フットスツールとは
フットスツール/footstoolとは、文字通り脚を置くスツール
(背もたれのない椅子)のこと。
歴史は古く、古代エジプトや古代ローマで既にその原型がみられ、
聖書にもその単語をみることができます。
例えば「マルコによる福音書 12:36」より。
For David himself said by the Holy Ghost, The LORD said to my Lord, Sit thou on my right hand, till I make thine enemies thy footstool.
ダビデ自身が聖霊に感じて言った、『主はわが主に仰せになった、あなたの敵をあなたの足もとに置くときまでは、わたしの右に座していなさい』。
「足元に置く」と訳されていますが、意味としては足のせ台にする、
ということなのでしょうか。
このように歴史の古いフットスツールですが、一方でオットマンとも呼ばれています。
響きが珍しいオットマン/ottomanは
「Ottoman Empire/オスマン帝国(トルコ)」が語源。
オスマン帝国で使われていた背もたれのない椅子が、18世紀後半イングランドに伝わり、英語読みで「オットマン」と呼ばれるようになったそうです。
フットスツールとオットマンの明確な仕切りはありませんが、
どちらかといえば柔らかな詰め物して生地でくるまれたものをオットマン、
木など構造材が見えて、上端だけ生地で張ったものをフットスツール、と
呼ぶことが多いようです。
どちらも、現代ではソファやアームチェアなど寛ぐ椅子に座り、
脚を乗せる台として使われています。
大きめのものは、テーブル代わりにも使われています。
19世紀ヨーロッパでは、ちょっと寛ぐときの脚乗せ台として
様々なタイプのものが作られました。
小さいからこそ、インテリアのアクセントとして
ファブリックに凝ったり、刺繍を施したりなど、
自分好みのフットスツールをオーダーする貴婦人も多くいたことでしょう。
パンカーダにも、ちいさなフットスツール
がございます。
バードケージスタイルの可愛らしい形は、
どんなインテリアにも良く馴染み、それでいて独特の存在感をはなってくれます。
貴方のソファーの足元にひとつ、数千年の歴史を秘めた
小さなアンティークファニチャーをいかがでしょうか。
by N