昨日のカンヌ映画祭の記事を書き終わってから、次のテーマがなかなか決まらなかった。テーマは他にもたくさんあるのだが、もっと取材しないと書けないので、途方に暮れていたところ、ふと、最近の悩みをここに綴ればと思ったのだ。
ブログの記事を書く際に、テーマが特に時事問題のときは、フランスの新聞が主な情報源だ。紙で新聞を購読していないので、パソコンや携帯・タブレットを駆使して記事を閲覧しているのだが、あっという間に無料で閲覧できる範囲の記事を読み切ってしまった。
こうやってブログを書くために注意深くフランスの新聞記事を読んでいると、各紙論調が違うのは当然のことながら、意外や一紙だけの記事を読んでもそのニュースの全体が全く見えてこないことに気づかされる。例えば、ルモンドではその事件を歴史的な切り口で書いている一方、フィガロだと政治的な影響について深く書いていたりする。
また、私のような外国人だと、単語の意味や事件の背景がよく分らないために、記事の文脈が読み取れないことも多々ある。とくに法律用語はとても厄介だ。
例えば、歌手ジョニー・アリデイの遺産争いに関しても記事の中で、裁判所は実子2人への追悼アルバムのle droit de regard (監督権)の付与を拒否したと書いてあるとする。この場合、監督権とは何を指すのか、著作権や肖像権とどう違うのかと法律用語に関する知識がないと次に進まなかったりする。
こういう時に他紙の新聞記事でどう書かれているかと参照するのだ。3~4の記事を探ってみてはじめて違う表現やフランス語が使われていたりすると、とてもラッキーな気分になる。そうこうしているうちに、あっという間にほとんどの新聞、パリジャン・フィガロ・リベラシオン、(ルモンドは無料記事が充実しているのでまだセーフ)の記事が見られなくなってしまった。
こうなってくると、とても不便である。日本のニュースだと目と耳だけで大まかに理解できるが、フランスのニュースを活字媒体で見られないのは致命的だ。
だから、電子版を契約しようと検討しているのだ。
フランスの電子版は日本のそれに比べてお得だ。
というのも、日本の全国紙だと電子版の月間購読料は各紙3500円から4500円を前後している。しかし、読売新聞に関しては、一般購読しないと電子版サービスが受けられないようになっている。ただし、産経新聞はなぜか例外的に1944円と安い。紙媒体だけでもだいたい各紙4000円前後で、電子版とセットで大体5000円で価格が設定されている。
紙媒体と電子版の値段がそれ程変わらないので、電子版だけより紙と一緒に購読したほうがお得な感じがする。日本の全国紙の電子版サービスは紙媒体の付属的な扱いだ。
一方、フランスではどうか。
主要紙の電子版だけの月額は10ユーロ前後だ。10ユーロというと約1300円で、日本の電子版と比べてだいぶんお得な感じがする。フランスの新聞では紙媒体だけの定期購読はもう存在しない。各社、紙媒体で契約したら自動的に電子版サービスも受けられるようになっているのだ。ちなみにこれらの月額は25ユーロから64ユーロと各社ばらつきがある。日本円で約3500円から8000円ほどだろうか。 64ユーロというのはルパリジャン紙の月額(ただし、今月はセールで27ユーロ)で、なぜか他のルモンド紙(25ユーロ)やフィガロ紙(32ユーロ)よりも割高になっている。
日本では、新聞社と各販売店が主従関係になって新聞業界を支えてきた。だから、日本の新聞業界は電子版に消極的なのであろう。一方、フランスでは電子版へ全面的に舵を取っているといっても過言ではない。ここである疑問が沸く、フランスでは新聞を従来どのように消費者に届けてきたのだろうか?日本のような販売店システムが存在していたのか?この点については今後くわしく調べてみようと思う。
さて、電子版の購読だが、今のところ、フランス国内とパリのニュースを大きく扱うパリジャン紙と、国内と海外ニュースが充実する高級紙のルモンド紙だけ月間購読してみようかなと思うが、なんせ、各紙月額10ユーロ前後なのでリベラシオンもフィガロも経済紙のレ・ゼコーもと、どんどん欲が出てきてしまうのである。
