アンティークで旅するヨーロッパ:ウィンザーチェアの故郷、ハイウィカム | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

アンティークで旅するヨーロッパ:ウィンザーチェアの故郷、ハイウィカム

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アンティークで旅するヨーロッパ
~ウィンザーチェアの故郷、ハイウィカム~

High Wycombe,Buckinghamshire,England

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イングランド、バッキンガムシャーの都市、ハイウィカム/High Wycombe。

ここは、カントリーチェアの代名詞ともいえるウィンザーチェアの故郷。








ウィンザーチェアとは、17世紀後半イングランドのウィンザー地方で、
当時の指物師たちが、町家や農家で使う実用的な椅子として

作り始めたものとされています。





名前の由来は諸説ありますが、大消費地ロンドンへ、
テムズ河によってウィ ンザーの方から運ばれてきた椅子だから
「ウィンザーチェア」となった、という説が有力。




ハイウィカムはウインザーの少し北にある町で、もともとロンドンへの
中継地点の宿場として栄えていました。





中世はリネンやレース、17-18世紀には紙製品を生産していました。

そして、19世紀にはウィンザーチェアの一大生産地へと変貌をとげます。


1877年には町には100を超える家具工場があり、

1日に5000脚ものウィンザーチェアが生産されていたとか。





1877年にヴィクトリア女王がハイウィカムを訪れた時には、
こんな椅子のゲートをつくってお出迎えしたという史実があります。




こちらは1880年、プリンスオブウェールズ(皇太子)が着た時のゲート。
・・・椅子の数、増えてます。





ここまで栄えたハイウィカムですが、やがて時代の波にのまれ、
家具生産地としては衰退の一途をたどっていってしまいます。





それでも、当時作られたウィンザーチェアはまだまだ現役。


パンカーダにも、当時の人々の暮らしの温もりを感じさせる
ウィンザーチェアがございます。





木の座でありながら、長時間座っても不思議と心地良いチェア達は
人の身体を知り尽くした市井の職人たちの技の結晶。





遠いイングランド、遙か昔のハイウィカムで生まれたチェア達が
ひょっとして貴方の日々の暮らしを支えることになる・・・?






もう目にすることもできない遠い街並みが
不思議と身近に感じられることになるかもしれません。


by N