原作の考察へ戻るつもりが、
前回の記事で実写版のアンドレの役者さんのその後の人生についての
情報を書いたら、
なんだか実写版から抜けられなくなってしまった…![]()
(笑)
なのでもう少しだけ、
実写版関連の話題を^_^;
実写版「ベルサイユのばら」
のアンドレ役の役者さん
バリー・ストークス。
昨日の記事に、
2017年当時のバリーとそのパートナーさんの愛の物語を特集した
ニュース映像を貼っておいたのですが、
短い映像なので、今日もう一度その映像を観てみたのです。
昨日は内容をまとめるためにリスニングに集中していてスルーしていた
年を重ねたバリーの表情の数々。
あら、なんて柔らかい笑顔をする人なのかしら(*'ω'*)❤
と、やっと気づいて心を射抜かれたわたし...(笑)
表面的な笑顔だけじゃなくて、
物腰もやわらかそうで
その内面の優しさが表情に表れているかのようです🌸
でも彼、どことなくエネルギーに満ち溢れているというか、
信念を持っているというか、
いい意味での野心がちらっと見えるというか…
とても人間的な魅力にあふれる人だなあーと、
今日になってキュンとなってしまいました。
反応が鈍すぎます…(笑)
...でなんとなく納得したの。
この実写版の製作スタッフがバリーをアンドレ役に選んだ理由。
どことなくだけど、
この人アンドレっぽいわって…(*'ω'*)
いや、映画の中のキャラクターのアンドレと
原作のアンドレは全然違いますよ!
実写版のアンドレはなんというか
オスカルを守っているのだけれども
どことなくお父さんっぽい?
オスカルとはかなりの年の差に見えます。
そして何事にも動じない、と言った意味での
強さや逞しさが前面にでている印象。
その何物にも屈しない精神で
気にくわなかったらオスカルの父上、
自分から見たらご主人様にも反抗的な態度で、
気に入らないことあったら
とっととお屋敷を出て行ってしまう^_^;
でも実写版のアンドレ、
自分の信念に忠実で自分の意見をしっかり持ち、
オスカルを自立へと導いていく。
...|ω・)
原作のアンドレとは全然違いますね!
(笑)
原作のアンドレはとても感情豊かでよく思いつめる|ω・)
悩みに悩み抜いて、じたばたして、いろんなことやらかして🍷
でも悩んだ先に自分なりのオスカルの愛し方を見つけていく。
おばあちゃんの教育の賜物で、
旦那さまには(一応)逆らわない(笑)
まあ、刃向けたりはしたけれども
それにはきちんとした動機があるのでO.K.です❤(笑)
原作アンドレはオスカルを守っているのだけれども、
けっこう守り切れていなかったり(笑)
こういうの👇
【ベルサイユのばら 電子版 3巻】
逆にアンドレがオスカルに助けてもらったり、
原作の2人は力がトータルしてみると対等なところがあって
相棒感が強め。
でも実写版のアンドレとオスカルの関係は、
力強いアンドレとかよわいオスカル![]()
ホントに、父と娘みたいな感じなの...![]()
でも素顔のバリー・ストークスは
おそらく物腰柔らかで優しい雰囲気で、
きっと演じる前の方が原作のアンドレに似ているのかもしれない、
なーんて思ってしまいました。
もうそのままの素材で演じたらよかったのに…^_^;
とも思うのですが、
ここで疑わしきは、
フランス人の監督さん&脚本家さんによる
アンドレ像の改造疑惑!!![]()
以前実写版の感想の記事で、
この実写版はフランス人が描くベルばらなんだろうな、
といったことについて書いたのですが、
たぶんフランスの制作陣、
アンドレに西洋人の思い描く「理想の男性像」を
投影したに違いない|ω・)
実写版が制作されたのはもう50年近く前なので、
きっと今以上に強固な
理想の男性=強い
この価値観が浸透していたと想像します。
いや、今でも欧米ではそうなんですけどね^_^;
男性たるもの、体を鍛えていて、何ものにも動じず、感情をあらわにせず
そんな男性に価値を見出す風潮。
英語で表すとApathyっていうのがあって、
ちょっとやそっとでは心を動かさない感じ
動じない様子
と意味するのですが、
こんな感じの状態=強さ=男性として好ましい
という風潮は西洋では歴史的にずーっと受け入れられてきたみたいで、
Apathyの反対語が「感情的」。
よく女性の方が感情的だなんて言われるけれども、
西洋では女性蔑視の手段として、
感情的なものは、Apathy、つまり動じないものよりも価値が劣る、
だから女性は男性よりも劣っている
といった女性蔑視の道具にも使用されてきた発想。
...と、欧米のフェミニズムでは
そんな議論もちょこちょこお見かけするのですが、
たぶん、
ベルばらの実写版のフランス人の製作者さんの中に
なんか当時のというか西洋のというか、
ジェンダーバイアス(偏見)みたいのがあって、
原作のアンドレの雰囲気を醸し出していたバリーを
アンドレ役に選んだのだけれども、
キャラを作っていく中で、彼等の中の
「理想の男性像」が優先されてしまって、
バリーも役者さんだから、
制作陣の期待に添った役作りをするでしょうから、
結果として原作のアンドレとは全然違う
力強く、
意志が強く、
何ものにも動じずオスカルを導くアンドレ
がスクリーンの中に描き出されたのかも
なーんて妄想してしまったわ…(*'ω'*)
でもこれって、原作とは真逆の現象で、
だってオスカルが言っているじゃない(・ω・)ノ
【ベルサイユのばら 電子版 8巻】
真に男らしい男性=心やさしく温かい男性
であり、
血にはやり武力に長けることだけが陣の男らしさじゃないって。
うーん、まあ、実写版はオスカルすらもキャラ変しているので
もうなんともいえませんが…^_^;
いろいろな媒体に差異が現れる
「男らしさ」の描き方の違い。
比較してみるとおもしろいです(・ω・)ノ
そういえば原作も初期の頃、
男性の魅力
=男らしさ、逞しさ、がっしりした体つき、動じなさ
そういった描かれ方はされていて、
それが顕著だなと思ったのがフェルゼン伯🌳
ベルばら1P目のフェルゼンの紹介のところで、
【ベルサイユのばら 電子版 1巻】
均整のとれた男らしい美貌にめぐまれたフェルゼン
という紹介のされ方をしていて、
男らしさを前面に出している。
そして彼の名シーンの一つ
一生結婚しない宣言での姿が…👇
【ベルサイユのばら 電子版 3巻】
めちゃくちゃが体つきがしっかりしたフェルゼン。
たぶんこういったラグビー選手みたいな大きな体の男性
=頼りがいがある
=男らしい
そういった発想だったのかもしれません。
フェルゼン、軍人だしね。
初期の頃のアンドレも、
途中でけっこう大柄な感じで描かれている頃はあって、
【ベルサイユのばら 電子版 4巻】
結構、肩幅の広いアンドレだったりします👆
でも彼のオスカルへの思いがクローズアップするにつれ
彼が思い詰めるにつれ、
アンドレはどんどん線が細い感じの人に描かれて行っている感はありました。
【ベルサイユのばら 電子版 6巻】
草むしってるアンドレ…
線が細い!
【ベルサイユのばら 電子版 6巻】
うん、線が細い感じ!
で、男性の価値観がアンドレによってかなり変わったようなベルばらワールドで、
男らしい代名詞のようなフェルゼンもアンドレ化していきました。
...とまあ、このあたりのことは以前書いたので貼っておきます👇
実写版のアンドレ。
たぶんフランスの制作陣の描く「男らしさ」の理想像を優先させたばかりに
バリーの本来持っていた原作アンドレに似た魅力![]()
つまり、優しさだったり、繊細さだったり、
そういったものが描き切れなかったんじゃないかって想像して
少し残念な気持ちです。
でも、それが実写版のベルばらなのですものね。
まあ、しょうがないです^_^;
そういえばわたしの相棒が、
アンドレって、日本人っぽいよね!
っていつも言ってくるの。
いや、フランス人ですけど…
って返すのですが(笑)
日本人でない相棒からすると
アンドレが日本人っぽいんだって。
相棒の職場の同僚にフランスの人がいるらしく、
相棒曰く、
その同僚とアンドレは全然違う!
雰囲気が違う!
と、ふわっとしたことしか言わないので(笑)
よくわかりませんが、
アンドレ、日本人疑惑...
(笑)
いや、フランス人にもいろいろいるし
日本人もいろいろでしょう!
と思うのですが、
でもちょっと感覚的に分かるかもしれない...^_^;
原作アンドレの繊細さとか感受性の豊かさとか、
欧米の男性像の中では(欧米以外でも普遍的に)
弱いもの、劣っているもの、必要ないものとみなされる要素がてんこもりのキャラ
=原作アンドレ
と考えると、なるほどなーと思いました。
でもわたし、
アンドレみたいな線の細くて繊細で感情を豊かに表現する人
好きだけどなあ~
私的好みの問題です(笑)
ベルばらって、オスカルが女性なのに男性として生きている(生かされている)時点でジェンダーの観点からいろいろ考察すると奥深い作品 (おもしろがってはいけませんが…)
と思っているのですが、
ベルばらのストーリーの中でも
理想の男性像の変遷の形跡があって、
ひょっとしたら原作者さんもベルばらを描きながら、
理想の男性とは?といったことを考えて、
自分の中の理想の男性像が変化していった?
そんなこともあったのかなあー、
なーんて妄想してしまいました(*'ω'*)
いろいろ書いてしまいましたが、
実写版のアンドレ役の役者さんの笑顔が印象的すぎて(*'ω'*)
なんだかいろいろ考えてしまい、
ちょっとまだ余韻に浸ってます(笑)
あ、でも、
アンドレは原作のアンドレが一番好きです![]()
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わたしはこのアンドレが一番好き💕









