~アンピール様式とは~
アンピール様式とはナポレオン1世がフランス皇帝の座に就いた1804年~1815年頃に流行した装飾様式です。
フランス革命によりナポレオン1世が帝位に就くと、それまでのブルボン王朝の気風を一新するため、古代エジプトやギリシャ、ローマの装飾様式を取り入れ、権力を誇示するようになりました。
帝政を意味するEmpireをフランス語でアンピール、英語でエンパイアと読み、どちらも帝政様式と呼ばれます。
建築や室内装飾、家具や衣装など美術全般において広がったデザイン運動であり、凱旋門やマドレーヌ寺院もアンピール様式のデザインです。
家具材にはマホガニーや黒檀が好まれ、力強い直線と豪奢なオルモルや金箔など、重々しく荘重な雰囲気が特徴です。
装飾にはライオンやヤギなど象徴的な動物に月桂樹やスフィンクスなどのモチーフが多用されました。
ナポレオン1世の最初の妻ジョゼフィーヌが住んでいたマルメゾン城の部屋も、直線的なフォルムに金の装飾が施された豪華な家具で揃えられています。
アンピール様式はヨーロッパ各国にも広がり、英国ではリージェンシー様式がその影響を大きく受けています。
ヴィクトリア&アルバート美術館所蔵のこのカウチは高級家具メーカーGillow & Co.によるもの。豹を思わせる動物の顔と獣脚を金箔で仕上げた帝政様式の典型的なデザインです。
ロシアにまで影響を及ぼしたアンピール様式はナポレオンの失墜とともに衰えてしまいますが、リヴァイバルで度々流行しています。
歴史の源ともいえる古典をもとにしたアンピール様式には、人を惹きつける根本的な力があるのではないでしょうか。
パンカーダには、フランス文化の華やかさはそのままにクラシカルな格式を備えたアンピール様式のトーチャーがございます。
こちらからご鑑賞ください。
http://pancada.net/item/cat54/post_1594.html
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