フランスで最も感嘆すべき廃墟
11月に入り、抜けるような空が広がる日が多くなってきました。
そんな空を見るたび、必ず思い出す場所があります。
ジュミエージュ修道院 / Abbaye de JUMIÈGES。
以前フランスの旅にでたときに巡り合った場所です。
実のところ、目的地はここではなく、モンサンミッシェル等を巡る旅の通過点としてこの近くの宿をとりました。
車で宿に向かう途中、名所らしき佇まいがみえたので、「じゃあちょっと見ていこうか」と門をくぐったのは、ほんの軽い気持ちから。
そして、衝撃。
青い空にけぶる雲を切り取る、圧倒的な廃墟。
正面のファサードの入り口をくぐれば、そこは緑の芝生と青い空に囲まれた、見上げるほどの壁。
柱の根元に生い茂る巨大なアカンサス。
歳月が洗い流したあとに残った清冽ななにか。
後に調べれば、654年に設立されたという古い古い歴史をもつこの修道院は
ミシュランガイドにも掲載されており、「フランスで最も感嘆すべき廃墟」として有名な場所でした。
日本であまり認知されていないのは、アクセスの悪さゆえかもしれません。
セーヌ河が大きく蛇行する中にあるため、車と人を乗せる渡し舟(フェリー?)を使わないと、かなり遠回りになってしまう地形のなかにあるからです。
かえってその不便さが、それほど観光地化されずにすんでいる理由でもあるかもしれないのですが。
多くの場所を訪れてきましたが、私にとっては、心の中にしっかりと刻まれている場所のひとつとなっています。
1300年以上の時を超えて、変わりゆく空のもと、ひたすら立ち続ける廃墟。
もし機会があれば、ぜひ一度行ってみてください。
とてもとても、お勧めいたします。
ジュミエージュ修道院オフィシャルサイト(フランス語/一部のみ英語)
http://www.abbayedejumieges.fr/
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