2つ前の記事に書いた「男たちの嫉妬と決闘」についてのお話☆

 

 

最近ずーっと観続けている、

ロシアのTVドラマ「エカテリーナ2世」👑(2014、2017、2019)

に触発されて書いたのですが、

 

シーズン1~3までで全38エピソードあり、

現在、残すところ7エピソードまで観終わりました。

 

このドラマ、

 

もうなんだかアニメ「ベルサイユのばら」赤薔薇みたいに、

1エピソードに濃厚な人間ドラマがぎゅっと詰まっていて、

それが後半になればなるほど濃厚になっていき、

 

1エピソード観るとしばし放心状態という

アニばら現象を体験しております(笑)

 

ちょっとベルばらの原作やアニメ版の作品と共通するところがあって、

作品比較をしてもおもしろそうなのですが、

 

 

そう、決闘ですよ!(゚д゚)!

決闘シーン無気力

 

 

(注意)まだこのドラマを観ていなくてこれから見る予定の方、

ネタバレしてます無気力

 

 

そう、アンドレイ!

(アンドレじゃない🍷)

 

アンドレイに決闘の果たし状の手紙が届くのですよ。

 

この時代の決闘は、こっそり行ってしまわないようで、

きちんと文面で決闘の日時を書き添えて決闘を申し込み、

立会人の元行うのですね。

 

アニメのベルサイユのばら赤薔薇でも、

オスカルとド・ゲメネ公爵の決闘シーンで

似たような立会人の描写がありましたっけ。

 

ちなみにドラマの途中のエカテリーナのセリフから推測するに、

表向きには決闘は禁止されていたみたい。

 

 

さてさて、アンドレイに決闘を申し込んだのは親友のアナトーリ。

 

彼の婚約者ヴィオラとアンドレイは前々から相思相愛なんだけど、

 

アンドレイが結構遊び人だったり素行が悪いく

彼女の父親に嫌われ、

結婚の申し込みを断られて、

 

それで彼女の父親がアナトーリと娘を婚約させちゃうの。

 

で、アンドレイがアナトーリに嫉妬して(´Д`)

でも親友だからしばらくはおとなしくしていたのだけれども、

 

彼女への思いが断ち切れずに

彼女もアンドレイのこと好きで、

 

あいびきしちゃう無気力

 

そこへ彼女の父親とアナトールが乗り込んで、

 

アナトールがアンドレイに決闘を申し込む!

という怒涛の展開で、

 

わくわくしながら(笑)

次のエピソードを観始めたのです。

 

 

まずはアンドレイのお父さん、

息子の決闘の話を聞きつけて息子に事情を聞きます。

 

バカ息子だとは言え、

息子を失いたくない父親。

 

でなんと、予想外の展開が!

 

アンドレイの父親がヴィオラの父親に会いにお屋敷を訪問。

 

アンドレイと娘のあいびきシーンに未来の娘婿とともに乗り込んだ

その父親に直接話に行くという展開に。

 

 

あまりなじみのないドラマのお話としてあらすじを聞いても

ふーん、で終わってしまいますので^_^;

 

ベルばらキャラに置き換えて考えてみよう!赤薔薇

 

 

アンドレイ=アンドレ

ヴィオラ=オスカル

ヴィオラの父親=ジャルジェ将軍

アナトーリ=ジェローデル

 

という配役なら

想像しやすいでしょうか?(笑)

 

アンドレもお貴族設定になってしまいますが、

でも大貴族ではなくて、

自分よりも格上の大貴族の令嬢オスカルと相思相愛なのだけれども、

オスカルの父上はその結婚に乗り気ではなく、

大貴族の子息ジェローデルをオスカルと婚約させちゃう設定としよう。

 

で、ジェローデルとアンドレは実は友人で親友レベル。

 

でもオスカルとアンドレが実は愛し合っていて、

こっそりあいびきをしていて、

 

そのあいびきの現場にジェローデルと父将軍が乗り込み、

もみあいになるアンドレとジェローデル!!

嫉妬のぶつかりあい!Σ(゚Д゚)

 

そしてジェローデルがアンドレに決闘を申し込む!!

 

無気力無気力無気力💦

 

アンドレも決闘を受け入れるつもりでいて、

後に、果たし状がグランディェ家の屋敷に届いたとしよう。

 

でもそのことを知ったアンドレの父上が

(グランディエ家の当主)

息子から直に事情を聴き、

 

息子のしたことに非を認めながらも、

息子を失いたくないと、

ジャルジェ将軍のもとへ話し合いに行く

 

と、こういうことなのですね。

 

うん、ベルばらで考えると分かりやすい!

 

(笑)

 

 

あーん、決闘なんかやめて!💦

 

と思いながらも、少し

ド迫力の決闘シーンも見てみたい気もしていたので|ω・)

 

次のエピソードの初めの方で

父親同士の話し合いが始まっちゃって、

 

少し肩透かしくらった気分になったのですが(笑)

 

まあ、血を流す人が減ることに関しては

よかった、ということで、

 

丸く収まってよかったねと

少しほっとしておりました。

 

 

...で、おもしろかったのが

父親同士の会話の内容クローバー

 

アンドレイの父親(ラズモフスキー伯爵)が、

ヴィオラの父親を説得しようとするの。

 

ヴィオラの父親はアナトーリの父親じゃないけど、

娘の婚約者の父親ね。

 

ベルばらで考えると、アナトーリとヴィオラの父親は…

 

【ベルサイユのばら 電子版 6巻】

 

ジェローデルとジャルジェ将軍みたいな感じ。

仲よさげで、すでに一緒にお出かけしたりしていたわ。

 

 

さてさて、アンドレイの父親が息子を失いたくないのは、

 

息子にも言っていたけど、

「じゅうぶんな数の息子がいないから」なんだって。

 

悪いことばっかして評判の悪いドラ息子だけど、

ラズモフスキーには息子が2人しかいなくて、

 

おそらくお家のために息子を死なせるわけにはいかない、

そんな考えっぽい。

 

柔らかそうな物腰の父親ですが、

さすが伯爵家の当主。

お家のことを一番に考えた発想と行動。

 

アンドレイの父親はヴィオラの父親に、

 

「決闘が実行されてしまえば、誰かが死ぬことになる。

あなたにとっても、なんの利益もないではないか」

 

と訴えかけるのだけれども、

 

その問いかけに対するヴィオラの父親の答えが興味深かったわ。

 

ヴィオラの父親が言ったこと…

 

「決闘が行われれば、娘の名誉が守られる」

 

(゚д゚)!

 

なるほど、ヴィオラの父親は

娘婿になるアナトーリを守りたくて決闘に賛成なのではなくて、

 

決闘をすることで娘の名誉を守りたい、

守りたいものは娘の名誉

 

ということなのだそうだ。

 

娘を愛しているから、というのもあるのかもしれないけれども、

でもここにも

 

娘の名誉=その家の名誉

 

というのもあるのかもしれません。

 

2人の父親はともに伯爵家の当主同士で、

決闘をめぐっては立場は違えども、

物事を決定する根底に、

 

「家の名誉を守る」

 

これがあるとわたしは解釈したのですが、

 

ベルばら赤薔薇でいくと、

 

ジャルジェ家から裏切り者を出すわけにはいかないと、

自分の娘を自分の手で成敗しようとしたジャルジェ将軍を思い出すわ…

 

子どもの命よりも

お家の名誉...

 

旧体制時代の貴族の家庭の人々の宿命なのかもしれません。

 

 

...で、ですぞ!

 

決闘がなくなることになってしまったらしく

ほっとしたような、

でもちょっとがっかりで(笑)

続きを観ていたのですが、

 

なんと!!

 

このエピソードの最後の最後で

決闘しとるじゃないですかー!!(゚д゚)!💦

 

決闘の場所に現れたアンドレイは

改めて自分のしたことを親友であるアナトーリに謝り、許しを請い、

なんとか平和的解決へ向けて話し合いをしようとします。

 

「父親同士がが平和的解決へこぎつけたんじゃないのか?」

 

と問うアンドレイに、

 

「それは親たちがやったことだ。親たちのルールは親たちのもの。

自分は若者のルールに従ってケリをつける!」

 

みたいなことを言うの。

 

 

ここでおもしろいなあと思ったのが、

 

これだけ大事になったのだから、

もう未来の妻はアンドレイとあいびきするようなことにはならない

そう思っても良いと思うのだけれども、

 

たぶん若きアナトーリは家の名誉でもなく、

妻となるヴィオラの名誉でもなく、

 

嫉妬心+自分自身の名誉を守りたくて、

 

それで決闘を続行したんじゃないか?

そんなことを考えたのです。

 

 

決闘というテーマの周りで、

立場の違いによって変わってくる

 

それぞれの「守りたいもの」

 

伯爵家の当主たちの守りたいお家の名誉赤薔薇

若きアナトーリが守りたい、自分の名誉ピンク薔薇

(そして怒りや嫉妬心)

 

...で何も考えずにその日暮らしのアンドレイだけ、

ヴィオラのことは好きだけど、

たぶん守るものがない。

 

 

そういえば名誉って対外的なもので、

 

「地位や名誉」って言葉があるけど、

2つとも社会の中で外から与えられるものなのね。

 

旧体制の貴族社会は皇帝や国王を頂点とした

トップダウンの力関係の中、

 

武力とか剣の腕前など、

そういった身体的な力も必要だとは思うのだけれども、

 

その家を支えるため、

自分たちの家系の繁栄のため、

貴族社会で生き残るため、

 

貴族は体面とか名誉とかをものすごく重要視するんだと思います。

 

家の名誉も

自分の名誉も

 

名誉を守ることが最優先の貴族社会赤薔薇

 

 

...で、唐突にベルばらの話になります(笑)

 

そういえばアンドレ、

平民だから「名誉」を守る必要のない人だったのかも。

 

言い方を変えれば、

守るべき名誉が何にもない人。

 

いや、ジェローデルにショコラ☕ぶっかけたことを考えても、

彼プライドは高いと思います。

 

でもプライドって名誉に比べて

もっと自分の内部のこと。

 

平民のアンドレにとって守るべきものは、

 

お家の名誉だの

自分自身の名誉だの

 

そういったものからフリーだから、

 

オスカルを守る

これ一筋で生きれてしまう

 

そういう見方もできるかも、

なーんて妄想してしまった(*'ω'*)

 

守るものはオスカルだけで、

 

だから彼女を守るためには身の振りかまわず、

どんな衝撃的なことでもできてしまう。

 

無理心中図ることだってできちゃう🍷

 

|ω・)

 

もともと「名誉を守る」っていう発想がない人生だったから

「オスカルの名誉を守る」っていう発想すらもないのかも。

 

アンドレにあるのは、

 

オスカルへの愛と

彼女とずっと一緒にいたいという

とても個人的で素朴な願い。

 

 

たぶんベルばらキャラの中で、

貴族でありながら「名誉」という発想を捨て、

愛を選んだのが

 

フェルゼン赤薔薇

 

彼も20代前半の、アントワネットと相思相愛になる前

お家のために結婚相手を探していたし、

 

アントワネットの名誉のため、

アメリカ遠征に行って彼女との距離をとったりはしていたけど、

 

最終的にはもう「名誉」というものを超えて

自分の身を滅ぼしても、

愛に身を捧げようとしていたわ。

 

フェルゼンの人生においては、

 

伯爵家の跡取りとして、

家や自分の名誉や地位を守る立場から、

 

愛ゆえ、そういったものを超えていく、

そんな人生が描かれていたようにも思います。

 

 

あと、興味深いのは、

The お貴族のジェローデルですねー。

 

彼は洗練された貴公子赤薔薇

そんなイメージのみしか湧きませんが(笑)

 

この人はたぶん、まだ若いし次男坊なので、

 

ジェローデル家の名誉のため、

という発想は薄いのかもしれません。

 

でもアナトーリみたいに、

自分の名誉はしっかり守りたそうなタイプに見えるピンク薔薇

 

彼、旧体制期の貴族の子弟だから、

 

両親から与えられるものは愛情ではなく、

「貴族としての誇り」を教え込まれていると思うので、

(ジェローデルは親元を離れて田舎で育てられたらしい…)

 

何か人生で重要な決定をするときに、

最優先事項は「自分の貴族としての誇り」

のスイッチが入ってしまうのかも

 

なーんて妄想してしまいました(*'ω'*)

 

オスカルはもともと正義感が強いけど、

人生の最後の方まで、

かなり当時の貴族社会の思想にどっぷりつかっていて、

思考回路がマインドコントロールされているんじゃないか?

なんて思うシーンもちらほらあったような…(毒ワイン事件のあたりとか)

 

 

ジェローデルとアンドレは

大貴族と平民という力の差があるけど、

 

アンドレは守るべき両親も家もないから、

なりふり構わずオスカルを守るために

いろいろやってしまうことができて、

 

その勢いたるや原作の中で実証済み🍷(笑)

 

名誉や体面という足かせのあるジェローデルに比べると、

 

オスカルの心をつかむ上で

いろいろ有利だったのはあったのかも

 

なーんて妄想してしまいました(*'ω'*)

 

まあ、初めからオスカルとアンドレは魂の絆が深いので、

その時点でジェローデルに勝ち目はなかったのですけどね。

 

 

でも最後はジェローデルもオスカルへの愛のため

軍務違反を犯したような描かれ方だったので、

 

フェルゼンみたいに、愛ゆえに

生き方の変化が少しあったのかもしれません。

 

 

...と、決闘の話から、

「守るべきもの」が立場によって変わってくる件☆

について考えてみたのですが、

 

アンドレは平民で身分がなくて

途中草むしって絶望していたけれども、

 

平民だからこそ守るものが限られてきて、

オスカルを守ることに集中できた、

とも考えられるし、

 

思い切ったことをいろいろ実行できた

とも考えられるかもしれません。

 

 

まあそれにしても、ベルばらの舞台は赤薔薇

 

貴族も王族も平民も

みんながみんな何かに縛られていた時代

18世紀、旧体制時代のフランス👑

 

それぞれの立場から

ものすごくふかーいドラマが展開されていましたね。

 

「それぞれが守りたかったもの」

 

いろいろ考えさせられますピンク薔薇