シリーズ・英国貴族の世界 Vol.6 ロング・ギャラリーで魅せるもの
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パンカーダ・年末年始の特別企画
「英国貴族の世界」
Vol.6 ロングギャラリーで魅せるもの
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緯度の高い英国の冬は、とても寒く、暗い日々が続きます。
決していつも気候に恵まれているとはいえないこの地で、
より日々を愉しむために生まれたカントリー・ハウスの長い空間が
ロング・ギャラリーです。
エリザベス朝以降に建てられたカントリー・ハウスには
18世紀末に至るまで、ほとんどこのロング・ギャラリーを備えていました。
そこは特にご婦人にとっては、良い運動場でもありました。
もちろん広い空間を活かして、宴会を開き、お互いの衣装を
競い合う舞台ともなったことでしょう。
広く長い空間をどうみせるか、人々は知恵を絞り、
貴族達は惜しげもなく財産をかけました。
絵を飾り、様々な風景を愉しんだり、一家の歴史を学ぶ場でもあったかもしれません。
17世紀後半からは、世界を回るグランド・ツアーが盛んになり、
世界中の珍しいものを飾る「ギャラリー」になっていきます。
1551年からの歴史をもつノーサンバーランド侯爵のサイオン・ハウス。
ロバート・アダムによるネオクラスズムの粋を堪能できるつくりで、
136フィートのロング・ギャラリーには3000冊の本が並んでいます。
16世紀に修道院跡を利用して建造されたロングリート・ハウス。
ロング・ギャラリーは19世紀にローマのマッシモ宮殿、
暖炉はヴェネツィアのドージェ宮殿を模して改装されました。
最後に、個人的に好きなロング・ギャラリーをひとつご紹介いたします。
1577年より建造が始まったParham houseのロング・ギャラリー。
160フィート(約48m)の長さがあり、イングランドでは
三番目に長いギャラリーといわれています。
アーチ型の天井を飾る可愛らしい装飾は
1904年生まれの舞台芸術家、Oliver Messelによるもの。
こうしてロングギャラリーは、伝統を守りつつも
時代を重ねる装飾を施されながら、次世代へと受け継がれていくのでしょう。
by N




