秋におすすめする奇妙な味わい
いつの間にかもう10月。
本格的な秋を迎えると、頭に浮かぶフレーズがあります。
読書の秋。
気候変動が激しい昨今、昔ほどダイレクトに季節が感じられなくなってきてはおりますが、うだるような暑さが過ぎ、風がひんやりとしてくれば、ゆっくり物事を咀嚼する気持ちになるのは、間違いのないところ。
Reflection 1871 by Francis John Wyburd(1826–1893)
1826–1893
そんな10月、ごく個人的におすすめしたい作家をご紹介いたします。
ロアルト・ダール/Roald Dahl。
もちろんご存知の方々も多いはず。
でも、ちょっとだけおつきあいください。
でも、ちょっとだけおつきあいください。
1916年にウェールズ最大の都市、カーディフに生まれたダール。
第二次大戦時には空軍パイロットとして活躍し搭乗機が撃墜され重傷を負うも生還。しかし、この際に脊髄を負傷した事による後遺症に生涯苦しめられることになります。その後、小説家となったダールはもともとの素養に自らの経験を積み重ね、多くの傑作を生みだします。
日本で有名な小説として「チョコレートこうじょうのひみつ/Charlie and the Chocolate Factory/1964」(実写で映画化もされた「チャーリーとチョコレート工場」)があげられます。
こちらはダールが得意とした分野の中では児童書となりますが、今なお愛され続けている名作。
また一方で、ダールが評価を得たのは「奇妙な味」と評される多くの短編小説。
あなたに似た人/Someone Like You 1945
南から来た男/Man from the South 1948
大人しい凶器/Lamb to the Slaughter 1953
南から来た男/Man from the South 1948
大人しい凶器/Lamb to the Slaughter 1953
等々・・・
日常にひそむちょっとした恐怖。
人間の精神の底知れなさ。
人間の精神の底知れなさ。
英国人ならではの鋭い皮肉に溢れていて、読む者の心を弄びます。
1話づつが短いので、とびきり美味しいお菓子を少しづつ愉しむように
1日1話まで、と決めて読むのもよいかもしれません。
1日1話まで、と決めて読むのもよいかもしれません。
読む手法は、紙の本でも、タブレットでも、スマホでも。
巧妙に組み立てられた世界に浸る悦びは、いつの世でも変わりません。
ぴったりのお椅子も、パンカーダでご用意しております。
秋の夜長、最高の椅子に包まれながら、奇妙な味をごゆっくりご堪能ください。
by N