お越し頂きありがとうございます。

「なう」でお話をアップ出来るように頑張ると書きつつ何日経った事か・・・。軽はずみに呟いてはいけないと反省しました。

何度もパソコンを開いて続きを書こうとしてもなかなかまとまらず少し前にさかのぼって読み返してみたり、レンタルで“イケメンですね”のメイキングDVDを見たり(単に見たかっただけ?)お話の書き始めを全く違うものにしたら何とか書きあがりました。

アップしたものの後日読み返しをしてみて若干修整を入れるかもしれません。(誤字・脱字もあると思うので)

お許しください。


ではお話に。




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車の中からミニョが手を振る姿を見ていたテギョンは車が見えなくなると溜息をつき思い足取りで合宿所の中にはいっていった。

ミニョの家のソファーで少しだけ眠ったがすぐに事務所に戻る気持ちにはなれなかった。自分のベッドで休み着替えて再び事務所に行く事にした。冷蔵庫から水のボトルを一本取り出し持ったまま階段を上って自分の部屋のドアノブに手を掛けた時ミナムの部屋のドアが開いた。

ドアの開く音に反応し振り向いたテギョンはミナムの寝ぼけ眼で部屋の外をキョロキョロと見ている姿に驚いてハッと息を飲みビックリしたとミナムを睨んだ。


「ヒョン、おはよう。びっくりしたのはこっちだよ。昨日合宿所には帰らないって言ってなかった?。まさかミニョのことが心配で帰ってきたって事は・・・・ないよね。いや、ヒョンなら有るか?」

頭を掻きながら言うミナムを罰の悪そうな顔でテギョンは横を向いた。


「ヒョンがさぁ、そんなんだからミニョがいつまでしっかりしないんだよ。あいつの為にも少しは失敗させるのも必要なんだって。自分の失敗に気が付いてきっとヒョンの有り難味が良く分かるって」

ミナムの言いたい事は十分分かるがミニョの失敗でどれだけ自分が被害にあったか口に出そうとしたがミナムにここで言っても仕方がないと思いテギョンは無言で頷き部屋に入ろうとしていた。


「今日一日ヒョンは心配で仕事にならないでしょ?。空いた時間に俺が様子を見に行けたら教えてあげるよ」



「何でお前が様子を見に行けるんだ」テギョンは不思議そうな顔をしてミナムに聞いた。


「俺、午後からスタジオ撮影でミニョたちと同じ場所なんだよ。気が付いてないかもしれないけど。時間はずれているしスタジオの場所は違うけど同じ建物の中だから休憩の時にシヌヒョンを訪ねて行けば怪しまれないでしょ?。テギョンヒョン、聞いてなかった?」

ミニョとシヌの事ばかりが頭にあってジェルミやミナムのスケジュールは全く気にしていなかった。ミニョはあえてミナムの双子の妹だという事を出さないようにしている。離れたスタジオでの撮影で二人の関係に気付く人は殆どいないだろう。それでもゼロだとは言い切れず双子の妹だとばれたら上手くミニョが対処出来るとは思えない。シヌが何とかしてくれるとは思っているが・・・。


「ヒョン、俺もミニョの事困らせるつもりはないし。見に行けたらだよ。俺仕事早いからすれ違いになるかもしれないし。まぁ行けたらの話だから期待しないで」

ミナムはそう言うともう一度寝ると言ってドアを閉めた。


「ミニョは午後からミナムと同じスタジオで撮影だと知っているのか?」

知っていればミニョが言うはずだとテギョンは思った。今からでも教えてあげた方が良いのか迷っていた。



「シヌは俺と違って他のメンバーのスケジュールも把握しているだろうからきっと車の中ででも伝えているだろう。出掛けたばかりのミニョにすぐに電話を掛けると俺が心配していると思わせるのも逆に良くない。今日はシヌに任せたからミニョから連絡が来るまで待つとするか」

実際ミナムがミニョの撮影スタジオにいけるかどうかも分からない今テギョンは余計な心配をするのを止めた。







車に乗り込むとシヌからテギョンがいつも座る席に座るように言われミニョは恥ずかしそうにちょこんと腰掛けすぐに合宿所の駐車場で見送るテギョンを見て手を振っていた。

車が動き出し見送るテギョンの姿が段々小さくなるとミニョは段々寂しそうな顔になっていった。


「ミニョ、合宿所からそんなに離れてないのにもう寂しくなってきた?」

シヌが笑いながらミニョの顔を覗き込み話し掛けてきた。慌ててシヌの方を見て首を振り大丈夫だと笑顔を見せる。


「テギョンもきっと今頃寂しがっているんじゃない?。テギョンの代わりには慣れないけど出来るだけミニョが困らないように頑張るから」

ミニョの頭をポンポンと叩いた。

ミニョはいつまでも寂しそうな顔をしていてはシヌに迷惑が掛かると思った。自分のやるべき事だけを考えようと思った。


「テギョン、今日は一日自分の仕事どころではないかもね。早く終わらせて安心させてあげないと。どんなCM撮影になるかは内容を聞いてないけどこれでも見て二人で想像してみたら」

ワン・コーディが事前に取り寄せたと言ってこれから行く遊園地のガイドマップを渡してくれた。


シヌが受け取りミニョにも見えるようにガイドマップを広げ顔を近づけ見始めた。

広い敷地内はいくつかのテーマごとにアトラクションも別れていた。遊園地の隣には四季折々に咲く花が植えられた公園の写真もついていた。決まった時間にはパレードが行われるようだったが撮影をする時間にはまだやっていないとわかるとミニョは少し残念そうな顔をしていた。



「この中でどんな撮影をするんでしょう?」

ミニョは遊園地に来るのが始めてで楽しい気持ちと不安な気持ちが交互に現れた。


「遊園地で撮影するくらいだからきっと楽しい撮影になるよ」

シヌの言葉を信じて楽しい事だけを考えようとしていた。


「あれって?」

地図を見ていたミニョが何気に窓の外を見ると遠くに観覧車が見えていた。指差しながらシヌを見ると向かっている場所がそこだと言い身を乗り出すようにミニョと並んで遠くに見える観覧車を眺めていた。

窓から見える観覧車がどんどん大きくなるとミニョの期待も大きくなっていた。

「遊園地の駐車場に着いたよ」

前の席に座っていたマ室長が振り向いて二人に声をかけてきた。

ミニョはフロントガラスから見える広い駐車場を見てビックリしていた。今はガランとした駐車場が数時間後にはたくさんの車で埋め尽くされると聞き撮影がその中でどう行われるのか考え始めるとミニョの頭が真っ白になってきた。


(たくさんの人の前で大丈夫かな?。空港での撮影では急なお願いで人がたくさんいるなんて考える時間は無かったけど・・・。でも一人じゃないから大丈夫ですよね。)


「降りる準備をしよう。こんなに早くから始めまるから遊園地が皆が来る頃には撮影は終わっているかも知れない」

不安そうなミニョを安心させようとシヌは肩を軽く叩いた。



事務所の車が停まって外に出て周りを見てみると撮影スタッフが乗ってきたと思われる車だけが停まっていた。

二人はマ室長とワン・コーディと一緒に遊園地の入り口に向かうと到着時間を聞いていたスタッフが待っていてくれた。

四人はスタッフの後ろを付いて行き撮影場所近くに用意されたそれぞれの控室へ案内された。準備が出来る頃に迎えに来ると言うとスタッフは頭を下げ撮影現場に戻っていった。


「今日、私はシヌの方を担当するからミニョのヘアメイクは私の知り合いに頼んであるの。時間は伝えてあるからもう着いてる頃だと思うんだけど・・・」

ワン・コーディは周りをキョロキョロしながら何処にいるのかと探して姿を見つけると手を上げヘアメイクの女性を呼んだ。

呼ばれた女性が走って来るとシヌとミニョに頭を下げ挨拶をした。


「ミニョ、覚えてるかしら?」

ワン・コーディが笑いながらミニョに聞くと何処かで会ったような気がしたがはっきりとした記憶がない。首を傾げ一生懸命記憶を辿ってみたが思い出せなかった。ミニョは申し訳なさそうに女性に頭を下げた。


「あの時はバタバタしてコ・ミニョssiの記憶に残らなかったかしら?」

ワン・コーディと一緒に来た女性が笑い出した。夏フェスの時に“A.N.JELL”のヘアメイクをしたと言うとミニョは口を手で塞いで驚きながら何度も頭を下げ覚えていなかったことを謝った。


「今日はイ・ヒョリssiにミニョを担当してもらう事にしたの。一日だけだったけど夏フェスで一緒にいたからミニョも安心でしょ?。衣装はもう控え室に用意してあるはずだから」

シヌの控え室にワン・コーディが入ろうとするとミニョが呼び止めた。


「あの・・・、一緒のお部屋ではご迷惑ですか?」

シヌとワン・コーディは驚いたように顔を見合わせミニョを見た。


「ミニョ、一緒の控え室が良いって事?」ワン・コーディが聞くと


「着替えの時は勿論自分の部屋に行きますからそれ以外は一緒にいては駄目ですか?」

ミニョは少し節目がちに頷き、誤解されないよう慌てて付け加えた。


「ミニはメイクをしてもらうのをシヌに見られても平気なの?」

“何度か一緒にメイクしていますから・・・”大丈夫だと大きく頷くと横で話を聞いていた“一緒にメイク?”とイ・ヒョリが不思議そうにミニョを見た。


「私のお手伝いをして貰ってるうちに“ANJELL”のメンバーのメイクを見ているから平気になって来てミニョも気にならなくなってるのね、ハ、ハ、ハ」

ワン・コーディが何とか誤魔化そうとする。


「夏フェスで素顔に近い私をカン・シヌssiには見られてますから大丈夫っていう意味なんです。シヌssiが宜しければ・・・ですけど」

シヌは気にしないと頷くとミニョを手招きし部屋に入っていった。


大きな鏡の前ではシヌがワン・コーディにメイクをしてもらいミニョはイ・ヒョリssiと向かい合ってメイクをしてもらっていた。

先にメイクが終わり髪をセットして貰ったシヌが着替えてくると言って撮影用の衣装を持ってミニョの控え室に行った。

ミニョは髪をセットしてもらい出来上がった自分の顔を見て鏡越しにイ・ヒョリssiに微笑んだ。


「あまりお化粧しない方がコ・ミニョssiの可愛らしさが出るんじゃないかってオンニと話してたの。気に入ってもらえたら良いんだけど」

ミニョは長い髪に緩くカールをした髪を触りながら気に入った様子で鏡を見ていた。撮影用にと用意してあったヘヤピンを並べられるとどれが似合うか髪に付けどれが似合うか確かめていた。

リボンの形をしたヘアピンを持つと髪につけテギョンに貰ったヘヤピンを思い出しそれを付ける事に決めた。

シヌが撮影用の服に着替え自分の控え室の戻って来ると今度はミニョが自分の控え室に行き着替えて戻って来た。

テギョンと一緒に撮影をした時は、もともとテギョンの相手役だったヘリミssiに合わせて用意したものだった。

今回ワン・コーディが用意したものはミニョらしくシンプル中に可愛らしさを取り入れ共演のシヌに合わせたものだった。

ふんわりとした袖で襟元のスッキリしたブラウスにはミニョの細いウエストを強調するようにリボンが付いていた。胸元にはテギョンから貰ったネックレスをそのまま付けていた。膝上丈のフレアースカ-トに遊園地で歩いても疲れないようにといつもよりヒールの低い靴を履いていた。


「似合ってるよ」

シヌが言うとそばにいたワン・コーディとイ・ヒョリも一緒に“とても可愛いと”と褒めていた。ミニョは三人の前にいるのが恥ずかしそうにもぞもぞとしながら下を向いた。

いくつかアレンジ出来るようにとワン・コーディとイ・ヒョリがそれぞれ用意していた衣装をいくつか持ち出せるように準備しているとスタッフが二人を呼びに来た。


「行こうか。早く終わるように頑張ろう」

シヌが言うとミニョは頷き控え室を出て撮影現場に向かった。

お越しただきありがとうございます。


一週間ぶりの更新です。遅くなりました。

金・土曜日とパソコンを開けてもライフとカフェを細々とやり(やってる所を家族に見られても問題がないので)ブログは全く書かずに終わってしまいました。

書いてる途中でいきなり画面を覗かれてしまう事もあるんですよね。

多分(夫に)読まれているとは思っていますが・・・。

今日は何とか書けて良かったです。来月お休みが重ならない事を心の中で願うばかりです。


またしてもお話の進みが遅いですがお許し下さい。

(脱字を見つけたので修整しました。m(_ _ )m)

ではお話に。


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「オッパ、撮影の日にちが決まりました」

弾んだ声で決まったと電話してきたのは一週間前の事だった。そんなミニョの声を聞きテギョンは自分と一緒でなくてもそんなに嬉しいのかとミニョには見えないと分かっているが思い切り不機嫌な顔をした。



「場所は遊園地なんです。その後はスタジオで撮影するんですって。遊園地はシヌヒョンと行く約束をした事がありましたが、具合の悪くなったオッパを追いかけ行ってその時は結局行く事が出来ませんでしたから」

まるでデートに行く報告を聞いてるかのような気がして余計に腹が立ってきた。


「お前の嬉しそうな顔が目に浮かぶな。俺がCMを断った時泣きそうになっていたコ・ミニョと同じ人物とは思えないが俺の気のせいか?。

それにシヌと遊園地に行けなかったのが俺が具合が悪くなったせいだとも聞こえたのはそれも思い過ごしか?。

言っておくがあの時お前に付いて来いと俺は一言も言った覚えはない。心配して勝手に付いて来たのはお前の方じゃないのか?。


俺がCM断って良かっただろ?。仕事とはいえ運良くシヌと遊園地に行ける事になったしな」

撮影が自分と一緒ではなくきっと落ち込んでいるだろうと断った日以来ずっと心配していたテギョンは撮影場所を聞いた途端喜んでいるミニョの話を面白くなさそうに聞いていた。


「そんなつもりで言ったんじゃありません。ぜんぶ、ぜん~ぶオッパの思い過ごしです。

遊園地にいけなったのをオッパのせいだとは思ってません。

あの時はオッパがとても苦しそうにしていらっしゃったからどうしてもそばに付いていたいと私の意思で付いて行ったんです。

でもオッパに付いて行って良かったです。2人で変装して会社まで迷子になりながら帰ったのは今でもはっきりと覚えています」

ミニョは会社に辿り着いた時テギョンが見せた笑顔がとても印象的だったことを思い出しほんのり頬を染め電話口で恥ずかしそうにしていた。


「全くどうでも良いことばかり覚えてるな。いつまでも迷子になった事を言うな」


「どうでも良いことなんて・・・」



そんなやり取りをした事が頭に浮かんでいた。




*****



「明日、上手くやれるでしょうか?」

撮影前日いつもより早い時間に電話をしてきたミニョの声は弾んだ声で電話してきた一週間前とは正反対の物だった。


「あんなに楽しみだと嬉しそうに電話してきたのに今度は不安になったのか?」

テギョンの心配以上にミニョの不安の方が大きいように感じられた。ミニョはテギョンの問いに“ハイ”としか答えずその後何も言わなかった。


「何も心配することはない。

依頼した方もお前の自然の感じが良かったと思っているんだ。何も考えず言われたとおりにお前らしくやれば大丈夫だ。

あんなに遊園地での撮影を楽しみにしていたんじゃないか。俺がいなくてもシヌがフォローしてくれるはずだ。どんなCMになるのか俺も楽しみにしてるが恋人同士の設定だったらちょっと面白くないな」

ミニョの不安が少しでもなくなるようにとテギョンはわざと明るく言っていた。



「そうですよね、演技なんて出来ないってわかっていらっしゃいますよね。そう思えば少しは気持ちが楽になりました。オッパから頂いた指輪もあるしそれを付けているから大丈夫ですよね。

明日、皆さんにご迷惑を掛けないよう一生懸命頑張ってきます。本当は撮影前にオッパに会いたかったんですけどお忙しいから仕方無いですね。撮影の合間に連絡しますね」

ミニョはテギョンから貰った指輪を見ながら話をしていた。

本当は撮影前日までには一度はミニョの顔を見ておきたいと思っていた。仕事をしているミニョの所に平日夜遅く訪ねて行く訳にもいかなかった。


(ほんのちょっとの時間でも会えれば不安はなくなるだろうか?)


ミニョの不安よりミニョの顔を一目見たいと思う自分の気持ちに気が付くとテギョンはこんなに会いたい人が出来たことが今でも不思議で仕方なかった。目の前にある仕事を片付け明日の朝早くミニョの顔を見に行こうと考え目の前の仕事を片付ける事にした。





「やっぱり緊張してる」

翌朝、ベッドサイドのテーブルの上に置いた目覚まし時計を手にして呟いた。目覚ましが鳴る前に目が覚めミニョはベッドの中で背伸びをした。

隣で一緒に寝ていたテギョンの人形を枕元に置いてニッコリ微笑みいつものように朝の挨拶をした。

ベッドルームを出てシャワーを浴びようとバスルームに向う。

温めのお湯を一気に顔に浴びた。早起きは苦手でな方ではないがこんなに早く起きる事は滅多にない。

長めにシャワーを浴び髪と体を洗い終わると髪にタオルを巻きバスローブを来て鏡の前に立った。

テギョンとの撮影は偶然で何も考えず、ただ言われるがままにやっただけ。今日はそれとは違う。きちんと依頼をされ仕事として自分で決めたことだ。


(演技は出来ないと分かっていても皆さんのご迷惑にならないよう頑張らなくちゃ)

鏡の中の自分に向かって話しかけた。

軽くタオルで髪の水分を取り、ドライヤーで乾かし簡単に纏めてバスルームを出た。着替えを準備しょうとベッドルームに向かい、何気にテーブルの上に置いた携帯電話を見ると画面が時々光りメールが届いている事を知らせていた。急いで開けて見てみるとシャワーを浴びている間にテギョンからのメールが届いていた。


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆    


  駐車場にいる。準備が出来たら連絡しろ


  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆       



慌てて電話をすると少し眠そうなテギョンの声が聞こえてきた。


「オッパ、気が付かなくてすみません。良かったらお部屋の方に上がって来て貰えませんか?」

電話を切ると玄関に向かい、テギョンが来るのを今か今かと待っていた。

インターホンが鳴らされると直ぐにドアを開けテギョンを部屋の中に入れ顔を見るなりいきなり抱きついた。テギョンは驚いて両手を上げドアに背中を押し付けられた。


「まだ目が覚めていないのにいきなりだと驚くじゃないか。まだ準備が出来てないだろう?。抱きつくより早くやれ」

嬉しそうに見上げるミニョを見てテギョンは化粧もしていないミニョを指差していた。

会えると思っていなかったとミニョはテギョンの胸に顔を当て背中に回した手に力を入れた。


「行く前にオッパの顔が見れて良かったぁ」

本当に嬉しそうにしているミニョを見てテギョンはやはり来て良かったと思っていた。

テギョンはソファーに座ってミニョの準備が出来るのを待ち、ミニョは普段通りに簡単にメイクをしベッドルームで着替えを済ませテギョンのいるリビングに戻ってきた。

家を出るまで思ったより時間が有ると思いテギョンに熱いコーヒーでも入れようと声を掛けようとするとソファーで腕を組んだまま眠っていた。

起こさないようにとそっと横に座ってテギョンを眺めていた。仕事が忙しい中来てくれたテギョンに嬉しくて小さな声で“ありがとうございます”と呟くと触れるだけのキスを頬にした。

穏やかな顔をして眠っているテギョンの顔を見ているとミニョまで眠りの世界に引き込まれてしまいそうになってきた。


「王子様のような素敵なお顔です。オッパのお顔を見ているとこっちまで眠たくなってきます。ほんの少しだけオッパのそばにいても良いですか?」

返事をしてくれないと分かっているがミニョはテギョンに聞くとテーブルに置いていた携帯電話を持って来ると部屋を出る時間の少し前にセットをして手に持ったままテギョンの肩に頭を凭れ目を閉じた。


(ほんの少しだけ・・・)

同じ言葉を繰り返して呟いている間にミニョまで眠ってしまっていた。携帯電話の音で先に目を覚ましたのはテギョンの方だった。ぼんやりしている意識の中で聞こえる音と体の半分に掛かる重みの方に顔を向けた。頭を振り音の聞こえる場所を見つけミニョの手に握られた携帯電話をそっと抜き取るとアラームを止め、横にいるミニョの名前を呼んだ。

夢の中で自分の名前を呼ばれていると思いミニョはニッコリ微笑み口を動かしている。テギョンの横に安心感を持ったミニョを起こすのが何となくもったいないよう気がしたが出掛ける時間が迫ってきていると思いミニョが目を開けるまで名前を呼び肩を揺さぶった。

遠くで聞こえる心地よいテギョンの声と体を揺れでゆっくりと目を開け自分の顔を覗き込むように見つめるテギョンの顔を見ていつのまにか眠っていたんだとミニョはハッとした顔をし髪の毛を整えた。

テギョンの手に握られた携帯電話を奪い取ると時間を確かめホッとしたように手で胸を押さえた。


「これから仕事に行こうとしているお前が眠ってどうするんだ」

呆れるようにテギョンが言った。


「眠るつもりなんて無かったんです。このところオッパの隣でこうやって一緒にいる事が無かったから・・・。オッパの眠っている顔を見たら時間まで座っていようと思っていたらいつの間にか・・・」

恥ずかしそうに言いながらアラームを掛けていて良かったとミニョは自分を褒めていた。

そろそろ家を出ようとテギョンが玄関へ向かうとミニョは忘れ物が無いかバックの中を確認すると玄関に向かいテギョンと駐車場に向かった。前後になって駐車場に向かっていたが後ろを付いてくるミニョの方を振り向き手を伸ばした。テギョンの顔と手を交互に見たミニョは自分の手をテギョンの手に重ね顔を見上げて嬉しそうにしていた。

2人で車に乗り込み合宿所に向かいエンジンを止めたと同時に後ろから事務所の車が到着した。

車の中からマ室長が降りシヌを迎えに行こうとしていたのでミニョはテギョンの車の中から急いで降りると挨拶をした。


「シスター昨日から一緒だったんですね。心配でテギョンも仕事にならなかったんでしょうね」

テギョンと一緒だった事の驚きながらも二人の顔を見比べニヤニヤしながらテギョンを見ていた。


「オッパがさっき迎えに来て下さったんです。お仕事忙しくて昨日は事務所で徹夜だったんです」

誤解され恥ずかしいとミニョは真っ赤な顔をして答えた。それでも疑いの目をしながらテギョンを見るとキッと睨まれ首を竦め急いでシヌを迎えに行った。

車の中からワン・コーディも出てくるとミニョはホッとした顔をして“今日は宜しくお願いします”と頭を下げた。


「今日は一日長いけど頑張りましょ。テギョン心配だからって様子を見に来たらダメだからね。現場が混乱するから。今日はシヌに任せて」

テギョンは“分かっている”と頷き、面白くなさそうに口を尖らせていた。


マ室長と一緒に来たシヌはミニョの隣にテギョンがいて苦笑いをしていた。


「やっぱり心配になって帰って来たんだ。今日一日ミニョの事借りる」

そういうとミニョを呼び寄せ事務所の車のドアを開け中に入るように言った。


「オッパ、行ってきます。事故を起こさないよう頑張ってきます」

シヌの横に立ち自分に向かって笑顔で言うミニョを複雑な思いでテギョンは見ていた。

一日だけだと分かっていてもミニョの横にいるのが自分以外の男だと思うと腹が立ってきた。

それでも胸の内を読まれぬようミニョに“頑張ってこい”と一言だけ言うとミニョは手を振りシヌと一緒に車に乗り込んだ。

ドアが閉まり事務所の車が合宿所からどんどん遠ざかっていくのを見ながらテギョンはシヌと一緒に過ごすミニョの事を考えながら今日一日どうやって仕事にすれば良いのか悩んでいた。

お越しいただきありがとうございます。


上手くお話が書けているのか不安ですがとりあえずアップいたしました。

次回から撮影のシーンを書いて行こうと思っています。



ではお話に。(今回短くてすみません)




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「ミニョ、来てたんだ。テギョンのとこ?」

CMの話を受けてから初めてシヌと顔を合わせた。ミニョは何となく気まずくシヌの顔を真っ直ぐ見れなくて下を向いて小さく頷いた。


「シヌヒョン、あの・・・」

どう話し掛けて良いのかわからない。


「急いでる?。お茶入れようと思ったから一緒にどう?」

温めてる急須を持ち上げて見せると少し緊張していたミニョの顔が和らいだ。キッチンに向かいゆっくりと椅子に腰掛けカウンターの上に持って来た書類封筒を置くとお茶を入れているシヌを眺めていた。

お茶の入ったカップを目の前に差し出される頭を下げ両手で包むようにして持ち上げ香りを一気に吸い込んだ。


「シヌヒョンのお茶はいつも温かくて癒されます。不安や緊張も取り除いてくれる不思議なお茶です」

一口飲んでニッコリ微笑みシヌを見た。


「ミニョ、やっぱり不安なんだよね。CMテギョンだと思って引き受けたんでしょ?」

ミニョの横に座ってさりげなく聞くとミニョはシヌの横顔を見て申し訳なさそうに下を向いた。


「オッパから聞かれたんですよね。オッパと一緒にCM撮ったのは私だったって事。


確かにお話を聞いた時にはオッパがやるものだと勝手に思ってしまいましたから今回のお話もお引き受けしました。

オッパがそのお話を断ったと聞いた時にはショックでしたし、もしお断りする事が出来るのならそうしたいとも思いました。


でも一度お引き受けした以上はお仕事としてちゃんとやろうと思いました。それにオッパがおっしゃってました、“シヌヒョンなら安心だ”って」

下を向いて話し始めたミニョが顔をあげてシヌを見た。


「シヌヒョンには私が困っている時、誰よりも先に手を差し伸べて下さいました。たくさんご迷惑もお掛けしました。いつも感謝しています。

オッパとの仕事ではありませんが今回シヌヒョンと一緒で良かったです」


「俺で良かったか・・・。喜んで良いのかな?。


俺は仕事として引き受けただけだから何も気にすることは無いよ。たまたま相手がミニョだったというだけの話だから。相手を聞いて仕事を選ぶ立場でもないし。それに相手がいる仕事をしても悩んでくれる恋人もいないから大丈夫だよ」

シヌは笑いながらミニョの頭を撫ぜた。首を縮め恥ずかしそうにミニョはシヌを見た。



「それは今回のCMのやつ?」

ミニョがカウンターに置いた会社名の入った封筒をチラリと見た。ミニョはそうだと頷いた。


「私が出来るだけお仕事をお休みしたくないと言ったので撮影の日はシヌヒョンにはご迷惑おかけしましたよね」


「スケジュールは上手く調整してくれるから全く気にしてないよ。俺は言われたスケジュールの中できちんと仕事をやってるだけだし。

外で撮影をする場合は、使う場所や時間帯の制限はあるしミニョだって仕事をしているんだから仕方ないよ。ミニョは週末が決まってお休みだからそう思うけど俺たちは曜日はあまり気にした事ないから。

ミニョだって短い期間ミナムの代わりをやっててそう思ったでしょ。だから俺に申し訳ないと思わなくて良いよ。


今回、他に何かお願いした事ある?。もし事前に聞いておけば俺も協力できるし」


「今回も私個人の情報は出さないで頂きたいとお願いしました。あと・・・出来るだけ私と分からないようにと。前回と同じであまり出ない方が良いと思って」



「分かった、共演がミニョだという事は内緒にしておくんだね。ジェルミもまだ気づいてないよな。気づくまでは言わないでおこう。

俺はミニョと初めて会った事にしておいた方が良い?」

撮影当日ミニョとどうやって接した方が良いか考えていた。


「前回、オッパとは突然でしたから初めてお会いした事にしました。オンニは知り合いだという事を皆さんご存知です」

ミニョは少し不安そうな顔をしてシヌを見た。


「ヌナとは知り合いか・・・。


そうしたらこの仕事が決まって直ぐにミニョの事を紹介して貰った事にしよう。一度顔を合わせているとなれば現場で多少親しくふるまっても誰も変に思わないし。

俺からヌナに言って話を合わせて貰う事にしよう」

前回一緒のスタッフとはいえ数時間しか一緒に仕事をしておらず撮影現場に馴染めるか不安で一杯だった。頼りにしたかったテギョンは一緒ではない。少しでも自分の事を知ってるシヌと話が出来ればミニョも安心できると思った。


「ミニョが現場で困らないようにしないと。テギョンからも頼まれてるから」


「オッパからですか?」

テギョンの名前を聞いただけでミニョは頬をほんのり赤く染めた。そんなミニョを見て可愛らしく感じつつミニョの心の中には自分がいない事が少し寂しくもあった。


「細かい事はまだ聞いてないよね。当日は現場までどうやって行くの?」


「撮影場所もまだ聞いてなくて・・・。オッパが送って行くとおっしゃいましたがお断りしました」

“心配で仕方ないんだ”と笑いながらシヌは頷いた。


「撮影断ったテギョンがミニョを送ってきたらビックリするね。俺じゃなくて急遽テギョンに変わったのかって。

ヌナの知り合いで通るなら事務所の車で一緒に行こう。そうすればテギョンだって安心するし」

着替えやメイクでミニョの方が時間が掛かるからそれは出来ないとミニョは断ろうとした。


「メイクをもしヌナがやるんなら一緒に行った方が良いよ。それに俺は早く行って待ってるのは平気だし。ミニョが一人で行くなんて事になったらテギョンが心配して見に行こうとするかも」

ミニョはそれだけは避けたいと首を大きく左右に振った。


「もの凄く早い時間を言われてもシヌヒョンは平気ですか?。前の日のお仕事が遅くなって眠る時間が短くなっても平気ですか?」

テギョンより忙しくないとしてもシヌも一人だけで仕事を引き受ける事も多く忙しいとミニョは知っているだけに心配になる。



「眠かったら間で休むから。そんなに心配してくれるなら二人で頑張って早く終わるようにしよう。そうすれば俺も眠れるしミニョも気分的に楽になるでしょ?」

ミニョは頑張りますとガッツポーズをして見せた。



「それと・・・アン社長現場に来られたりしませんか?オッパの時はいらっしゃってなかったですけど、もしいらっしゃったら私だと直ぐに分かってしまうと思います」

未だアン社長はシヌとミニョがまだ付き合っていると思われていると心配した。


「四人の撮影じゃないから多分来ないと思うよ。撮影の日にちが分かったら俺も何気に聞いてみる。

皆の前で言われたらミニョだけじゃなくてテギョンも困るだろうし。いざとなったらミナムに協力してもらおう」

上手くミニョの事を隠し通さなければとシヌは考えた。



腕時計を見るとそろそろお昼になろうとしていた。仕事に行く準備をすると言うシヌに挨拶をしてミニョは合宿所を後にした。



ミニョと話を終え二階に上がろうとした時、仕事に出掛けようとしているテギョンとすれ違った。


「今、ミニョと話をしたよ」

だいぶ前に自分の部屋を出たはずだとテギョン思っていたテギョンは首を傾げシヌを見た。


「仕事を引き受けてからミニョとは話をしてなかったから良かったよ。現場でミニョとどう接すれば良いのか考えていたんだ。話を合わせておけるところはそうしておかないと俺たちとミニョの関係がばれると困ることもでてくるし。

話を聞いたらヌナとは知り合いだと皆が知っているんだよな。だから事前に紹介して貰った事にする。

そうすれば俺とミニョが話をしていても皆不自然に思わないだろう?。

移動の事も話しておいた。現場までも事務所の車で一緒に行こうと思っている。

その方がお前も安心するだろう?。お前が送って行くのはミニョも困るみたいだったから。

撮影の日は俺が全部責任持つから」

そう言いながらシヌはテギョンの肩をポンと叩くと自分の部屋に戻って行った。


肩を叩かれたテギョンはシヌの言った“全部責任は持つ”と言う言葉がどうしても気に入らなかった。

離れていてもミニョのすべてにおいて責任を持つのは自分だと思っている。

自分の部屋に戻って行ったシヌの後姿を見ながらテギョンはそう思った。

そして上着から携帯電話を出し電話を掛け始めた。


「どうしたんですか?。私、何か忘れ物しました?」

さっき会ったばかりでまた何かやってしまったのかとミニョは心配になってきた。


「今、シヌから話を聞いた。撮影当日はシヌの言うとおり事務所の車で行け、その方が俺も安心だ。撮影の日にちと時間が決まったらちゃんと連絡しろ。良いな」

自分の撮影でもないのに心配で仕方ない様子が電話からも伝わった。電話を切ったミニョは心配してくれるテギョンが嬉しくて見て貰った契約書の入った封筒を大事そうに抱えマンションへ向かった。