上腕骨顆上骨折 | まことの気になる事!

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上腕骨顆上骨折



幼少期に好発し、小児の肘周囲の骨折では最も多い骨折です。


子供が手をついたり、肘部をついて倒れた際に発生する。


この転倒の仕方によって骨折線や転位が変わります。


肘関節伸展位(肘を伸ばした状態)で手をついて倒れた場合は伸展型骨折


肘関節屈曲位(肘を曲げた状態)で肘部をついて倒れた場合は屈曲型骨折

と分けられますが発生頻度は伸展型が多い。


柔道整復学理論編P168より抜粋

 症状
①腫脹→肘関節全体に著明。(骨髄、軟部組織からの出血のため)
②疼痛→限局性圧痛、運動痛、自発痛すべて著明。
③機能障害→肘関節の運動不能(屈伸運動障害)
④異常可動性および軋轢音著明
⑤変形→肘関節後方脱臼と類似の変形(遠位が後上方に転位するため
※上腕骨顆上骨折と肘関節後方脱臼との鑑別が重要。
⑥肘関節の厚さと幅の増大→近位骨片に遠位骨片が騎乗(短縮転位)するため。

上腕骨顆上骨折初期対応(治療・施術)を間違えると合併症、後遺症をきたすので注意が必要です。

主な合併症、後遺症
①阻血性拘縮(フォルクマン拘縮)→上腕動脈の損傷に伴う血行不全や前腕のコンパートメント症候群などにより生じるが、近年での発症は稀とのこと。

②神経損傷→特に正中・橈骨神経の損傷が多い。
完全麻痺は稀で骨片の転位が大きい場合にリスク増。

③屈伸障害→特に屈曲障害が多い。

④内反肘→整復不良により内反・内旋変形をきたしたまま骨癒合が起こると内反変形をきたす。

基本治療・施術は
保存療法→徒手整復から外固定ですが、上腕骨顆上骨折は低年齢で発症するのと転位が著しいものが多いので、麻酔下でのキルシュナー鋼線(針金状)による経皮的な内固定術が行われることが多い。

上腕骨顆上骨折で転位の大きいものは無理に徒手整復せず病院に紹介したり受診してもらっています。

子供の骨折は初期対応が大切ですので、骨折の疑いがある場合は保護者の方も躊躇せずにご相談ください。