今年も1月に日本へ帰りました。2週間強の旅ですが、外出中水槽の世話をしてくれる人はいません。


120水槽に25cmのロイヤル、20cmのフォークテールアカリとホワイトテールパナクエ、25cmのドラゴンハイフィン4匹を筆頭に、ちびロイヤルプレコが10匹以上入っています。これを殺さずに旅行に出なければいけません。


オートフィーダーやタイマー等で全てを管理し、水換えのみ手動で行うシステムです。これを旅行の前に組むのではなく、普段から全て運用しており、居ない間の2-3週間を試しに水換え無しで運用してみてモニターをし、微調整とチェックを繰り返します。大体チケットを取ってから、出発の2-3ヶ月前から餌の量やオートフィーダーの台数を調節してゆきます。フィルターの汚れ具合や外部フィルターの設置台数、ろ材の組み方など、考えうるチェック項目はこの期間に実際の期間を家に居ながらにしてひたすらテストして行きます。


そしてこれが出発前。水槽上限まで水面をギリギリまで上げておきます。冬は蒸発量も多くなるので、3週間ほど水換え無しでどこまで水面が下がるのか、全ての機器はそれでも問題無く稼働するかを確認しておきました。オートフィーダーは都合3台付けることになりました。大型個体は空腹で攻撃性が上がるため、そこそこしっかりと給餌が出来るようにしておきます。1台ずつの餌やり量は少ないのですが、2週間以上一定の量を給餌してもらわなくてはなりません。複数台使用する事で、餌切れや不意の故障で全く餌が無い状態を回避出来ます。オートフィーダーのお勧めはエーハイムの旧タイプ(餌が1種類給餌されるタイプ)。これを2台と、爬虫類用の大きめの餌(キャットなど)を入れれるフィーダーを1台です。エーハイムは入れれる餌の量、タイマーの設定のしやすさ、正確性、水槽の湿気による餌の腐敗の割合において、どれも高いパフォーマンスを叩き出します。お値段は高いですが、ランニングコストや信頼性で上位に来る機種だと思います。フィルターもエーハイムのキャニスターフィルターを3台付け、全てのろ材を洗浄してセットしておきました。この水槽で1ヶ月掃除をしなくても処理できる量です。




こちらが2週間半後です。水面は下がり、水の色はタンニンが出て濃い褐色をしています。流木が1本底に落ち、大型個体が餌を食べる時に床面積が減少するくらいの変化しか出ませんでした。日本からはウェブカメラでチェックをするだけです。もちろんエアーとヒーター400w分はポタ電に繋いであり、停電時には1日は持つようにしてあります。停電に備え、家族には緊急時用のガスヒーターの使い方を教えておきました。



旅から戻り、ほんの1/4ほどの水換えをしました。急に多くの水換えをすると、それがショックになります。先ずは帰宅時にタンクの水を満水にまで継ぎ足すだけでもokでしょう。雨季の管理でじゃんじゃん水を変えるサイクルでなければ、少量を週に何回かで変えるのが大事だと思います。間違えて大量換水してしまった場合、ゼオライトを入れておくのをお勧めします。




うちは還元濾過がどの水槽にも付いているので、pHはそんなに落ちません。このシステムのおかげで旅行ができると言っても過言では無いでしょう。毎日きちんと餌をやり、そして大量のフンが出るロイヤルタンクでも、コツさえ押さえれば長期の旅行も可能です。


旅行中ウェブカメラを見て、気になれば家族に餌の残量等や異音がしないかなどを聞く程度です。中の魚を知っている人達には、この長期間をこの混泳状況で留守にする事を驚かれますが、こうして毎年旅に出ています。停電さえ起きなければ、可能です。


とは言え、私はこんな生活を20-30年送っているのでこのスキルは必須ですが、大型個体をここまで詰めて旅行に出るのはそこまでお勧めしません。魚1匹に対して約20Lの水は確保出来るようにし、餌やりなどで個体同士のケンカを出さない飼育ができる事が前提です。特に目の小さなフォークテールアカリやホワイトテールパナクエは気が強いくせに打たれ弱いので、長い事混泳がうまくいっており、テスト期間中も無傷である事が大事なポイントでしょう。水槽に余裕があれば個体を分けたり、ひと水槽あたりの飼育密度を一時的に下げて出掛けることも有効です。


ペットを飼っているから旅行ができないと思われる方は多いですが、普段から機械で管理されている方などは、パナクエ系は長期でも留守番させやすい魚に入ると思います。パナクエのみであれば、流木が入っていれば餌不足で死ぬ事は経験が有りません。ご参考までに。

FBからの映像です。もう見られた方も居られるかもしれませんが、ドレイクさんがシェアしている動画で、facebookで彼の中国のお客さんの1人が繁殖に成功した動画を載せています。


https://www.facebook.com/share/v/1UiDTcWC4H/?mibextid=wwXIfr



私が知る限りシングーロイヤルが管理下で繁殖した2例目です。商業的な施設ではなさそうですが、この段階で取り上げてしまうので、人工孵化をするつもりでしょうね。最初に出てきた個体がオス、奥に居た個体がメスと思いますが、大変興味深い映像です。恐らくこのサイズで導入されたであろう個体達だと推測しますが、とても良いペアーなのでしょう。水槽自体もそこまで大型では無さそうですが、増えてしまう物なんですね。松坂さんは自然下で20cmほどの小さなペアーをシングー水系で見たとおっしゃっていました。それくらいのサイズであれば、十分複数飼育は出来ると思います。あまり小さい時から繁殖させるのは好きでは無いですが、そのサイズでペアーを一度でも形成できた個体同士をサイズアップさせてペア飼い出来れば、計画的な繁殖に向けての準備はOKだと考えます。個人規模でも出来るというとても夢のある動画だと思います。

前回の記事、L174として紹介した個体群は、キングゼブラやキングダップルド(L399/L400)では?とご指摘を頂きました。調べてみるとその通りですね。現物をそんなに見た事が無かったので、そのままインボイスを信じていました。ドイツブリードのL174として購入しましたが、キングゼブラ系のようです。
生息地はインペやニューインペリアルダップルドと被る地域で、L66系のキンペコとL174とのハイブリットでは?と言われています。
ウチではインペとスーパインペと同居しています。スーパーインペ以外は若い個体群なので、成熟するまでもう少し時間がかかりそうです。

ニューインペリアルダップルド(Hypancistrus yudja, ハイパンシストルス・ユジャ)。この魚はシングー川の水深8m以上の深場に、しかもシングーの中でも非常に限られた場所でしか生息していないようです。アルタミラ下流の急カーブから採取されるようですが、多少のバリエーションが有ります。私が好きなのは、白と黒のブロッチのコントラストが高いタイプです。


ダルメシアン調の柄が特徴的なニューインペリアルダップルド。


この魚はなぜか水深の有る場所が好きなようで、インペ、L66と生息域が被るものの、深場に生息していると言われています。深場に通常のインペが全く居ないわけではなく、ハイブリッドも起こると見ていますが、ワイルドでそれっぽい個体を見る事は個人的には有りません。いわゆるL250と言われるインペリアルダップルドやサムライゼブラがそういう個体群なのかは分かりませんが、まず普通は目にしないようです。


この魚の白質は透明感があり、ストレスを受けると直ぐにくすみます。フォルムは尾筒が細く、尾のフィラメントも長いタイプです。良く見かけるもっとずんぐりむっくりな、頭頂部がクリーム色の強いニューインペリアルダップルドとは少し毛色が違うようです。


この魚、成長が遅い。そして稚魚がうまく育たない事で有名な種です。繁殖はするものの、稚魚が残らないようです。ウチではまだ増えていませんが、インペやスーパーインペと同居中です。ただ、体はキンペコより小さく、長い目で見るとインペとの同居にとどめておく方がいいようです。


ウチではさまざまなサンダーロイヤル系を飼育していますが、いわゆる下流産の背鰭が大きいものです。恐らくタパジョス下流域、良くてもジャマシン川産でしょう。



目の下の窪みが少なく、シングーのプラチナロイヤルさながらです。地の黄色も薄く、オリジナルのサンダーとは違います。




尾鰭のスポットは良いのですが、体高も高く、背鰭も大きいです。



下唇が小さく、プラチナロイヤルような形です。


この個体、立派なメス個体でした。




抱卵していたのですが、大きい水槽への移動時に使っていたタブにエアーが1つ送られておらず、酸欠(?)になったようです。他のプレコは大丈夫でしたし、もう1本のエアーは出ていました。抱卵したメスの難しさは、想像を超えます。残念無念。