お越しいただきありがとうございます。
今回、またもお話の切り所が掴めず長くなってしまいました。
もし最後まで読めなかったという方がいらしゃったらメッセージを入れて頂けたらお話を分けてアップしたいと思います。
宜しくお願いします。
ではお話しに。
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メンバーより遅れてテギョンは合宿所の戻ってきた。まっすぐと自分の部屋に戻るとジャケットを脱いで携帯電話をベッドに放り投げ、シャワーを浴びるためバスルームに入っていった。
あの後練習室で待っていても、合宿所に戻る帰り道でも待っていたミニョからの電話は無かった。
シャワーを浴びながら電話をかけてこないミニョに苛立ちシャワーの水流を上げて少し乱暴に髪を洗った。
シャワーが終わるとバスローブを羽織って髪を乾かしながらベッドの上に放り投げた携帯電話をチェックした。
「チッ、アイツまだ電話してこないな。ミナムとの話が長引いているのか?」
テギョンが合宿所に戻って来た時にはミナムはまだ帰って来ていなかった。シャワーを浴びている間に帰って来ているかもしれないとミナムの部屋に行こうと階段を上りドアノブに手を掛けると、部屋の外で話し声が聞こえた。
「お帰り、ミナマ~。ちゃんとミニョに言ってくれた?」ジェルミの声が聞こえた。
「ただいま、ジェルミ。言ってきたからそのうち連絡あると思うよ。日にち決める時は俺とジェルミの休みが一緒の時にしてくれる?」
ミナムはジェルミにそう言うと自分の部屋に入っていった。
ドア越しに聞こえてきた二人の会話に口を尖らせながらミナムが帰って来た今も電話してこないミニョに腹を立て椅子に座っているテジトッキの耳を片手で持ち上げた。
「電話をすると言っておきながら何で電話してこない」
テジトッキに不満をぶつけた後、元の位置に戻した。
「もしかして電話しづらくて俺からの電話を待っているのか?」
ベッドに戻り携帯電話を手にしながらそう呟き、登録してあるミニョの短縮ボタンを押した。
何回か呼び出しの音がした後ミニョの声が聞こえてきた。
「もしもし・・・」
今まで寝ていたようなミニョの声だった。
「お前寝ていたのか?」苛立ちを隠せないようにテギョンが話しかけた。
「あっ・・・、オッパ?。どうかしましたか?」
起きたばかりのミニョはテギョンの怒りも気づいていなかった。
「どうかしましたか?って。
はぁ~、お前が後で電話するからってメールしてきただろ?。どうして電話をしてこない。
“迎えにもこなくても大丈夫。監督の話を聞いてきました。”
どんな話を聞いてきたのか俺が心配しているとは思っていなかったのか?」
「・・・・・」
「コ・ミニョ、聞いているのか?」
テギョンの捲し立てる言葉に少しづつ目が覚め返す言葉も無かった。
「おい、コ・ミニョ聞いているのか?、返事しろ」更に声を荒げるテギョンに黙ったままだった。
「オッパ・・・心配かけてすみませんでした」小さな声で返事をした。
「お前、家にいるんだよな。今から行くから待ってろ」
ミニョの返事を待たず電話を切り、急いで着替えたテギョンは自分の部屋を出て行った。
階段を降り、リビングを通り抜け外に出ようとするとキッチンにいたシヌに声を掛けられた。
「テギョン、今から出掛けるのか?」頷いただけでミニョのマンションに向かって行った。
「ミニョの所か・・・。ミニョの事になったら周りが見えなくなるからな」
テギョンの後ろ姿を見ながらシヌは苦笑いしていた。
「またオッパを怒らせてしまいました」
テギョンの電話で目が覚めたミニョはソファーから体を起こし携帯電話を見つめながら泣き顔になっていた。
テギョンとの電話を切って間もないが、合宿所とミニョのマンションまでの距離を考えるとテギョンが来るまで時間がないと気づき少し乱れた髪を手で直しキッチンへ歩いていた。
テギョンが来るまで気を紛らわそうとコーヒーを入れ始めていた。
「はぁ~。アフリカから戻って来ていつもオッパにご迷惑をかけてばかり。オッパの所に帰って来て良かったのかなぁ」
ゆっくりと落ちていくコーヒーの色が霞んで見えた。
「泣いてはダメですね。もうすぐオッパがいらっしゃるから」
慌ててバスルームに行き顔を洗って鏡を見た。ほんのり赤くなった目を気にしながらテギョンが来るのを待っていた。
テギョンは朝と同じように駐車場に入り車を停めて急いでミニョの部屋に向かった。
玄関でインターフォンを押すと直ぐにミニョが出てきてドアを開け中に入るようにと自分の体をドアに寄せた。
ミニョの顔を見て少し赤い目をしていたのに気がついたが触れることなくリビングに入っていった。
「オッパ、ソファーに座って下さい。飲み物用意しますから・・・。
いつも飲んでらっしゃるお水もありますしコーヒーもありますけどどちらにしますか?」
テギョンの顔を真っ直ぐ見れないミニョは冷蔵庫のドアに触れながら聞いてきた。
「コーヒーを入れてくれたならそれを貰うよ」
背中越しにテギョンの声を聞いて棚からカップを出そうとしていた。
テギョンはソファーから立ち上がりミニョのそばに行き後ろからそっと抱きしめた。
「さっきは電話で怒鳴って悪かった。心配だったんだ・・・」
「私がいけなかったんです。お電話すると言ってたのに・・・」
ミニョは自分の体の前に回されたテギョンの腕に触れ、体を入れ替えテギョンの胸に顔を付けた。
「ミナムとの話はもう終わったのか?」
体を少し離し、ミニョの頬に手を充て心配そうに聞いてきた。
ミニョは頷くと監督の所で言われた話をしたいからソファーに座るようしようテギョンに言った。
テギョンはミニョから離れソファーに座り、コーヒーを用意するミニョを眺めていた。
テギョンの前に座りコーヒーをテギョンの前に出した後、ミナムにも見せた写真を出した。
写真を手にしたテギョンは勿論ミニョだと分かっていた。テギョンも知っている泣いているミニョの姿だった。
「監督から貰って来たのか?。言われた事を話してみろ」
ミナムに説明したように今日事務所に行って編集されたCMを見せて貰った事。後ろ姿しか映らないという約束だったがミニョの了解がもらえたら写真のシーンを使いたいと。断っても構わないよう代わりのCMも見せて貰ったと話した。
テギョンはミニョの返事よりどうして撮影で泣いていたのかの方が気になって仕方なかった。
「ミナムにはこの相談だったのか?」
頷いた後、もしこのシーンを流した時ミナムに迷惑が掛かったらどうしようと思って相談したと。
「ミナムは何と言っていたんだ」
「ミナムオッパは写真を見て私だと分からなかったからほんの一瞬流れても私だと気がつく人はいないんじゃないかと。自分の妹だとバレても困らないから私が嫌では無ければ構わないと・・・。監督に返事をする前に必ずオッパに話をしておくようにと言ってました。」
「お前はどう思っているんだ」
「オッパはどう思いますか?」テギョンを真っ直ぐ見ながら聞いてきた。
「俺の意見よりお前の気持ちだよ、嫌なら断れば良いんだし」
「オッパは困りませんか?」
ミニョは自分よりミナムやテギョンに迷惑は掛けられないと思っている。
「俺が?。困ることは何もない。ミナムが言ってたようにCMを見てもお前だと気がつくのは殆ど、いや多分いないだろう。俺は偶然でもお前と一緒に出来て良かったと思っている。この先一緒にすることはないだろうし・・・。どうするかはお前が決めれば良い」
テギョンの言葉に頷いて、今夜考えて監督に返事をするとミニョは言った。
テギョンは人差し指を立てクイ、クイッとしながらミニョに自分の横に座るように言うと恥ずかしそうにミニョがテギョンの横に寄り添った。
「一つ聞いても良いか?」そう言いながらテギョンは目の前にある写真を手にした。
「この時泣いていたんだよな。俺との撮影が終わった後、何があったんだ?」
いつかは聞かれると思っていたミニョはどう答えて良いのか分からなかった。
「言いたくないなら言わなくて良い。ただ気になって聞いてだけだから・・・」
ミニョの頭を自分の肩に寄せ髪を撫でながらミニョに聞いてきた。
「オッパに会いたくなったからです」小さな声で呟いた。
「俺に?」驚いてミニョを見るとミニョはテギョンと目が合い恥ずかしそうに下を向いた。
「あの時本当にオッパが作られた“A.N.JELL”の曲を聴いていたんです。色々聴いていたんですが“言葉もなく”が流れて・・・。それを聴いたらオッパと一緒にお墓参りに行った時の事やレコーディングの時、MVを撮った時を思い出したらさっきまで一緒だったのに・・・オッパがいなくて・・・。オッパに会いたくなって・・・」
あの時をまた思い出し泣き出しそうになっていた。
「そういうことだったのか・・・。だからあの時泣いていたんだ。そうか・・・俺に会いたくなったんだな」
ずっと気になっていた理由がわかりテギョンは嬉しそうにミニョを眺めていた。
「えっ、あの時って・・・」不思議そうにテギョンを見上げた。
「いや、何でもない・・・。そうかそういう事だったのか・・・」テギョンは何度も何度も嬉しそうに繰り返していた。
「寝ていたのに悪かったな。帰るからもう休めば良い」テギョンが立ち上がり帰ろうとするとミニョが寂しそうな顔をしてテギョンを見た。ミニョの顔を見たテギョンはフッと笑って優しく抱きしめた。
「俺も一緒にいたいがお前の所に来たのは分かっているからなぁ。お前が寝るまでいるから着替えてこい」
笑いながら言うとミニョはベッドルームに行きパジャマに着替え、テギョンの所に戻ってきた。
ミナムの代わりをしていた時はパジャマ姿も平気だったミニョは恥ずかしそうにテギョンの前に立っていた。ミニョを抱き上げベッドルームに行く。
ベッドの上にミニョを降ろすと布団を掛けテギョンはベッドに座り眠るようにとミニョの髪を撫でていた。
テギョンの手を握り締め目を閉じ、安心したようにミニョはゆっくりと夢の中に入っていった。
テギョンはミニョが眠ったことを見届けると握り締めた手をゆっくりと離した。愛おしそうにミニョを眺めキスをした後、ベッドルームから静かに出て行った。