薔薇とアザミとシャムロック、そして花嫁のギンバイカ | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

薔薇とアザミとシャムロック、そして花嫁のギンバイカ

本日、ロンドン郊外ウィンザー城で行われる結婚式。
 
Views of the Interior and Exterior of Windsor Castle by Jeffry Wyatville/1848
 

ハリー王子と米女優のメーガン・マークルさんに、世界中が注目しています。
 
数多くの報道がありますが、私は小さく可憐な白い花に注目してみました。
 
 
 

ギンバイカ/銀梅花、ご存知でしょうか?
 
主に地中海周辺を原産とする常緑の低木で、糸のように細いおしべが特徴的な白い小花を夏に咲かせます。
 
英語では「マートル/Myrtle」。
 
 

このマートルは英国王室に深いかかわりがございます。
 
はじまりは1840年2月10日に行われたヴィクトリア女王の結婚式。
 
 

Marriage of Victoria and Albert by George Hayter(1792-1871)
 

このとき、ヴィクトリア女王は自らのブーケにマートルの花咲く小枝をいれたそうです。
 
 
もともとマートルは古代ギリシアで豊穣の女神デーメーテールと愛と美と性の女神アプロディーテーに捧げる花とされてきました。
古代ローマでは愛と美の女神ウェヌスに捧げる花とされ、結婚式に用いられることもあったようです。
 
 
The Three Graces, Unknown Roman artist, Fresco at Pompeii 79 AD.
Wearing myrtle wreaths and carrying sprigs of myrtle.
 
 

愛や不死、純潔を象徴する花であり、ハーブやリキュールの材料として古くから愛されてきたマートル。
 
 
 
ヴィクトリア女王が夫となるアルバート王子の故郷、ドイツのゴータを訪れた際に、アルバート王子の祖母がしげみからギンバイカの小枝を切って渡したという説があります。
 
 
 
花嫁の象徴のようなマートルを将来の義祖母から渡された時、ヴィクトリア女王にはそれをブーケもつ自らのウェディング姿が、はっきりと見えたのかもしれません。
 
 

QueenVictoria-Bride
 
 
ヴィクトリア時代に活躍した挿絵画家のケイト・グリーナウェイ/Kate Greenawayによる有名な本「Language of flowers」。
 

それによれば、マートルの花言葉はまさに「Love」。

 
 
 
ヴィクトリア女王はブーケに入っていたギンバイカの小枝を植え、木に育てたそうです。
 

その後の王室の花嫁たちは、まさにその木からブーケのための枝を切っているという話がございます。
 
可憐な姿とストーリーをもつ、まさに花嫁にふさわしい花がマートルなのです。
 
 
 
本日ウィンザー城で行われる結婚式。
メーガン妃の手元は、マートルで飾られているのでしょうか・・・?
 

今から180年近く前、ヴィクトリア女王の結婚式頃に造られた、薔薇とアザミとシャムロックをもつ特別なアームチェアとともに、21世紀の王室行事を見守りたいと思います。
 
 
 

http://pancada.net/item/chair/cat48/post_1568.html

アーリーヴィクトリアン カーヴドアームチェア 1840年代 英国

 
 
 
 
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