ものすごーーーーく季節外れですがお許しください


それでは、どうぞ。

































わたがしの甘ったるい匂い、焼きそばのソースの匂い、理佐が着ている甚平の独特の匂い。今日私たちは街から少し離れたところで開催されている夏祭りに来ているのだ


いつもかっこいい理佐だけど、今日は格別。前髪をセンター分けにしてはっきりと顔が見えてるし、なにより体格が良すぎてもうなんか完璧すぎて頭痛くなりそう


私も張り切って浴衣を着て見たけど、やっぱりいい歳した教師がこんな格好をすると羞恥心が生まれてくる


ミスったな…普通の私服でくればよかった



理)なにキョドってんの?笑。

由)だって…周りは若い子ばっかりなのに、、私みたいなおばさんがこんな格好してたら変じゃないかなって、

理)ははっ、ほんとバカだよね笑。由依はどんな格好してても可愛いのに。

由)えっ/////、

理)まぁそれに私…可愛すぎてまだはっきり見れてないから////、



そう耳を真っ赤にして言う理佐。確かに今日は一回も目合ってないな。そういうことだったんだ


ふーん…何?可愛いじゃん



理)なんか由依スケベな顔してね?

由)そう?理佐の気のせいだと思うよ。

理)絶対違うだろ笑。



理佐が隠れ治安なら私は隠れ変態かも…なんて冗談はこれくらいにして、流石に私を見れないからってずっとよそ見されてもそれはそれで悲しい


わがままかな?まぁでもいいよね、彼女なんだし



由)じゃあ理佐は私のことが見れないからって他の子のこと見るの?

理)は?冗談きっつ。他の人とかマジで興味ないんですけど。

由)ほんとかなぁ?

理)なに?疑ってんの?

由)いや、そう言う分けじゃないけどさ…、



疑ってる訳じゃない。本当にただ自分に自信がないだけだ


だってさっきから女の子と理佐がすれ違うたびに『え、あの人めっちゃかっこよくない?』とか『ちょータイプ!連絡先聞いてこようかな?』など私からしたらクソ不愉快なことばっかり聞こえてくるから



由)理佐がカッコ良すぎるのが悪い…。

理)え、ありがと。

由)褒めてないわ。

理)まぁ私モテちゃうからなぁ〜。



自覚あるんだ



理)でも、



グイッ



由)わっ////、

理)私は由依しか見てないよ。



突然理佐が腰に手を回して引き寄せてきて、私は思わず情けない声を出してしまった。極め付けには少女漫画でよく使われがちなセリフを真剣な目で言ってくるもんだから、嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが同時に来てわけ分からん感情になる


さっきまで全然見れてなかったくせに…ズルい人だな



理)ふふっ、照れてるの可愛い。

由)う、うるさい!舌ピ引きちぎるぞ!

理)いや怖笑。あ、射的あるじゃん!由依行こ!

由)ちょっ、話逸らすな!



ジェットコースターみたいな理佐の感情に私は時々置いてきぼりになりそうになるけど、きっと理佐ならその度に私の手を引いて一緒にいてくれると思う



理)誰か欲しいのある?

由)えー…あっ、あのサメにゃん可愛いかも。

理)ん、あれか。よっしゃ!1発で取るから見てて!

由)いけるの?

理)由依のためならなんだってできるよ。

由)っ!?///////、



私が理佐の沼から抜けられない理由は、きっとこういうところなんだろうな


































おわり。