今年2月、京都大学の学生4名が、大学近くの交差点の真ん中にコタツを置いて、鍋を囲んで問題となっていたが、京都府警によると彼らの身元を特定し、近日中に道路交通法違反で立件する方針を固めたという。
日本から約1万キロ離れたパリで、フランスの若者が京都大学の学生らと同じようなことをして話題になっている。だが、今回、舞台となったのは交差点の真ん中ではなくて、地下鉄の車内だ。
今月15日、通信系エンジニアで24歳のトマは友人3名と共にタキシードに正装しパリの地下鉄5番線に乗り込んだ。5番線はパリを南北に縦断し途中セーヌ川を高架橋で通過する、少しロマンチックな路線である。
ただし、トマらのグループは他の乗客たちとは少し様子が違っていた。なんと、対面式の4名席に座るやいなや、簡易テーブルを広げラクレットパーティーを始めたのである。
ラクレットとは溶かしたチーズにじゃがいもやハムを絡めて食べる冬のフランスの定番料理。冬になると、友人宅に皆で集まり、ラクレットを楽しむ。日本の鍋のような感覚でフランス人から愛されているが、匂いがきつく、高カロリーなため、ラクレットパーティーをいついつやろうとなると、少し覚悟が必要なのだ。
そんなことはおかまいなしに、トマらのグループはワインボトルを開け、ラクレットを地下鉄車内で楽しみはじめた。
また、徐々に見物人が増え、しまいには彼らの周りや、停車中には窓の外から写真を撮る人で溢れだしたのだ。
安全上問題はなかったのかと疑問が残るが、トマはこう語る。
『一番はじめに、地下鉄係員がやって来て、私たちが何をこれから始めるのか尋ねてきた。要はロウソクを使うかどうか確かめたかったようだが、ラッキーなことに私たちはまだ火をつけてなかった。』
終点の駅では、地下鉄の運転手までやって来て、奥さんに見せるためにと写真を撮って帰っていったという。
この様子は翌日彼らのYoutube上チャンネルで公開された。
https://www.youtube.com/watch?v=_RqKR15iVQ4
トマらのグループはラクレットパーティー以外にも、乗客を楽しませるために、車内で数学の授業や散髪などのパフォーマンスを行ってきたが、フランス人にとってこのような即興的なパフォーマンスは日常なのだろうか、思った以上に再生数が少ないことに驚かされる。
日本で同じようなことをすれば、もっと注目されていただろう。ただし、社会的な制裁も下されるだろうから、寛容な社会に住むのか、不寛容な社会に住むのが良いのか考え物だ。
トマらのグループは他にも数十もの計画を準備中で、近々また地下鉄内でパフォーマンスを実行するという。次はいったいどのような形でパリジャンを楽しませてくれるのだろうか。楽しみだ。
