395年前、フランス、パリ。 | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

395年前、フランス、パリ。

シャルル・ペロー/Charles Perrault。


聞いたことがある、という方は多いかと思います。

395年前、1628年1月12日にパリで生まれたペロー。裕福なブルジョワ階級に生まれた彼は、オルレアン大学で学び弁護士となり、1671年にはアカデミー・フランセーズ会員に選出されルイ14世に仕えました。

 

「赤ずきん」をはじめとする民間伝承をまとめた児童文学の先駆けとして知られています。



Portrait (detail) by Charles Le Brun (1628-1703)
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彼を有名にしたのは、当時サロンで一篇ずつ朗読披露され、その後1694年に出版された「韻文による物語」、続いて1697年に出版された「寓意のある昔話、またはコント集~がちょうおばさんの話」でした。


ヨーロッパの民間伝承を詩の形にまとめ、教訓を加えたものでしたが、当時の風俗を反映させるなど子供にも親しみやすくまとめられており、後年には児童文学の始まりとも評されています。


ペローの物語は、現在も世界中の子どもたちに愛され、音楽や映画等々のテーマとなっているものが数多くあります。


代表的な作品をいくつかあげてみましょう。


「ロバの皮」1694年


by Paul Gustave Dore(ポール・ギュスターヴ・ドレ/1832-1883)
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「赤ずきん」1697年


Illustration by Paul Gustave Dore 1862
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「眠れる森の美女」1697年


Illustration by Paul Gustave Dore 1867
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「シンデレラ」1697年


Illustration by Paul Gustave Dore 1867
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「長靴をはいた猫」1697年


Illustration by Paul Gustave Dore 
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「ロバの皮」以外は後年にグリム童話に収録されており、内容は少し変わっている部分があります。


ペローは17世紀フランス、グリム兄弟は19世紀ドイツですので、ヨーロッパ伝承といえども地域性や経年変化、そしてまとめる人の感覚が異なるのは当然と言えるでしょう。


ちなみに「ロバの皮」は王妃を亡くした王様が自分の娘である王女に求婚する・・・という内容ですので、グリム兄弟としては扱いたくなかったのかもしれません。そんな視点で両者の物語を比べてみるのも面白いかと思います。


3世以上を経ても、今なお私たちの原風景といえるような、おはなしを纏めてくれたシャルル・ペロー。


冬の寒い日、ペローの原作(訳本ですが)をゆっくり読み直すのもよろしいかもしれません。



A Young Girl Reading by Jean-Honoré Fragonard
between circa 1770 and circa 1772
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