妖精のドア
昨年から、アメリカ、そして英国で、思いがけず増えているもの。
それは、「Fairies Door/妖精のドア」。
もともとは、アメリカ、ミシガン州のアナーバーという町でジョナサン・ライトという童話作家が、子供たちが喜ぶように、自宅のマントルピース脇に小さな、小さなドアを作ったことが始まり、と言われています。
思いがけない広まりをみせ、家の中はもちろん、家の外につけたりする人が続出。
小さなドアをただ立てかけるタイプから、内部まで作りこんだものまでタイプはいろいろ。共通点はペットや子供のためではなく、「妖精」のためのドアであること。
心のどこかで、ちいさな人々がいることを信じたい、という土壌があってこその流行といえるでしょう。
ドアの設置場所、一番人気は木の根元。
その結果、妖精のドアは増えすぎて、木にネジでとめたりする人もいるため、社会問題になっているようです。
例えば、これは英国、ガーディアン紙のサイトから。
”Fairies' woodland homes face planning control”
デイリーミラー紙のサイトでもとりあげられています。
”Hundreds of fairy doors have appeared in woods and nobody knows who put them there”
世界に問題はいつも山積みですが、この問題に関しては、どこかちょっと嬉しくなってしまうのは私だけでしょうか?
さて、アンティーク家具にも、まるで妖精しか使わないような、ひっそりと小さな開口部をもつものがございます。
1820年代、ジョージアンのニーホールデスク の足元の扉。
幕板・・・と見せかけての引き出し。
こちらはチッペンデール様式のニーホールデスク 。
やはり足元にはカーヴィングで飾られた扉が。
1900年代、ゴージャスなミラーバックサイドボード
。
ボウフロントの引き出し下の飾り・・・と見せかけての引き出し。
持ち主だけが知っているような、小さな収納の場所は、実は妖精たちもこっそり使っているのかもしれません。
妖精の世界への小さなドア。
貴方の周りで探してみてください。
・・・実はパンカーダの壁にも、最近1枚の小さなドアが出現したんです・・・
by N