ベニヤ(veneer) ①
英語でveneer(ベニヤ)とは、原木の木から厚み0.6mm~3mm程度で、
薄く剥ぎ取った単板(突き板)のこと。
ロータリー・ベニヤ・レース機に原木を入れ、剥ぐようにとったものを
ロータリーベニヤ、スライサーにかけたものが、スライスベニヤといいます。
一般的に材料に使われる天然木は太いものでも
直径1mを超えるものはなかなかないので、幅を広く取るため、
大根のかつらむきのように、薄くスライスする製法もあります。
日本では、ベニヤはベニヤ板と呼ばれる合板を指しますが、
これは20世紀初頭、範多商会がロシアから合板を輸入した際に、
ベニア板と呼んだことが広まったためといわれています。
合板は英語でplywoodとなります。
Plywoodは、厚みや寸法の安定性が得るために、
杢目を互い違いにして貼り合わせ、一枚板にしています。
表裏の杢目の方向を合わせるため、基本的に奇数枚が重なって作られています。
Veneerも、Plywoodも歴史は古く、Veneerは、
1625-50年頃よりイギリスで利用されるようになり、
Plywoodも、18世紀中頃から利用されていたそうです。
ベニヤというと、ベニヤ板を思い浮かべ、
何となく「安かろう、悪かろう」といったイメージを持ちやすいのですが、
“veneer”は寄木張り、化粧板のことも指す、
高度な技術を必要とする高級材なのです。
“plywood”も、木材を有効利用しようと考えた先人の知恵から生まれたもの。
時代の古いものは手切りであったこと考えれば、
相応の価値があると思われます。
また、時代をみるための大切な判断基準でもありますので、
ぜひ見比べてみてはいかがでしょうか。