カントリー・ジェントルマンに上りつめた男
英国で成功したものが憧れる職業はファーマー(農場主)です。
彼らはカントリー・ジェントルマンともいわれ、広大な土地を管理し、
城館で暮らす優雅な身分。
今日は産業革命によって成功した起業家のお話です。
ヴィクトリアン時代の起業家、ジュリアス・ドルー(Juleus Drewe)の
半生をご紹介しましょう。
1856年に貧しい家庭に生まれたジュリアスは、
17歳でお茶の貿易商を営むおじの下で働き、中国に赴任します。
彼はここで商売のコツをつかみます。
「植民地で安く買い付けた商品を仲介業者を通さずに直販する」
実にシンプルな商法です。
彼の商売は大当たりし、リヴァプール第1号店を皮切りに、
22歳で英国全土に多くの支店を持ち、富裕層への道を駆け上がります。
彼は、32歳にして早くも引退し、企業家たちの理想、
カントリー・ジェントルマンの仲間入りを果たします。
当時の有名建築家エドゥイン・ラチャンズにカントリーハウスの建築を依頼し、
キャッスル・ドローゴー(Castle Drogo)を建設。
設計時、長男エイドリアンをラチャンズの助手につけますが、
エイドリアンは城の完成を見ず、1917年戦死してしまいます。
エイドリアンはイートン校からケンブリッジ大学へ進んだエリート、
ジュリアスの落胆は想像を絶するものだったのではないでしょうか。
国のために命をささげたエイドリアンはカントリー・ジェントルマンとしての
生涯を全うしたともいえそうです。
ちょっと悲しいサクセスストーリーでした。
by T



