生きている限り、頑張ってない人なんていないんだと思います。

大切な人の道標になれたらいいなと、願ってます。


それでは、どうぞ。































月も星見えない真っ暗な夜の闇に飲み込まれそうな時がある。それはいつも突然現れたように見えるけど、ほんまはそんなことなくて、ほんの小さな積み重ねが少しずつ心を蝕んでいくんやと思う


こんな夜は涙が溢れそうになることを保乃は知っとる。そんな時にいつも思う


保乃は無力なんやと



夏)グスッ、

保)…?



寝室の中で聞こえた鼻を啜る音に、つい大袈裟に肩を震わせてしまう。これはきっと、隣で保乃に背中を向けとる夏鈴ちゃんからや。夏鈴ちゃんは保乃の大切な人で、保乃はもう夏鈴ちゃんがおらんと生きてる価値さえ見えなくなる


やからもし夏鈴ちゃんが今よくない感情を抱いているなら、保乃のできることは間違いなく夏鈴ちゃんに寄り添うこと



保)どうしたん?

夏)っ、なんもない…。

保)嘘つかんよ?

夏)、、ちょっとな、

保)…そっかぁ。



背中を摩りながらそう聞いても、夏鈴ちゃんは辛かったことを話そうとしない。でも保乃はそれでいいと思う。人は自分以外の心なんか分からんから、保乃は夏鈴ちゃんが言いたくなった時に耳を傾けてあげたい



夏)ごめんな。

保)なんで謝るん?笑。保乃はなんも迷惑やと思ってないで。

夏)でも、

保)もぉうるさい!笑。保乃はな、夏鈴ちゃんのこと全部愛しとるから!!

夏)…ふふっ、

保)あ、ちょっとバカにしたやろ?

夏)いーや?嬉しいなぁと思って。



今の夏鈴ちゃんの表情は保乃には分からん。でも多分、さっきよりはいい顔をしとるんやないかなって思う。悲しい顔せんで、でも無理に笑わんでええ。夏鈴ちゃんは夏鈴ちゃんがしたい表情をすればええんやで



保)保乃は夏鈴ちゃんがしたい生き方をして欲しいな。

夏)え?

保)あっ、



つい出てしまった言葉に、夏鈴ちゃんは思わず保乃の方を向いてびっくりした顔をしている。ほんまに無意識で言ってしまったそれに、果たして意味はあったんやろうか?

自分でも分からん自分の深層心理に驚かされる。そういう時って、意外とそれに感謝するんよな



夏)保乃、、



やから保乃はそれを味方につけて、夏鈴ちゃんのヒーローでありたい



保)暗い道を進むのってほんまに怖いことやと思うし、保乃は夏鈴ちゃんにそういう道を1人で歩いてほしくないって思う。

夏)うん。

保)やからな?



ムギュッ



夏)んぅっ、

保)夏鈴ちゃんには保乃がおる。怖くて、疲れて、もう進みたくないってなったら、その時は保乃が夏鈴ちゃんの手を引いて一緒に進むよ。



保乃がほっぺをギュッとしたら、夏鈴ちゃんは反射的に可愛い声を出した


こんなくさいセリフ、大人な夏鈴ちゃんには届かんかもしれんな。でもこれは保乃の自己満やから。保乃のわがままやから。もし届かんくても、夏鈴ちゃんの心の弱い部分を優しく撫でてあげれる言葉になればいいな



保)夏鈴ちゃん、保乃の大切な人になってくれてありがとう。



嘘偽りのない、保乃の100%の想いを受け取って?



保)ずっとずっと、世界で一番愛してるで?





























届くといいな。

END.