海の中の妖しい存在:シービショップ | 東京の高級アンティーク家具店パンカーダのブログ

海の中の妖しい存在:シービショップ

龍やユニコーン、エルフにトロール。


世界には多くの想像上の生き物たちがいます。
今日はそのなかでも少し珍しい

シービショップ(Sea Bishop)をご紹介します。


シー・モンク(Sea Monk)・海の修道士とも呼ばれるそれは、
16世紀(一説には13世紀)から伝えられる海の怪物。


1696年ドイツにて発刊された「physico- mathematico-historica
notabilium ac mirabilium sciendorum」という百科事典には、
このような挿絵で紹介されています。


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もともとは、みたこともない異形の生物を捕えて驚き、
それは背の高い帽子をかぶった司祭に似ていた・・・
そしてヨーロッパには、昔から地上のすべてのものは、
海の中にも対応するものがある、というひとつの考え方があったことから
「Sea Bishop(海の僧侶)」と名付けられた、という説があります。


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1531年にバルト海で捕えられ、何も食べずに3日後に死んだ、とか
16世紀にはポーランドの王が欲しがった、とか、
捕えられたがカトリックの司教たちによって救われ、
海に放たれたときに十字を切ったようにみえた・・・


等、不思議な逸話とともに語り継がれています。


ちなみにこちらはシービショップより
恐ろしい存在といわれるクラーケン。
オオダコの姿で現されることも多いのですが、
この絵のクラーケンはクジラでしょうか?


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パンカーダにも、シービショップではないかと
思われるカーヴィングがついたセティ がございます。


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あごひげ、そして顔には鱗。

頭の形などはちょっとクラーケンも入っているような・・。


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ヨーロッパでは建造物をはじめ、家具にも
幻獣たちがさりげなく登場することがしばしばあります。


その幻獣の持つ力を利用し、我が物とする。
そんな強さを望んだ人々が
想いをこめて彫り込んだのでしょうか。


ひとつひとつの想いを読み解くのも、また愉しい。
アンティーク家具の魅力のひとつです。



by N