ジョージ・ヘップルホワイト
ジョージ・ヘップルホワイト(George Hepplewhite)は、
ジョージアン期を代表する家具デザイナーの一人です。
ヘップルホワイト自身について、あまり知られていませんが、
彼が有名になったのは、1788年に出版された
『 The Cabinet maker and Upholsterers' Guide』
(家具メーカーと内装業者のガイドブック)によってです。
これは300点ものイラストを掲載した図版集で、彼の死後、
未亡人となった妻アリスが出版したと言われています。
ヘップルホワイトははじめ、ランカスターの「ギロー商会」
(Gillows of Lancaster)の工房で修行します。
1760年ごろ、ロンドンのクリップルゲイト(Cripplegate)に出店し、
トーマス・チッペンデールやロバート・アダムと仕事をしたとされています。
ヘップルホワイトは、古典様式の家具から出発しました。
貴族など一部の富裕層のものだったアダムのデザインを、
より製作しやすく、実用的にし、広く一般に広めたのもヘップルホワイトです。
チッペンデールの作風に影響を受けつつ、独自の繊細なデザイン、
優雅で上品なフォルムの家具を数多く製作しました。
円形・楕円形の浮き彫り装飾、房状に垂れ下がった果実、貝殻、
花とベルを組み合わせた花綱飾りのモチーフを用い、
椅子の背もたれをハート形やシールド形、スクウェア形を特徴とした独特な
チェアバックで有名になりました。
スクウェア・レッグも特徴の一つです。
英国皇太子の紋章(Prince of Wale's feathers)のモチーフを
広めたのもヘップルホワイトであるといわれています。
このプリンスオブウェールズのモチーフ、
どこかで見たことがあると思ったら、
パンカーダのロゴ!
ゆりのモチーフだとばかり思っていましたが、
3つの羽飾りが由来だったのかもしれませんね。
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