みなさまこんにちは(^-^)




ついにやってきました! 
アンドレの、あの事件についての考察です(^_^;) 




あの事件です…

アンドレがオスカルに不意打ち的に愛を告白し、
勢い余ってベッドに押し倒す、
ベルばらきっての名シーンの一つについてです(;´▽`A``




わたくしがまだ子どものころ、このシーンを読んだ記憶はありますが、
印象はめちゃくちゃ薄いです…。

まだ子どもだったわたくしには、このシーンで何が起こっているのかさっぱりわからず、おそらく読み飛ばしております(^_^;) 

暗いシーンだなあ(実際、明かりのない寝室の設定)という記憶と、
アンドレの視界が一瞬真っ暗になって、
うっ!てなってることは覚えております(なんで!?)。

肝心の愛の告白やら、そのあとのショッキングな展開、
まったく覚えておりませ~ん(^_^;)




大人になってベルばらに再会し、
たいていのシーンはいちいち腑に落ちるというか、

おおっ!
なるほど!

と感動しながら読んでいました。

でも! 唯一理解に苦しんだシーン、
それがこのアンドレの激情シーンだったのです((((((ノ゚⊿゚)ノ




何が理解できなかったって?




そう、なぜアンドレのように人を思いやれる心の優しい男性が、そしてオスカルにとっては幼馴染で親友の彼があんなことをしでかしたのか⁇ 




具体的に ? だったのが、なんでブラウスを引き裂くという暴挙に出たのか⁇ということ。彼の心理がいまいちわからず、なんで?なんで?って、しばらく悩む日々が続きました…(自分のことじゃないのに(笑)) そのくらい、心理的にパンチの効いた、ショッキングなシーンだったのです、この年になってヽ((◎д◎ ))ゝ




ではこのシーンの冒頭から見ていきましょうφ(.. )




暗闇で椅子に座って考え事をしているオスカルと、心配して部屋に入ってくるアンドレ。




2つのコマに挟まれたコマに、わずかに開いているドアが描かれているので、オスカルはアンドレに声をかけてもらうのを待っていたようですね。…で、オスカルの計画通りオスカルに声をかけるアンドレ。アンドレ、暗闇に潜んでいるオスカルに?です。




この時二人は30歳直前くらいでしょうか…。7.8巻の頃のより、若干まだ幼なさが表情に残っている二人。アンドレの一コマ目の顔、まだリボンしていたころのあどけなさが残っていてよいです(^-^)/ それゆえ、この後のアダルトな展開が余計にショッキングです…




アンドレを部屋に招き入れた時には切羽詰まった表情だったオスカルですが、アンドレとの子供時代の思い出話を始めるコマでは、一変して穏やかそうな表情です。オスカルにとってもアンドレにとっても、2人の子供のころの思い出はかけがえのないものであり、その思い出の数々はお互いにとって心のオアシスのようです。




ベルばらの読者には、このシーンで初めて二人の出会い、そして子供時代のエピソードが披露されたわけです。このシーンものすごく効果的で、二人のこの上ない親密な関係性を明確にしており、この後の展開のドラマ性を際立たせております。




これまでの恋愛に関するストーリーラインは、オスカルのフェルゼンに愛する片思い~失恋のシーンがメインでしたが、このシーンによって、オスカルの恋愛エピソードがフェルゼンとのものからアンドレへシフトして行きます。その転換期の重要なエピソードなのです。




そしてオスカルにとってのアンドレの立場もこのエピソードで変化します。親友で幼馴染で従僕であるアンドレから、その範囲を超えた存在になっていくアンドレ…。




さて、思い出話のあと、急に「うっ!」て顔をそむけるオスカル。もうフェルゼンへの失恋の痛手にいっぱいいっぱいだったようです。




オスカルのセリフ、「なぜ年月はこんなに早くたってしまうのだろう… なぜ子どもはおとなになり…」




このセリフを聞いて感のよいアンドレは、オスカルがフェルゼンと何かあったと気づきオスカルに問いかけます。




でもその前に、おそらくアンドレ、子どもではいられず大人になって苦しんでるんだって嘆くオスカルに言いたいことがあったのでは…。大人になって苦しんでいるのはお前だけじゃない。俺だって大人になって、お前に身分違いの恋をして苦しんでいるんだぞ!ってつっこみたかったのでは? オスカルの話の展開から察するに、自分が子供のころと変わらずにオスカルの心のオアシスとして扱われている=自分も大人になって苦しんでいることを理解されていないと、心の中でもやもや~ってしたことでしょう。




このもやもや感というか、やるせなさというか、オスカルが全く自分のこと理解してないということに対する憤りというか、そんな心境がこの後アンドレが今までにない一線を越えた行動をとる一因になったかもしれません。オスカル、少しは自分のこと考えてくれ!って。




さてさて、感の良いアンドレは、いきなり「フェルゼンにあったのか?」と唐突に言い当てて、オスカルをギクッとさせます。




アンドレ、オスカルの返事を待ってず、「そうだな!? なにかあったのか!? オスカル なにかあったんだな!?」って畳みかけております…(  ゚ ▽ ゚ ;) すごい、あたってる…




それにたいして何も答えず、涙を光らせて苦しみに耐えているオスカル…。…で、その後会話らいしい会話もなく、少しもみ合いになった結果、アンドレの突然の愛の告白…(゚Ω゚;)




もみ合いの末、「おれがこわいか? さあオスカル わめくがいい さけぶがいい! 殺されたってかまわない! おまえを愛している‼」って…ロマンスのかけらもありません(・Θ・;)




なぜこんな唐突な展開になったのか…?




しばらくわかりませんでしたm(..)m




でも予想できるのは…、それはアンドレがこの瞬間ものすごくあせっていたのではということ。




おそらくアンドレにとって、オスカルのフェルゼンに対する失恋は、恋のライバルが消えてホッとできる瞬間なのではなく、おそらくその逆だったのではと思うのです。




自分の恋い焦がれる人の思い人というのは、一般的には目障りな存在でしょう。でもアンドレにとってフェルゼンは、きっとライバルではなかった。オスカルがフェルゼンに恋をしていることはアンドレにとっては好都合だったのでは? だって、2人が結ばれる可能性はほぼゼロなのですから。




フェルゼンはスウェーデンの伯爵。オスカルと同じ伯爵家の跡取りです。跡取り同士の結婚はありえません。それに2人が出会ったころから、フェルゼンの恋の相手はアントワネットで、そのことはベルサイユ中で有名な話です。だから、オスカルがフェルゼンに恋をしている間は、オスカルがだれか他の男のものになることはありえない。身分違いの恋ゆえ自分の思いを伝えられないアンドレにとって、フェルゼンの存在はある意味ありがたい存在なのです。オスカルが誰かのものになってしまわないための保険のような。




それが、その時がやってきた! オスカルがフェルゼンに失恋をし、他の男にオスカルがとられてしまうかもしない可能性が生じるかもしれない時が‼




アンドレ、猛烈にあせってるんです、きっと。もう全く余裕ないです   (@Д@; 今自分の気持ちを伝えてしまわなければ、オスカルがほかの男のものになってしまう‼




冷静に考えれば、オスカル、失恋したばっかりでそんなことにはならないでしょう(;´▽`A`` でもあまりの恐怖と焦りに、アンドレ、それどころではないよいです。




抑え込まれたオスカルが、自分におびえている…。もうそんなこともどうでもよいほど恐怖に支配されてるアンドレ。(;°皿°) オスカルもパニックですが、アンドレもパニックですヽ(;´Д`)ノ お互い心の準備ができておりません。でもアンドレの心は止まりませ~ん!




いきなり押し倒すようにキスするアンドレ…(°д°;)



でも次のシーン、オスカルにキスするアンドレの表情にオスカルに対する愛おしさが滲み出しております。少しほっこりです(*v.v)。


この後、アンドレのなが~いオスカルに対する独白が続きます…。詩的な表現から始まりますが、「おれの体のずっとおくのほうからなにか熱っぽいものがこみあげてきて おれの気持ちをおちつかせてくれなくなった」って…ロマンスのかけらもなく、性的なニュアンスが含まれていてリアルすぎ(゚Ω゚;) これ当時のローティーンの読者たち、絶対ドン引きでしょう(((゜д゜;)))




しかも、オスカル手を少し動かしただけで、「オスカル うごくな! うごかないできけ」って…(((゜д゜;))) もうアンドレ狂気の沙汰です(@_@)




その後続くアンドレの独白…。どさくさに紛れて、オスカルの首筋に唇よせてるうΣ(゚д゚;) リアル…リアルすぎる((゚m゚;)




その後のアンドレの言葉。「たのむ…オスカル おまえのためならどんなことでもしてやろう ほしいというならこの命もくれてやる だから… だから… オスカル」…でベッドにオスカルを押し倒すという展開です((>д<))




だからなんだったのか?




そのあとのセリフが書かれていないので不明です。




だから自分のものになってくれ?




いや、たぶん違います。だってその前のセリフで、おまえをじぶんのものにできるとも結婚できるともおもってないと宣言しているのだから。

じゃあ何? なんなのアンドレ!!?((((((ノ゚⊿゚)ノ 




その答えもないまま愛している!を連呼してオスカルを押し倒し、で、オスカルのブラウスをアンドレが破きます(´□`。)




もう、この展開がわからず、当事者のオスカルといっしょにパニックになるわたくし((>д<))




ブラウス引き裂くなんて! 暴力的すぎるでしょう!




でもなんでブラウスを引き裂いたのか?




これが謎だったんです…




だって、この先本気で無理やりセックスするつもりなら、引き裂かずともブラウス脱がすことは可能です。オスカルのブラウス、ものすごくシンプルな作りだし。でもこの後、アンドレは結構冷静で、それ以上に進むことはせず、オスカルを観察しているようにも見えます。




アンドレの激情の行方はいずこ??




わからない…ああ、わからないよう、アンドレ…(。>0<。)




あまりにもわからず、最終的には男の性的衝動? だめだーそんなもん理解できない~(><;)って方向にまで行ってしまいました(笑)




でも、さらにさらに考えて、いろいろ考え抜いた結果、今の時点で私が分析して理解していることは…。




それは、たぶんアンドレのこの一連の行為の目的は、やはりオスカルを誰のものにもしたくない!という心の表れだったのではということです。




自分の真剣な気持ちを聞いてオスカルが誰のものにもならないって約束してくれたなら、ブラウスを引き裂くことはしなかっでしょう。でもオスカルおびえているだけで何も答えてくれず、その上アンドレを遠ざけようとさえしているのをみて、正気をなくしているアンドレは次の行動に出たのでしょう。約束してくれないなら、体を奪ってしまうぞって…




彼らが生きた貴族社会では、結婚前にセックスしてしまった貴族の令嬢は、発覚すればもう結婚できない。きっと修道院送りとか、そんな世界だったでしょう。だからアンドレは、自分が奪ってしまえばもうオスカルはほかの男のものにはなれない、と考えたのでは。自分のものにするのが目的ではなく、あくまでもほかの男に渡せなくするため。かなり自分勝手な発想ですが…



でもこの先、オスカルと無理心中図ったりしているのを見ると、アンドレが犯罪まがいのことするときは、オスカルがほかの男のものになる恐怖でいっぱいの時なのでしょう!(´Д`;)


当時の社会のルールで考えれば、そんなことすれば、オスカルの父親であるジャルジェ将軍に撃ち殺される可能性大です。でも、「だから…」の前に、「おまえをほかの男の手にわたすくらいなら このままこの場でだんなさまに射殺されてしまったほうがましだ!」って言っています。アンドレ、命がけで告白しているのだわかります。死ぬよりも、オスカルが誰かのものになってしますほうがこわいのです! 




…でも結局オスカルの涙を見て、オスカルがほかの男にとられてしまう恐怖から我に返ったアンドレ。自自分の抱えていた恐怖より、オスカルを傷つけてしまうほうが怖いことなのだと思い知らされたのでしょう。



結局は、アンドレ、自分の恐怖心よりオスカルに対する愛情が勝ったのですね(^_^)v

でもそんな愛ゆえ、ここからアンドレの苦悩は一層深くなって行くのです(TωT) ああ、アンドレ~

アンドレ、完全無欠の完璧な人間から程遠い、ドロドロとした内面の葛藤を抱えて生きてる男。それを描いちゃう池田氏。でもそんな人間だからこその激情が描かれているゆえに、アンドレというキャラに魅了されるのかもです。きっとオスカルも、アンドレという一人の人間について、考え直させられたことでしょう。ただの幼馴染から、激情を内に秘めた一人の男としてのアンドレ。


…長くなってしまいました(^o^;)




本日はアンドレの激情と、愛の告白~例の事件の真相について考察し、書いてみました。




書いてみて、まだまだ100%理解していないなと実感のわたくし(^▽^;) また何か新たに理解が深まったら、補足したものを書きたいと思います(^▽^;)




本当に長ーい文章お読みいただきありがとうございましたm(u_u)m