それでは、どうぞ。






















今日も明日も明後日も、世界は変わらずゆっくりと回っていて、私たちはその決まった動きの中で特別とは言えない暮らしを送る。でももし、私の世界がどこがで変わっていたのなら、それは間違いなく彼女に出会ったせいだ



由)もし私が消えても世界は何も変わらないよね。

理)何よいきなり。

由)誰かの人生を変えちゃう存在になんかなりたくない。荷が重い。

理)キモ。

由)辛い。



そんなバカみたいなことを言う由依を私は屋上のベンチに寝転がりながら聞いていた。風に揺れるスカート、くどくないシャンプーの香り、髪の隙間から微かに見えるシルバーのピアス、そのどれもがなんだか魅力的で私の胸は常時高鳴りっぱなし



理)世界が変わるかは分からない。

由)理佐に分かるわけなじゃん。神様じゃないんだから。

理)お前そろそろ張り倒すぞ。



由依は他の人より頭のネジがぶっ飛んでる。まぁこんな私が言うのもおかしな話だけど、由依のぶっ飛び方はなんか…由依の世界には由依しかいないような、そんなぶっ飛び方


いや、この表現は分かりずらすぎるな



由)はぁ…早く死なないかなぁ、

理)そこから飛び降りれば?



私がノールックで指差した方を由依は子犬みたいな顔で見つめる。大丈夫、由依にそんな勇気はない、、、はず



由)おっけ。

理)冗談じゃバカタレ、飛び降りたら殺すぞ。

由)おっ、殺してくれるの?



あーめんどくせぇ…なんでこいつはこんなに死にたいんだよ



理)私の目の前で死なないでくれる?すげー迷惑。

由)遺書に理佐の名前書いとく。

理)やめろ。

由)いやだ。



毎日毎日毎日毎日、こんな日の繰り返し。朝起きて、学校に来て、由依とバカみたいなことして、放課後も由依と過ごして…多分お互い、この関係が心地いいんだ


私も由依といる時が1番好き。うざいけど



理)、、由依が死んでも世界は変わらない。

由)うん。

理)でも、私は少し変わるかもね。めっちゃ少しだけど。

由)へー。

理)もっと関心持てや。

由)いや、なんかくさいこと言ってんなーって思って。

理)どつき回すぞ。

由)あっつい!アイス買い行こ!

理)…。



きっと明日もこんな日になるだろう。これでいい、このままでいい。由依の世界に入り込もうなんて、そんな事は思わない


けど、由依に出会った私の世界はその瞬間だけ大きく変わって、そのまま音を立てずに回ってる















END.