お越しいただきありがとうございます。


今回、またもお話の切り所が掴めず長くなってしまいました。

もし最後まで読めなかったという方がいらしゃったらメッセージを入れて頂けたらお話を分けてアップしたいと思います。

宜しくお願いします。


ではお話しに。

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メンバーより遅れてテギョンは合宿所の戻ってきた。まっすぐと自分の部屋に戻るとジャケットを脱いで携帯電話をベッドに放り投げ、シャワーを浴びるためバスルームに入っていった。

あの後練習室で待っていても、合宿所に戻る帰り道でも待っていたミニョからの電話は無かった。

シャワーを浴びながら電話をかけてこないミニョに苛立ちシャワーの水流を上げて少し乱暴に髪を洗った。

シャワーが終わるとバスローブを羽織って髪を乾かしながらベッドの上に放り投げた携帯電話をチェックした。


「チッ、アイツまだ電話してこないな。ミナムとの話が長引いているのか?」

テギョンが合宿所に戻って来た時にはミナムはまだ帰って来ていなかった。シャワーを浴びている間に帰って来ているかもしれないとミナムの部屋に行こうと階段を上りドアノブに手を掛けると、部屋の外で話し声が聞こえた。


「お帰り、ミナマ~。ちゃんとミニョに言ってくれた?」ジェルミの声が聞こえた。


「ただいま、ジェルミ。言ってきたからそのうち連絡あると思うよ。日にち決める時は俺とジェルミの休みが一緒の時にしてくれる?」

ミナムはジェルミにそう言うと自分の部屋に入っていった。


ドア越しに聞こえてきた二人の会話に口を尖らせながらミナムが帰って来た今も電話してこないミニョに腹を立て椅子に座っているテジトッキの耳を片手で持ち上げた。


「電話をすると言っておきながら何で電話してこない」

テジトッキに不満をぶつけた後、元の位置に戻した。


「もしかして電話しづらくて俺からの電話を待っているのか?」

ベッドに戻り携帯電話を手にしながらそう呟き、登録してあるミニョの短縮ボタンを押した。



何回か呼び出しの音がした後ミニョの声が聞こえてきた。


「もしもし・・・」

今まで寝ていたようなミニョの声だった。


「お前寝ていたのか?」苛立ちを隠せないようにテギョンが話しかけた。


「あっ・・・、オッパ?。どうかしましたか?」

起きたばかりのミニョはテギョンの怒りも気づいていなかった。


「どうかしましたか?って。

はぁ~、お前が後で電話するからってメールしてきただろ?。どうして電話をしてこない。

“迎えにもこなくても大丈夫。監督の話を聞いてきました。”

どんな話を聞いてきたのか俺が心配しているとは思っていなかったのか?」


「・・・・・」


「コ・ミニョ、聞いているのか?」

テギョンの捲し立てる言葉に少しづつ目が覚め返す言葉も無かった。


「おい、コ・ミニョ聞いているのか?、返事しろ」更に声を荒げるテギョンに黙ったままだった。



「オッパ・・・心配かけてすみませんでした」小さな声で返事をした。


「お前、家にいるんだよな。今から行くから待ってろ」

ミニョの返事を待たず電話を切り、急いで着替えたテギョンは自分の部屋を出て行った。

階段を降り、リビングを通り抜け外に出ようとするとキッチンにいたシヌに声を掛けられた。


「テギョン、今から出掛けるのか?」頷いただけでミニョのマンションに向かって行った。


「ミニョの所か・・・。ミニョの事になったら周りが見えなくなるからな」

テギョンの後ろ姿を見ながらシヌは苦笑いしていた。



「またオッパを怒らせてしまいました」

テギョンの電話で目が覚めたミニョはソファーから体を起こし携帯電話を見つめながら泣き顔になっていた。
テギョンとの電話を切って間もないが、合宿所とミニョのマンションまでの距離を考えるとテギョンが来るまで時間がないと気づき少し乱れた髪を手で直しキッチンへ歩いていた。

テギョンが来るまで気を紛らわそうとコーヒーを入れ始めていた。


「はぁ~。アフリカから戻って来ていつもオッパにご迷惑をかけてばかり。オッパの所に帰って来て良かったのかなぁ」

ゆっくりと落ちていくコーヒーの色が霞んで見えた。


「泣いてはダメですね。もうすぐオッパがいらっしゃるから」

慌ててバスルームに行き顔を洗って鏡を見た。ほんのり赤くなった目を気にしながらテギョンが来るのを待っていた。


テギョンは朝と同じように駐車場に入り車を停めて急いでミニョの部屋に向かった。

玄関でインターフォンを押すと直ぐにミニョが出てきてドアを開け中に入るようにと自分の体をドアに寄せた。

ミニョの顔を見て少し赤い目をしていたのに気がついたが触れることなくリビングに入っていった。


「オッパ、ソファーに座って下さい。飲み物用意しますから・・・。

いつも飲んでらっしゃるお水もありますしコーヒーもありますけどどちらにしますか?」

テギョンの顔を真っ直ぐ見れないミニョは冷蔵庫のドアに触れながら聞いてきた。


「コーヒーを入れてくれたならそれを貰うよ」

背中越しにテギョンの声を聞いて棚からカップを出そうとしていた。


テギョンはソファーから立ち上がりミニョのそばに行き後ろからそっと抱きしめた。


「さっきは電話で怒鳴って悪かった。心配だったんだ・・・」


「私がいけなかったんです。お電話すると言ってたのに・・・」

ミニョは自分の体の前に回されたテギョンの腕に触れ、体を入れ替えテギョンの胸に顔を付けた。


「ミナムとの話はもう終わったのか?」

体を少し離し、ミニョの頬に手を充て心配そうに聞いてきた。


ミニョは頷くと監督の所で言われた話をしたいからソファーに座るようしようテギョンに言った。

テギョンはミニョから離れソファーに座り、コーヒーを用意するミニョを眺めていた。

テギョンの前に座りコーヒーをテギョンの前に出した後、ミナムにも見せた写真を出した。


写真を手にしたテギョンは勿論ミニョだと分かっていた。テギョンも知っている泣いているミニョの姿だった。


「監督から貰って来たのか?。言われた事を話してみろ」


ミナムに説明したように今日事務所に行って編集されたCMを見せて貰った事。後ろ姿しか映らないという約束だったがミニョの了解がもらえたら写真のシーンを使いたいと。断っても構わないよう代わりのCMも見せて貰ったと話した。
テギョンはミニョの返事よりどうして撮影で泣いていたのかの方が気になって仕方なかった。


「ミナムにはこの相談だったのか?」

頷いた後、もしこのシーンを流した時ミナムに迷惑が掛かったらどうしようと思って相談したと。


「ミナムは何と言っていたんだ」


「ミナムオッパは写真を見て私だと分からなかったからほんの一瞬流れても私だと気がつく人はいないんじゃないかと。自分の妹だとバレても困らないから私が嫌では無ければ構わないと・・・。監督に返事をする前に必ずオッパに話をしておくようにと言ってました。」


「お前はどう思っているんだ」


「オッパはどう思いますか?」テギョンを真っ直ぐ見ながら聞いてきた。


「俺の意見よりお前の気持ちだよ、嫌なら断れば良いんだし」


「オッパは困りませんか?」

ミニョは自分よりミナムやテギョンに迷惑は掛けられないと思っている。


「俺が?。困ることは何もない。ミナムが言ってたようにCMを見てもお前だと気がつくのは殆ど、いや多分いないだろう。俺は偶然でもお前と一緒に出来て良かったと思っている。この先一緒にすることはないだろうし・・・。どうするかはお前が決めれば良い」


テギョンの言葉に頷いて、今夜考えて監督に返事をするとミニョは言った。


テギョンは人差し指を立てクイ、クイッとしながらミニョに自分の横に座るように言うと恥ずかしそうにミニョがテギョンの横に寄り添った。


「一つ聞いても良いか?」そう言いながらテギョンは目の前にある写真を手にした。


「この時泣いていたんだよな。俺との撮影が終わった後、何があったんだ?」

いつかは聞かれると思っていたミニョはどう答えて良いのか分からなかった。


「言いたくないなら言わなくて良い。ただ気になって聞いてだけだから・・・」

ミニョの頭を自分の肩に寄せ髪を撫でながらミニョに聞いてきた。



「オッパに会いたくなったからです」小さな声で呟いた。


「俺に?」驚いてミニョを見るとミニョはテギョンと目が合い恥ずかしそうに下を向いた。


「あの時本当にオッパが作られた“A.N.JELL”の曲を聴いていたんです。色々聴いていたんですが“言葉もなく”が流れて・・・。それを聴いたらオッパと一緒にお墓参りに行った時の事やレコーディングの時、MVを撮った時を思い出したらさっきまで一緒だったのに・・・オッパがいなくて・・・。オッパに会いたくなって・・・」

あの時をまた思い出し泣き出しそうになっていた。


「そういうことだったのか・・・。だからあの時泣いていたんだ。そうか・・・俺に会いたくなったんだな」

ずっと気になっていた理由がわかりテギョンは嬉しそうにミニョを眺めていた。


「えっ、あの時って・・・」不思議そうにテギョンを見上げた。


「いや、何でもない・・・。そうかそういう事だったのか・・・」テギョンは何度も何度も嬉しそうに繰り返していた。


「寝ていたのに悪かったな。帰るからもう休めば良い」テギョンが立ち上がり帰ろうとするとミニョが寂しそうな顔をしてテギョンを見た。ミニョの顔を見たテギョンはフッと笑って優しく抱きしめた。


「俺も一緒にいたいがお前の所に来たのは分かっているからなぁ。お前が寝るまでいるから着替えてこい」

笑いながら言うとミニョはベッドルームに行きパジャマに着替え、テギョンの所に戻ってきた。

ミナムの代わりをしていた時はパジャマ姿も平気だったミニョは恥ずかしそうにテギョンの前に立っていた。ミニョを抱き上げベッドルームに行く。

ベッドの上にミニョを降ろすと布団を掛けテギョンはベッドに座り眠るようにとミニョの髪を撫でていた。

テギョンの手を握り締め目を閉じ、安心したようにミニョはゆっくりと夢の中に入っていった。


テギョンはミニョが眠ったことを見届けると握り締めた手をゆっくりと離した。愛おしそうにミニョを眺めキスをした後、ベッドルームから静かに出て行った。


お越し頂きありがとうございます。


大雨が降っている所もあるようですが皆さんのお住まいの所は大丈夫でしょうか?。

大きな被害が無ければ良いのですが・・・。

私の住んでいる所は今のところ雨は止んで曇りのお天気です。

曇りだからと言う訳ではないですが今日ものんびりパソコンに向いながらお話を書きつつ、“ピグライフ”でトマトを収穫しようと思っています。



ではお話しに。



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事務所を出たミニョは溜息をついた後、覚悟を決めたように電話を掛け始めた。


「オッパ、今大丈夫ですか?」


「うん、大丈夫だよ」

練習を終えメンバーと雑談をしていたミナムはテギョンをチラッと見た後、ミニョとの会話を続けた。


「相談があるんです。何時でも良いから家に来て貰って良いですか?」


「わかった、今日はこれから何も無いから・・・。お前もう家にいるの?」


「まだ外です。あと1時間位で家に帰れると思います」


「じゃあ、先に行ってるからゆっくり帰ってきても良いよ」


「じゃあ、後で」

電話を切ったミニョはミナムにどう説明しようか携帯電話を見ながら悩んでいた。トボトボと歩きスーパーの前を通りかかるとふらりと店に入って行った。ミナムの為に何か作ろうと夕飯の材料とテギョンがいつも飲んでいる水のボトルを買い物かごに入れてレジに向かった。



「ミナマ~、今のはミニョからの電話?。ミニョの家に行くの?。俺も一緒に行きた~い」

電話を聞いていたジェルミはミナムにねだるように言う。


「ヒョン、ミニョと何かあった?」

ミナムに聞かれテギョンは昨日ミニョと一緒だったことを思い出してハッとしたが直ぐに何も無いと首を振る。

テギョンの一瞬変わった表情を見たミナムは“何かあった?”と思いながらも敢えてそれ以上聞くことはしなかった。



「ねぇ、ねぇミナマ~。カレーの事ミニョに話してくれた?。家に遊びに行けないならそっちでも良いからさぁ」

必死に頼むジェルミをテギョンが睨む。


「ヒョン、睨んでも駄目だから。だってミニョがご馳走してくれるって言ったんだよ。

絶対ミニョにご馳走してもらうから」

ムキになって反論するジェルミにテギョンは口を尖らせていた。


「コ・ミナム、合宿所に真っ直ぐ帰るから一緒に乗っていく?」

シヌが言うとミナムは乗せて行って欲しいと頼み二人は先に練習室を出て行った。


「俺も帰ろうっと。ヒョン、お先に~」

ジェルミもテギョンに手を振り二人を追うように練習室を出て行った。



一人残されたテギョンはテーブルに置いていた未だ鳴ることのない携帯電話を手にした。


「迎えに行くから電話しろって言ったのに何で掛けてこないんだ?。監督の所にはもう行ってる時間だよな」

腕時計を見ながら言うと手にしていた携帯電話にメールが届いた。


「コ・ミニョ・・・?」


   *:..。o○☆オッパ、お仕事中だと思ったのでメールにしました。

         監督の所には行ってお話を聞いてきました。

         もう、家に向かっているのでお迎えは大丈夫です。

         後で電話します。

                                   ミニョ*:..。o○☆

  

「ミナムには電話で何で俺がメールなんだ。まったく・・・話が終わったら直ぐに電話を掛けて来るのが普通だろ?。

俺が心配している事が分かっているはずなのに・・・」

テギョンはメールのミニョに不満そうに呟いた。


テギョンは腕を組みながら監督の所でどんな話があったのか?。ミナムに掛けてきた電話は何か関係あるのか気になって仕方が無かった。

白紙の楽譜の手にし、鉛筆片手に考え事をしていたが頭の中でミニョの顔が浮かんで来る。どんな話だったのか知りたいテギョンはミニョに電話をしてみようと携帯の短縮ボタンを押そうとした。


「俺から電話をするのはおかしいだろ?。あいつが電話してくるのが当たり前だ」

イライラしながら携帯電話をソファーに放り投げ鳴るはずのない携帯電話を眺めていた。



ミニョのマンションまでシヌに送って貰ったミナムは部屋に入り直ぐに冷凍庫を開けて大好きなアイスクリームを取り出した。スプーンを見つけてソファーに座りアイスを食べながら部屋を眺めていた。


「アフリカから帰って来た時とあまり変わってないな」

ミニョの為に用意した時と殆ど変わっておらず、もっと女の子らしい部屋にしても良いのにとも思ったがミニョらしいと笑っていた。




カチャ♪



玄関のドアが開いた。


「オッパ、遅くなってすみません。待ちましたか?」

買い物袋を下げながらミニョがリビングに入ってきた。


「ちょっと前に来たばかりだから。ごめん、勝手に食べてる」

手に持ったアイスクリームのカップをミニョに見せた。

カップを嬉しそうに持っているミナムを見たミニョはニッコリしながら買ってきた材料と水を冷蔵庫に入れているとミナムは合宿所の冷蔵庫にも入っているテギョン用の水のボトルだと気がついた。


「ミニョ。ヒョン、もうここに来た?」

水のボトルを手にしたままミナムの方を振り向き恥ずかしそうに頷いた。


「“あれ”役にたったんだ・・・」

笑いながら言うと“あれ”の意味を聞こうとするミニョに気にしなくても良いからと手を振ってごまかした。


「オッパ、アイスが好きなのはわかりますがちゃんとご飯食べて下さい。ちょっと待って頂ければ直ぐに出来ますけど」

日頃から好きなものしか食べないミナムを心配してミニョは何か作ろうとしていた。


「気にしなくても良いから相談って何?。ヒョンからプロポーズされて結婚したいとか?」


“プロポーズ”の言葉に顔を赤くしながら下を向いて首を左右に振った。


「じゃあ、何?。遠慮しないで言えよ」

ミニョはバックを手にしてソファーに座り、一枚の写真を取り出しミナムの前に差し出した。

ミナムは手に持っていたアイスのカップを置き、ミニョに差し出された写真を手にした。

ミナムの表情を見るのが怖くて下を向いたままミナムの言葉を待っていた。



「これ・・・誰?。もしかしてヒョンに・・・他の女性がいた?。


いや、そんな事はないよな。お前がいない間も特に噂の一つも無かったし俺に対しても嫉妬するくらいだから有り得ないか・・・。


だったら・・・俺?。酔って何かした?、全く記憶にないし・・・。


それもないと思うんだよなぁ、ヘイが怖いし。


これ誰なんだよ。お前が何でこの写真を俺に見せるの?」



何をどう説明して良いか分からず下を向いたまま黙っていた。


「黙ってないでさぁ・・・。この女性は誰?」

ミナムは顔も上げず黙ったままのミニョに一つずつ聞いてみることにした。


「私です」

すぐ近くにいるミナムに聞こえないくらいの小さな声で囁いた。


「聞こえないよ、誰?」

もう一度自分だとミニョが言うと写真を手にしたミナムは何回も写真とミニョを見比べていた。


「ミニョがそう言うならお前なんだよな。これは何なのか説明してくれる?」

ミニョは昨日空港に行った時の事、CMの代役を頼まれ引き受けてしまった事、今日事務所に行って編集されたCMを見て来て写真のシーンを使って良いか明日返事をしなければいけない事をポツリポツリと話し始めた。


ミニョの話を黙って聞いていたミナムはミニョの話が終わると口を開いた。


「それでミニョはどう思っているの?」


「どう返事をして良いのかわかりません。このシーンが出てしまうとオッパに迷惑が掛かってしまうのではないかと・・・」

下を向いたまま返事をする。


「俺に迷惑が掛かるとか考えないでお前自身がどう思っているかだよ。編集されたCMを見てきたんだよな。この写真のシーンが長く流れるの?」

首を振りながら1秒位だと監督が言っていたと返事をした。


「一瞬なんだ。お前自身が嫌じゃ無ければ良いんじゃないの?」

返事を聞いたミニョは驚いた顔しながらミナムを見た。


「オッパは大丈夫なんですか?。私だって皆さんに分かってしまったら困りませんか?」

泣きそうな顔でミナムを見つめた。


「困るって・・・何で?。


まずさぁ、たった1秒のシーンでお前だって気がつく人が何人いるかだよなぁ。

俺だって気が付かなかったのにタレントでもないお前だとは気がつかないよ。

もし誰かが気が付いて俺の妹だとバレたとしても別に困ることないし。

聞かれたらこう言うよ。


“俺の妹、俺に似て可愛いでしょ”って。


どう?」

ミニョが心配しないようにとおどけたように笑って見せた。


「お前が嫌だったら断れば良いよ。断っても良いって言われたんだろ?。俺の事は気にしなくても良いから。だって自分からやりたいとは言ってないんだろ?。

頼まれてやったのはスタッフ全員が知ってる事だから。自分の判断で決めて良いから」

ミニョは涙が出るのを堪えながら頷いた。


「ヒョンはこの事知ってる?。先に話しておいた方が良いよ、後で聞くとヘソ曲げちゃうから」

ミニョから電話を貰った時のテギョンを思い出し笑いながら言った。


テギョンとのCMだとミナムに言って無い事に気が付き口にしようと悩んでいた。


「返事が明日で良いなら一晩考えて。返事をする前に必ずヒョンには報告しておけよ。

俺が長居してると怒る奴がいるから・・・。あとジェルミが“カレーの約束”を言ってるから連絡してやってよ」

そう言うとミナムはソファーから立ち上がり玄関に向かい、テギョンに必ず連絡するようにと念押して帰った。


ミナムに相談しホッとしたミニョはソファーに座って考え込んでいた。


「オッパは大丈夫って言ってくれたけどどうしよう・・・。テギョンオッパにも電話しなきゃ」

携帯電話を手にしたミニョだが、ミナムに相談してホッとしたのと、昨日・今日と慌ただしい一日に疲れてテギョンに電話をすることも忘れそのまま静かな寝息を立てて眠ってしまった。


お越しいただき有難うございます。


早いうちにお話を更新しようと書いていたら出掛けるのにお化粧をしていない自分に気がついて慌ててました。5分でさっと済ませお話を読み返し更新しました。

誤字、脱字あるかと思います。(いつものことですが・・・)。お許しください。


ではお話しに。




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ミニョは院長様の所に行き昨日戻って来れなかった事を詫び、そして午後に撮影でお世話になった監督の所に行かなければならないと事情を説明した。

院長室を出た後、孤児院に行き一緒に働いているスタッフに同じように説明をして早退する許可を貰った。


「皆さんに御迷惑ばかり・・・。明日からはまた一生懸命頑張って働かないと・・・」

言葉とは裏腹に午後から監督の所に行く事を考えると憂鬱になってきた。ミニョが暗い表情をしていると子供たちが集まってきて心配そうにミニョの顔を覗いていた。


「ジェンマ先生、どうしたの?。大丈夫?」

子供たちの顔を見ながら頷いた。子供たちの世話をする為に働いているのに逆に励まされている自分が情けなくなり目に涙を浮かべると子供たちがミニョの頭を優しく撫でてくれた。


約束の時間に間に合うようミニョは孤児院を出て近くのバス停まで歩いて行き椅子に座ってバスを待っていた。

監督の話が何なのか?。テギョンは良い話かもと言っていたがミニョは不安で仕方なかった。


「オッパと一緒だったら・・・」

困った時ミニョの知らない所でいつも手を差し伸べてくれるテギョン。朝まで一緒だったのにもう声が聞きたくてバックから携帯を出し短縮ボタンを押そうとしていた。


「ダメ、ダメ。オッパは忙しい方だから自分で出来ることは自分でしなきゃ」

手にした携帯電話をバックの中に戻した。自分でやらなければと目の前を真っ直ぐ見据えるが直ぐに自信がなくなり下を向いて溜息をついていた。


「コ・ミニョssi?」

自分の名前を呼ばれ振り向くと昨日撮影で一緒だったパク・セウンが立っていた。


「えぇ~っと・・・。昨日どこかで会いましたよね・・・」

名前を思い出そうと顎に手を充て必死に考えている。


「パク・セウンです。昨日空港で・・・。もう忘れられたのかショックだなぁ。

コ・ミニョssi、家はこの近く?」

名前を思い出せず申し訳なさそうに首を振り、仕事帰りだと話した。

セウンは撮影に使う道具を揃えるために買い物や借り物をしてきた帰りだとミニョに説明した。昨日撮影が終わった後ミニョと話をしたかったセウンは偶然出会えたと喜んでいた。


「いつもこの時間に帰るの?」


「いいえ、いつもはもっと遅いです。昨日の撮影の事で監督から電話を頂いたので今から事務所に伺う事になっています」

何の話か分からないミニョは下を向きながら不安そうに答えた。


「今から俺も事務所に戻るから一緒に行こう。一人だと迷うといけないし」

初めて行く場所で不安になっていたミニョはセウンと一緒で少し心強く感じ少し笑顔を見せた。

バスが来るまで昨日の撮影の話やセウンの仕事での失敗を面白可笑しく話してくれ少しの間ミニョは憂鬱な気持ちを忘れるように笑っていられた。


丁度その時バス停近くを赤いスポーツカーが通り過ぎようとしていた。


「・・・・・あそこにいるのはコ・ミニョ?。男と一緒?、まさか・・・違うわよね。でも顔はミナムと同じだからやっぱりコ・ミニョだわ。隣の男は誰?、楽しそうに笑っているけど・・・」


ユ・ヘイはバックミラーでバス停にいる二人を興味深そうに見て首を傾げていた。信号で止まると助手席に置いていた携帯電話を取り電話を掛け始めた。







ミニョを送り届けたテギョンは一度合宿所に戻り着替えを済ませ事務所に向かった。来週テレビ番組の出演が決まっているので四人揃って練習をする予定になっていた。練習室に入ると三人はいつでも練習が始められるようにとテギョンを待っていた。


「悪い、遅くなった」

練習室に入るなりジャケットを脱いでソファーに置き、ギターを手に取りながらメンバーに謝った。


「テギョン、昨日の撮影は大変だったのか?」

出掛ける前に会っていたシヌが聞くと“まあな・・・”と多くを語らず頷くだけだった。


テギョンの準備が出来るとテレビ番組で歌う曲を練習し始めた。今回歌うのはテギョン、ミナムそれぞれがメインボーカルの曲を一曲ずつ歌う予定になっている。テギョンは自分の曲の練習よりミナムの曲をより多く練習しようとしていた。


「ヒョン、俺の曲の練習ばかりじゃなくてヒョンが歌う曲も練習しようよ」

歌うことは好きだが練習自体があまり好きではないミナムは演奏だけに専念すればいいテギョンの曲をやろうと提案する。


「疲れたのなら休憩入れてやる。そのかわり次始めたら今の倍は練習するからな」

ミナムを軽く睨みながらテギョンはギターを置きソファーに座った。


休憩を貰ったミナムは椅子に座りホッとしているとポケットに入れていた携帯電話が動き始めた。慌てて着信を確認するとユ・ヘイからだった。テギョンの方をチラッと見た後小声で話し始めた。



「珍しいね、そっちから電話くれるなんて」


「・・・・・」


「そう、ちょっと前にアフリカから帰って来てる。今日?、仕事に行ってるはずだけど」


「・・・・・」


「バス停で男と一緒だった?」ミナムはテギョンの方を向いた。


「・・・・・」


「見間違いだよ。また電話する」

三人が聞いていたと分かっているので出来るだけ簡単な会話で電話を切った。


テギョンはミナムの会話からミニョの事を話していると分かっていたが電話の相手が誰なのか、一緒にいた男が誰なのか気になり始め口を尖らせ考え始めていた。


(本当にあいつの事なのか・・・?)


「今の話はミニョの事?」ジェルミが聞くとミナムはテギョンを見ながら頷いた。


「誰からだったの?。男と一緒だったって見間違いじゃないの?」

ジェルミは心配そうな顔をしてミナムに聞いた。


「電話はヘイから・・・。偶然、孤児院近くのバス停近くを車で通ったらミニョに似た女の子と見たって。最初は違うと思ったけど顔が俺と同じだら多分間違いないって・・・」


「それさぁ、男の人がミニョに道を聞いていたんじゃない?。車で見掛けたなら一緒にいるように見えたんじゃないの?」


「俺もそう思うよ。ミニョがヒョン以外の男と気安く話すわけないしね、ハ、ハ、ハ・・・」

ミナムは笑って誤魔化そうとしていた。


「親切なミニョだから道を教えていたんだよね、シヌヒョン」

急に自分の名前を呼ばれ驚いたようにテギョンを見ながらシヌは慌てて頷いた。テギョンはミナムの様子が気になり腕を組んだまま考え始めていた。


(帰って来てまもないあいつが道なんかわかるのか?)


ミナムはミニョが楽しそうに一緒にいた男と話していた事は言えなかった。


「ヒョン、そろそろ練習始める?」

さっきまで練習を嫌がっていたミナムはこの話題を避けようと自分から言い出しマイクの前に立った。




セウンと一緒にバスを降りたミニョは監督の待つ事務所に着いた。


「コ・ミニョssi、昨日は有難うございました。今日はお呼び立てしてすみません。あれから編集をして出来上がったのですがコ・ミニョssiに見て頂きたいと思いまして。早速ですが見て貰えますか?」


ミニョがソファーに座るとテレビの画面が明るくなり昨日テギョンと一緒に撮った場面が映し出された。

最初の方のシーンはテギョンと一緒に何度も確認していたので普通に見ていられた。テギョンが突然ミニョを抱きしめ微笑みながら耳元で囁くシーンでは見ているだけで恥ずかしくなった。撮影の時はテギョンの表情が分からなかったのが画面越しで見るテギョンの笑顔に胸がドキドキしてきた。

テギョンとのシーンが終わりミニョ一人で撮ったシーンが流れ始めた。

大きな窓に飛び立つ飛行機、手にしたMP3を見ているミニョは小さく誰が見てもミニョだとは分からない程だった。

イヤホンを付け音楽を聞いていたミニョがMP3を胸に抱きしめ泣き出したシーンが映し出された。ミニョの横顔が大きく映し出され目から涙が流れ落ちていた。その後直ぐにMP3が映し出されたのでミニョの顔が出たのは1秒程度だった。


撮影後、監督からどのシーンを使うか分からないとは聞いていたが泣いていたシーンを使われミニョは動揺を隠せなかった。

自分が歌った“言葉もなく”を聞き、テギョンに会いたくて気が付けば泣いていた事も声を掛けて貰って初めて気がついたからだった。


「コ・ミニョssiに撮影協力をお願いした時には顔が映らないよう後ろから撮ると約束をしていました。ファン・テギョンssiとのシーンはそうなっていたと思います。

コ・ミニョssi一人でのシーンも出来るだけミニョssiと分からないような部分を使わせて頂こうと思って編集をしよう思いました。

ただ、恋人から別れ際に貰ったMP3で曲を聴いてる姿の中で今のシーンが一番恋人を思う気持ちが出ていて見ている人にも伝わると思ったんです。

ただ一瞬ですがコ・ミニョssiの横顔が出てしまう事になります。

コ・ミニョssiの承諾が頂ければこれをCMに使わせて頂きたいと思っています。撮影協力をしていただく時と話が違っているので勿論断って頂いてもかまいません。

放送してから話が違うと言われてCMを流せなくなるのはこちらとしても困るので事前に見て頂きたかったのです。

承諾を頂けなかった場合のCMも作っておきましたからそちらも見てみますか?」

監督はミニョにもう一つのCMを流し始めた。


テギョンとのシーンは同じでミニョだけのシーンはMP3の画面を操作し曲目を選びながら時折窓の外を飛び立つ飛行機を眺めていた。イヤホンを耳に付けMP3を胸に抱きしめ聴いているシーンで終わっていた。

ミニョが見ても最初に見せて貰ったCMの方がよりインパクトはあるものだと充分分かっているが自分の顔が出てしまうことでミナムに迷惑を掛けてしまうのではないか、泣いているシーンをテギョンに知られたくないと思う気持ちでどう返事をして良いのか全く分からなかった。


「長くは待てませんが一日考えて貰えませんか?。困るということであれば断って頂いても構いません。後で見ていただいたCMでも充分スポンサーにも納得して頂けると思っています。

一瞬でも顔が出る事でコ・ミニョssiにご迷惑をおかけする訳にはいきません。もしご家族にご相談をしたいということであればこれを持って帰って相談して見て下さい。

返事は明日の午前中までに頂けると助かります」

監督は一枚の写真を渡してくれた。


ミニョを写真を受け取り頭が混乱したまま事務所を出て歩き始めた。

さっき貰った写真を取り出し見つめながら溜息をついた。


「どうしよう、ミナムオッパに相談してみないと・・・」

写真をバックの中に戻し代わり携帯電話を取り出し電話を掛け始めた。