新罪と罰 | ファビラス

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楽に

 

パラリンピックで、日本チームにようやく調子出てきましたね。

金メダルを獲ったクロスカントリーの男子10㌔で優勝した新田佳治(にったよしひろ)選手(29)のことをきょうはちょっぴり

新田選手の奥さんの知紗子さんはきれいな人で、

夫が滑っている間、
「よっちゃん がんばれ」
「最後までがんばれ」
って声援を送っていた。

夫がゴールしたとき、感激で頬にいく筋もの涙がこぼれていた
その涙にはわけがあった。

「彼の中でトリノ以来、時間が止まっていた。その思いを糧にして練習してきた」
と知紗子さんは言っていた。

何故、時間が止まったかというと、4年前のトリノで、
新田選手は転倒し、13位に終わった。そこで時間が止まっちゃったわけ。

家族の時間も止まった。

彼はトリノ後、筋トレに精を出し、家の中でも、けんすいのトレーニング。

そんな姿を奥さんは傍らでずっと支えてきた4年間だった。
そういうときって奥さんだって同じ心境になっちゃうよね。

新田選手は左腕のひじから先がないんだけど、
3歳のとき、農業を営む祖父(現在92歳)が運転する稲刈りコンバインに巻き込まれてしまったのが原因

おじいちゃんはその日以来、孫の腕を見て、心のどこかで自分を責め続けてきたと言っていた。

単なるアクシデント。不注意からだった。

でも、罪と罰。心には重くのしかかるよね。負い目を感じて生きてきた。

孫の新田選手はとっくにおじいちゃんを許していて、おじいちゃんの心をラクにしてあげたいわけ。

人間としてダメになっていったら、おじいちゃんだって、苦しいよ。

新田選手はパラリンピック前のNHKの特番で「金メダルを祖父にかけてあげたい。祖父の言動から責任を感じていることは十分わかっているから」って話していた。

おじいちゃん、もう、許されていいんじゃないのかな。

孫が左腕がなくても、小3からクロスカントリースキーを始め、
右腕一本のスキーのステッキで10キロを滑りきり、
4年前のトリノの失意から復活したんだから。



パラリンピック開会式で、大観衆を前にステージで踊った松葉杖ダンサールカ・パチェリさんのダンスを引き続き。
私はすっかり気に入っちゃった。




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