昨日は日本中が歓喜の渦に包まれた。日本代表が見事2-1でコロンビア相手に勝利したのだ。日本時間では試合開始が21時だった一方、フランスは14時スタート。平日の14時からの試合開始で、かつ極東アジアの一国と南米のコロンビア。フランス人はほとんど興味がない一戦なので、あたりは実に静かだった。

 

フランス戦が行われると、仮に部屋を完全に締め切り、テレビをつけていなくても、試合経過を知ることができる。街中がブイブイ叫んだり、ゴールが決まるごとに大歓声が上がるからだ。

 

さて、直前に監督解任騒ぎがあったり、若いメンバーが外れたりと何かと問題があった日本代表。しかし、直前のパラグアイ戦にメンバーを総入れ替えし臨み、勝利してから、何となく風向きが変わっていた。

 

日本人の友人が、パリ繁華街のシャトレで、コロンビア人主宰のパブリックビューイングが、とあるスポーツバーで開かれるとの情報を仕入れ、ここは日本を応援するために空気を読まずに乗り込むぞという話になったのだ。

 

さて、会場にいざ着いてみると、300人程入るスポーツバーにはコロンビアの黄色のユニフォームを着たサポーターしかいない。日本人は私と友人とたまたまその辺を通りかかった男性の3人だけだった。



 

不思議に思うのだが、どうしてコロンビア人はこんなにたくさんいるのだろうか?試合会場のスタジアムもほとんどがコロンビア人で、このスポーツバーもコロンビア人だけ。ちなみに人口は日本の約3分の1である。

 

報道によると、W杯代表戦の当日にはコロンビアは休日になるという。震度6弱の地震がおきても出勤しなくてはならない日本とは様子が違うようだ。

 

さて、コロンビア国歌斉唱が始まった。鼓膜が破れるかというほどの大熱唱だった。一方、君が代斉唱は我々3名だけで、まわりは日本代表を格下にみている様子で、まぁせいぜい頑張れよという上からな視線をビシビシと感じた。だから、我々も必死に日本の為に応援することをここに誓ったのだ。

 

試合経過は皆さんが知っている通り、開始3分でまさかのPKで一人退場。こんなラッキーなことはあるのか。

 

正直、日本代表は今回のW杯、幸運が立て続けにおきている。まずグループ抽選会だ。日本代表は最後の最後まで選ばれず、結果H組に入ることとなった。しかもH組の第1プール国は本当ならポーランドではなくスペインだったはずなのだ。ポーランドはあえて第1プール国に入る為に親善試合をこなさずにFIFAランキングを上げることに専念。そんなグループに日本は入れたのだ。

 

開始早々から日本は11-10と数的優位な状況でコロンビアと戦うことができた。途中コロンビアにミドルシュートを決められた時やハメス・ロドリゲスが投入された時には会場には、また鼓膜が破れるほどの大歓声が鳴り響いたが、後半に大迫がヘディングで決めてくれた時はシーンと静まり返った。

 

そして、試合終了のホイッスルである。日本が2-1で勝利した。嬉しかったが、それよりも驚いたのが、会場のコロンビア人だ。皆が日本代表を褒め称えてくれたのだ。

 

そして、我々日本人3名はコロンビア人サポーターから写真攻めにあった。また、コロンビア人はラテン気質で日本代表に負けたことを全く根に持たず、そこからダンスパーティーが始まるのである。素晴らしい、国民性だ。コロンビアが好きになった。