点訳の本番、5月22日にお預かりして、6月7日の朝まで入力やセルフチェックをしておりました。

 

 

 

久しぶりの6点入力と、点訳のルールを思い出したり調べ直したりしながらで、最初の30ページ分まではかなり時間が掛かって、このままのペースだと3ヶ月どころか半年ペースかと心配になりましたが、6月5日の勉強会に質問を持ち込んで一気に問題を解決。

といっても、校正してもらったら沢山修正箇所は残ってると思いますけど・・・。

 

とにかく毎日問題箇所を見つけながら入力して行くウチに6点入力もテンポ良く出来る様になってきました。

 

テンポ良く進むと、今度は噛んでないかが気になります。

 

そこで、原本の数十ページ分ごとでいくつかに分けて、点訳アプリで音声読み上げ機能を使って、打ち込んだ文を再確認。

すると、出るわ出るわ。ブログでもSNSでも文字をキーボードからタイプすれば噛み噛みのねぎさん。点訳でもやっぱり沢山噛んでました。

 

点訳しているとホントに普段「いいかげんに」本を読んでいるか実感します。

というか、一般に本を読んでいても「一言一句見落とさずに」読んで居る訳では無いということを実感しています。

 

漢字の読みも正確な読みなんてどうでもよくて、意味だけなんとなく理解出来れば本を読んで楽しむことは出来ていますし、「~が」「~を」「~は」「~から」「~まで」といった助詞の類いは逐一考えてなくても理解出来ている筈です。

事実手話では助詞って省かれて表現することが多いですし・・・。

 

で、そういう普段通りの感覚で読んで点訳していると、やっぱり助詞を見落としていたり、思い込みでちょっと違う表現に理解していたり・・・。

例えば・・・。「私はこの様に思った」と書いてあるところを「私はこう思った」と入力しちゃってたり。

 

6点入力ならではの噛み噛みも。「め」を6点入力する場合は(アプリの設定にもよるけど)「SDF(左手)」「JKL(右手)」全てのキーを同時押しで「め」と入力されますが、「め」のつもりで「F」のキーだけ押せてなかったら「も」と入力されてしまいます。まぁ、私としては「キーボードの反応が悪かった」とか言い訳しちゃう様な噛み方ですけど・・。

 

とにかくそもそもの原本を正しく読めていない。そういう間違いが音声での読み合わせをすることで沢山発見出来ました。

読み合わせは自分が入力した点字を音声で聴きながら、原本と見比べて行いましたが、最終提出前には自分が入力した点字(の仮名表示)を見ながら読み合わせもしておいた方が良さそう。

「か」と「た」の様に母音が同じだと読み上げを耳で聞いても間違いが発見しづらいと思いますし、6点入力でも母音は合っていても子音で入力間違いをする可能性は大いにあり得ると思います。

 

自分が入力間違い、読み間違いをしたところも沢山見つけることが出来ましたが、原本の誤字・脱字・誤用も思ってた以上に見つかりました。

これも普段自分で買った本を読み進める時は気にも留めない点です。

人間の脳(記憶)がいかに「曖昧」であるかを思い知らされます。そしてその曖昧さこそ私たちの快適な生活に役立っている訳ですね。小さな間違いがいちいち気になっていたら、楽しく読み進められませんものね。

 

今回の本では本文中の見出しでは濁点がついているのに、その見出しが列ぶ目次のページでは濁点が抜けているなんていう間違いもありました。また本文中には送り仮名が抜けているらしいきところや、「教会」と書くべきところ「協会」との誤植も。

 

勉強会の時に誤字や脱字の処理について伺ったら、今回の本で見つかった誤字脱字は未だ少ない方だそうで、誤植・誤用は本当に多いそうです。

 

 

 

 

5日の勉強会で教えてもらって、一気に問題解決。(今後の校正でまた沢山問題点指摘されるとは思うけど)

 

迷ってたコトの多くは、取り敢えず自己流で進めてたのですが、相談させてもらったところ、殆どは自分の考え方で大丈夫な様でした。

 

自動車の名前について、PRADOはポルトガル語なので「外国語引用符」で、RAV4は略語なので「外字符」を使い分けて表現する(由来を調べる)様にアドバイスして頂き、外字引用符で統一していた箇所を個別に外字符と引用符に直しました。

この点では点訳凡例で断ってでも統一した方が良いのではないかと、少しまだ迷いがあるところです。

 

また、見出し毎に1〜2枚の写真が原本には掲載されていて、それぞれの写真に簡潔な説明が付記されているのですが・・。私の考えでは、写真(の内容説明)を省略して説明文のみ各見出の本文の後にまとめた旨を点訳凡例内で断り、各見出の最後に原文通りの写真説明文を書いていましたが、アドバイスによると写真の説明文が無いと、どうしても本文の理解を妨げてしまう様で無ければ、写真説明文も省略しているとのことでした。

 

ここらへんの処理の仕方は訳者や校正者によって、判断は違ってくるとは思いますが、あまり自分の考えによる「読みやすさ」にはこだわらず、地元の先輩方に倣うことが楽しく長続きするポイントなのかも知れません。

 

ただ、出来ることなら実際に点字本を普段から触読されている方からアドバイスして頂ける環境だとよりありがたいと思いました。

 

とにかく1冊目。

校正から返ってくるのを楽しみにしてます。

 

今日もここまでお付き合い有難う!

では、また。バイバイ