GWが終わって、いつものようにみんながいつもの生活に戻っていく。…自分を除いて。GW中は、てってー的に仕事をしなかったから、やらなければいけないことはあるのだが、どうもやる気にならない。
 そういう状態で、だらだらと心理学のメルマガを読んでいたら「Procrastination」という単語が目にとまった。
 「先延ばし」、という意味のこの単語、古今東西ほとんど誰もがやらかしてしまう経験。

 小学時代の8月31日を思い出せばすぐわかる。宿題やらなきゃマズいとわかっていながら、ついずるずると遊び呆け、夏休み最終日に大慌て、半泣きでどうにか辻褄を合わせる。「どうしてもっと早くからやっとかなかったの!?」と叱る親も実は、ちょっと前まで同じようなProcrastinationをやっていた。っていうか、今だって、子どもにマネしてほしくない悪行(?)を会社の仕事や家事で繰り返している。子どもを叱りながら心に湧き上がるのは、忠実に自分の血を継いだ我が子への愛しさか、申し訳なさか、はたまた忌々しさか…? 

 子どものいない私の勝手な想像はさておき、やる気の呼び水になるかという密かな期待のもと、Procrastinationをググってみる。心理学の世界では、Procrastinationに関する研究が多々なされ、改善方法も検討されているのだ。以下、代表的方策をざっと要約すると;

 ①環境を整える:自分の気を逸らすものを視界にいれない。不要不急の書類とか読みかけの小説を仕事机に置かない、PC上でEメールの受信ボックスを閉じる、など。
 →整理整頓好きな私の場合、普段から無駄なものは置いてない。でも、視界に何も入らなければ、気を逸らすものを見つけるだけのこと。やおら机の引き出し開けて、Things to doはそっちのけで不要不急の文房具整理とか始めちゃう。筋金入りのProcrastination。

 ②自動ルール化する:時間割や定期的な進捗管理などルールを設定して、しのごの考えずにとにかくルールに従って行動する。
 →誰だったか忘れたが、高名な作家が「たとえ書けなくても、とにかく1日〇時間は机に座って原稿用紙に向かう」と言っていた。でも、決めたルールを守るっていう自己制御能力があれば、そもそもProcrastinationなんてしないよね…。

 ③嫌悪感を減らす:「嫌だ」「やりたくない」という気持ちにならないような工夫をする。プチ目標を設定してこまめに達成感を味わう、〇日やったらプチご褒美、など。
 →これはちゃんと実行している。〇日どころか、午前中ちゃんとお仕事したらランチは外食、午後がんばって働いたら夕方おやつ。プロジェクトの山を越えたら、沖縄旅行、とか。  
 でもこれって、取り組み始めた後に最後まで続けるための方策であって、最初の1歩が踏み出せないときは、そもそも機能し得ない。1歩を踏み出す前に先出しご褒美、つまり「このケーキ食べたら始める」アプローチは、ほぼ失敗する。ケーキを食べ終わってもやる気になれず、アイスクリームも食べたくなり、さらに…、と冷蔵庫の中を食べ尽すまでご褒美を連発させ、別の嫌悪感に苛まれるのがオチである。

 …ふ~ん。全然ダメじゃん。いやいや、心理学の奥は深い。方策はまだある。  ・・・(中)に続く。。。