくて監督を通じて席を設けて頂きました。

勿論、コ・ミニョssiのご都合もあるでしょうし、出来るだけコ・ミニョssiにご迷惑の掛からないようご要望にお応えするようにいたします。お引き受けいただけないかと・・・」

スポンサー二人が何とか引き受けて欲しいと深々と頭を下げた。タレントでもない自分に男性二人が頭を下げているのを見るとどう返事をして良いのか分からなくなり困った顔をしてワン・コーディを見た。


「前回のCMが放送されて周りの方はコ・ミニョssiだと気づかれましたか?」

監督がミニョに聞いてきた。


「いいえ。もともと知り合いも少ないですし、家族にも事前に話をしていたの特に問題もありませんでした。私の顔が映ったのも一瞬でしたから。こちらの方こそ無理を言ってご迷惑をお掛けしたとと思っています。

あの時は出演される予定の方が事故困っていらっしゃったから協力をさせて頂いただけです。お役に立てればと思いましたし。評判が良かったのはたまたまご一緒させて頂いたファン・テギョンssiが優しくフォローして下さったので私自身が良かったとは思えません。せっかくのお話ですがやはり私には無理だと思います。」

ミニョは申し訳なさそうに三人に頭を下げた。


「今回のCMもお相手は“A.N.JELL”の方にお願いをしていて事務所の方からはお引き受けいただけると聞いています。コ・ミニョssi一人のCMではありませんからご心配には及びません。どなたが一緒に出られるか聞いてからのお返事にしますか?」

名前を聞いて受けるか受けないかを決めるのは失礼になるのかもしれないとミニョは思った。もちろんミニョとしてはテギョンであってくれることを期待しているがこの仕事を受ける事自体テギョンがどう思うか心配になってきた。


(返事をした後で怒られるのも嫌だし・・・どうしよう?)


「本来ならゆっくり考えてお返事をして頂いて構わないと申し上げたいのですが“A.N.JELL”の方がアジアツアーに出られるという事を聞いているので撮影の日程を考えると出来るだけ早くお返事を頂けると助かります。もしコ・ミニョssiが無理だという事であれば別の方にお話をしないといけないのです。

万が一を考え、候補の女性タレントの方のリストアップは出来てますがスポンサーさんも私も出来たらコ・ミニョssiにもう一度お仕事をご一緒出来ればと思っています」

引き受けて欲しい事が十分伝わってくるだけにミニョは本当に困っていた。


ミニョはテギョンがやるのかわからないとしても自分が断ったとなると代わりの女性が誰になるのかそっちの方も気になってきた。相手がテギョンだとしたら・・・。

前にテギョンのCMを見て女性タレントとの共演を見たくないと自分の気持ちを伝えたが必要であるなら仕事と割り切ってやるとテギョンは言っていた。CMが流れても自分が見なければ良いだけなんだけど・・・。

それだったら自分が受けてしまった方が楽かもしれない。偶然であったが一緒に仕事をして恥ずかしいと思いながらもテギョンと堂々と恋人同士を演じられた時を思い出した。


(本当は私も堂々と皆の前でオッパと一緒にいたい)


ワン・コーディの方を見ると“受けてみれば。誰が出るにしても私は行く事になるし心配要らないわよ”と肘で突かれた。

未だテギョンに相談した方が良いのか迷っていたが皆の視線がミニョ一人に集まっているのがよく分かった。


「ちょっとだけ電話を掛けて来ても良いですか?」

許可を貰うとミニョは電話を掛けにレストランの外に出て行った。


「オッパ・・・電話に出ない。どうしよう」暫く待ってもテギョンは出ない。諦めてミナムに電話を掛けてみた。

「もしもし、ミナムオッパ。今、話しても大丈夫ですか?」

テギョンとは一緒にいないようだった。簡単に今の状況を説明した。先にテギョンに電話をしたが繋がらず返事に困っていると相談した。

CMの話をミナムは聞いていないと言い、前回と同じでテギョンが出るんじゃないかと言うとミナム自身はミニョが出ても前回同様困る事無いから受ければ良いと言った。


「きっとヒョンも喜ぶんじゃないの?」

受けていいか迷っていたがミナムの言葉で受ける事に決めた。


「オッパにはこの後お電話して報告すれば良いし・・・」

ミニョは皆が待っている席に戻ると受けると伝えると監督もスポンサーも大喜びしていた。

スケジュールと細かい打ち合わせは早急に連絡をすると言われた。ミニョは自分の連絡先を伝え、その後は監督が今まで撮影した時の失敗談や下積み時代の話をしてくれその場を和ませてくれた。

食事が終わると皆に挨拶をしてミニョはワン・コーディと一緒にホテルの外に出た。


「ミニョ、テギョンとは連絡ついたの?」

「さっき掛けた時は出られなくて・・・。ミナムオッパと連絡付いたので説明したら受けても良いんじゃないかと言われました。テギョンオッパの反応がちょっと怖いんですけど・・・。オッパに言う前にお返事してしまったから大丈夫でしょうか?」

不安そうにワン・コーディを見た。


「何でもかんでもテギョンに聞いてからじゃないと返事が出来ないのはダメよ。自分で決める事も大事なんだから。そうじゃないとテギョンの顔色ばかりみて自分の意見がなくなちゃうでしょ?。

もしテギョンがダメと言ったらやっぱり断ったの?」

ミニョはコクンと頷くとワン・コーディは大きな溜息をついた。


「全く・・・テギョンがいないと何もできなくなっちゃうのかしら?。まぁ仕方ないわね、テギョンが好きなんだものね。早く報告しないとね」


ワン・コーディと別れて歩き始めるとテギョンから電話がかかってきた。





ミニョがレストランにいた頃

「なぁ、テギョン。忙しいのは分かるが撮影なんて一日で終わるだろう?。アジアツアーの準備で忙しいのは分かるが・・・。先方が前回のCMの反響が良かったからぜひお前にお願いしたいと言ってるんだ。

今回も一人じゃないらしいからあまり強くは言えないが・・・。なんでそんなに嫌がるんだ?。

もしお前の方で共演したい女優や歌手がいたら逆にリクエストしてみてみるか?」

リクエストをしてそれが噂になりミニョの目に入ると大変なことになる。


 “ファン・テギョン、CMの共演者指名?”


こんなタイトル、ミニョの目には絶対に触れさせたくはない。

アン社長に返事をしようと思っている時にテギョンのポケットの中の携帯電話が動き始めた。話をしながら取り出した携帯の画面をチラリと見てミニョからの電話だった。この時間に掛けて来るのは珍しいと思い、何かあったのかと心配になって社長との話を早く切り上げようと考えた。


「確かに撮影は一日で済むでしょう。出来ればツアーの準備に専念したいんです。アルバムの曲が殆どとはいえせっかくなら新しい曲もの時に披露出来ればファンだって喜んでくれます。それに行く国ややる会場の広さでもステージの構成も少しづつ違ってきます。国内でやるのとはまた違った仕事もあるんです。

申し訳ないですが今回は他のメンバーで話を進めて貰えませんか?。ツアーが終わればCMの仕事はちゃんと引き受けますから。

あっ、前にも言いましたがメンバーとの仕事のみにしてください」


「結局は誰とも共演したくないのが断る理由か・・・。まぁ今回はツアーの準備が忙しくて無理だと先方には丁重に断って他のメンバーでと言っておく。シヌに聞いてみるか・・・」

アン社長は電話を掛けシヌに社長室に来るように言った。入れ替わりにテギョンは社長室を出て急いでミニョに電話を掛けようとすると反対側からシヌが歩いてきた。

すれ違いざまにテギョンはシヌの方をチラリと見ると“練習室に行ってる”とだけ言うと後ろを振り向くこともしなかった。

テギョンが社長室から出て来たと分かったシヌは自分への話が一体何なのか気になりテギョンの後姿を暫く眺めていたが行ってみればわかるだろうと社長室のドアをノックしていた。




「出れなくて悪かった。何かあったのか?」

珍しい時間に掛けて来たと心配そうに聞くと反対にミニョの声はいつもより明るく弾んだように聞こえた。


「オッパ、今大丈夫なんですか?。ちょっとお話しておきたいことがあって・・・」

声の感じからして心配するような内容ではないと思ったテギョンは夕方の打ち合わせを抜けてミニョと食事の約束をした。

テギョンと会う約束をすると電話口からミニョが嬉しそうにしているのが伝わってきて間違えないようにとミニョは約束の時間と場所を何度も復唱していた。

電話を切るとテギョンは数時間後にミニョに会えると思うと自然と顔が綻んできた。歩きながら自分の表情を誰かに見られなかったかと周りをキョロキョロと見まわした。

「テギョンヒョン、ミニョから電話あったけど連絡付いた?」

練習室に着くとすぐにミナムが声を掛けてきた。


「たった今電話した。お前には何か言ってたか?」

ミニョの言いたい事を探ろうとミナムの顔を見た。


「特に聞いてないよ。ヒョンに連絡付かなかったから俺と一緒の場所にいるか確認したかっただけだと思うよ」

ミナムはあえてジェルミの前ではCMの話をすることを止めた。

ジェルミの前でCMの話をすると面倒なことになると思ったからだ。何も言っていなかったと聞きまたミニョの話が気になり始めた。腕時計を見ながらもう少し早い時間にミニョと約束をすれば良かったと心の中で後悔していた。




「シヌ、悪いがCM引き受けてもらえるか。最初テギョンに話が来たんだがアジアツアーの事で忙しいからと断られたんだ。撮影は一日しかないと思うがどうも最近メンバー以外とのCMは嫌がるんだよな」

アン社長がシヌの顔色を見ながら話をした。


「俺は構わないですけどテギョンじゃなくて良いんですか?。俺は誰と共演しても困ることは何一つ無いですけど。」


「スポンサーはテギョンが無理なら他のメンバーでも良いと言っていたんだ。前のCMがかなり評判良かったからテギョンにお願いしたいと思ったんだろう。ところでテギョンはなんであんなに女性と共演することを嫌がるんだろうな?」

テギョンが断る理由が他にあるのかとシヌに探りを入れようとしていた。

「テギョンは四人の中でもファンの数が多いから共演して欲しくないというファンの子たちの声もあるんでしょう。ファンを大事にしてますから。俺はあまりそういう仕事は少ないしファンの子たちの書き込みも無いですから大丈夫です。それにアジアツアーの事はテギョンに殆ど任せているから他の仕事で俺がカバー出来るものは引き受けます」

シヌは快く引き受けた。


「そう言ってもらえて良かった。お前の気が変わらないうちに直ぐに返事をしておこう。細かい事が決まったらまた連絡するから宜しく」

シヌの肩をポンポンと叩くとアン社長は直ぐに電話を掛け始めた。

社長室を出たシヌはテギョンがCMを断った理由が直ぐに浮かんだ。


(アジアツアーの準備が大変なのは口実だな。きっとミニョの為に断ったんだろう)


合宿所に来て悩んだ顔をしていたミニョを思い出した。


(他の女性と一緒のシーンを見たくないんです)


「ミニョの事が本当に好きなんだよな。ミニョは自分の為にテギョンが仕事を断ったとは知らないだろう」

ミニョの悲しそうな顔を見たくない。自分がテギョンに変わって引き受ける事で泣き顔を見なくて済むなら仕事を変わるのは簡単な事だ。

シヌはフッと笑いながら練習室に向かい中に入るとすぐにテギョンと目が合った。


「引き受けてくれたのか?」

小声で聞くとシヌは黙って頷いた。

「悪いな」とテギョンが謝った。

一体何の事かとジェルミとミナムが二人の顔を交互に見た。


「ツアー準備で忙しいからシヌにCMの仕事を引き受けて貰った」

テギョンの返事にミナムが驚いた表情をしていたのを三人は気が付かなかった。ジェルミは何のCMかとシヌに聞いていた。

ジェルミは次は自分に話がくるかもと嬉しそうにしていた。


(テギョンヒョン、断ったって事はミニョもやっぱり・・・。心配になって先に断ったのか?)

余計な心配をしなくて済むとミナムはホッとしていた。




約束の時間には早かったがミニョは何度かテギョンと食事をしたことがあるホテルのレストランの個室で待っていた。

一人で行くと入り口で顔見知りとなった支配人に挨拶をされ、直ぐに個室に通された。何か飲み物でもと聞かれたがテギョンが来てからと言うと窓から外を眺めテギョンが来るのを今か今かと待っていた。



トン、トン♪


音に反応してミニョはドアの方を振り向いた。

ドアが開くとテギョンの姿が見えミニョは走り寄りいきなり抱きついた。思いもよらないミニョの行動にテギョンは驚いてミニョの顔を見た。


「ずいぶん待ったのか?」

下から見上げるミニョの笑顔にテギョンの顔も自然と笑顔になった。ミニョはさっき来たばかりだと首を左右に振りながら恥ずかしそうに答えた。



ちょっと中途半端だったでしょうか?。

明日、続きをアップできるように頑張りたいと思います。

(子供の文化祭が有るのでもし完成しなかったらすみません。)