2000年(平成12年)5月18日(木曜日)の北海道新聞より転載
宮崎県防疫対策本部長に聞く
調査情報の公開不可欠
今年三月、国内で九十二年ぶりに 口蹄疫の感染牛が見つかり、このほど安全宣言を出した宮崎県家畜防疫対策本部を訪ね、本部長として感染拡大に奔走した県農政水産部長に、克服までの道のりを聞いた。(帯広報道部)
-北海道での口蹄疫の発生を聞いてどう思いましたか。
「宮崎県として安全宣言を出した翌日に、しかも遠く離れた地で口蹄疫ウイルスが見つかっただけに驚きました。
でも、この距離が今回の感染を象徴していると思います。」
-日本では撲滅されたウイルスのはずです。
「それが何かで持ち込まれ、ある日突然、発症する。
原因としては今は輸入飼料が一番疑われていますが、飼料を外国から買わないと経営が続けられないのは、宮崎や北海道に限ったことではなく、次はどこが被害を受けるか分かりません。」
-宮崎では三十九日間にわたって家畜の移動制限を行いましたね。
「北海道ほどではありませんが、宮崎は畜産王国なんです。
都道府県別飼育数では肉用牛が全国三位、豚が二位。
県内農業粗生産額の半分を畜産が占めています。
県の農業を守るためにも、防疫体制の確立は必須(ひっす)でした。
競り市が中止され、売買も出来ない状態で農家には苦労をかけましたが、農家は感染の拡大防止に積極的に協力してくれました。」
-安全宣言にこぎ着けた県としてのアドバイスを。
「実際、風評被害も受けました。
畜産に限らず野菜の値段も暴落しました。
いくら人には無害といっても消費者の不安はぬぐえません。
『宮崎は完全に潔白です』と言い切るのが一番と考え、県内一万四千戸の全畜産農家で採決調査を行い、清浄化を確認しました。
不安をあおらないためには情報公開が大切です。
私たちは毎日必ず記者会見を開き、調査の進み具合を逐一発表しました。
飼料の国内自給もあらためて認識されています。
十勝はいま大変な状況と思いますが、この危機が転じて新たな発展のきっかけになるよう、エールを送ります。」