今更言うまでもなく、全世界的にテレワーク流行りである。流行りというより必然か。リクルートマネジメントソリューションズが3月末に行った調査結果によると、大中小企業に勤める2,600名余のうち、数時間~終日のテレワーク経験のある人の割合は3割弱。思ったよりも少ないかな。ただ様々な業種が含まれていて、在宅ではできないお仕事に就いておられる方も少なくないのだろう。お疲れ様です。
今日はとりあえず、テレワークをしている、あるいはしようとしている人向けのお話です。同調査の最後にあった「テレワーク環境下で必要度が高まるスキル」を見て、おー、と思ったので。
必要度が高まるスキル、トップ3は以下のとおりである。
①文章で、人に情報や要望を分かりやすく伝えること(複数回答で79.0%)。
②集中力を保ち、自己を律すること(同66.3%)。
③仕事の計画を自分で立て、進捗を管理すること(同65.1%)。
1番目、なるほどね。そーでしょーそーでしょー。日ごろ「りょ(了解)」とか「おつ(お疲れ様)」とかだけで用を済ませてる人、苦労してるだろうなあ。
でも、ここで着目したいのは、これら「必要なスキル」に対して、「自分ができていると思うスキル」の数値、①は43%、②28.7%、③34.7%。ということは、「必要」と「できている」のギャップが一番大きいのは、実は②(37.6%)。①(36.0%)と僅差ではあるが、みんなが一番苦労しているのは、コトバ遣いよりも自律心、というわけである。
自律心。
上司も同僚も部下も見ていないところで、1日8時間、ちゃんとしっかりお仕事しているか?
かたちだけPCに向かっているんじゃなしに、ちゃんと頭も手も動かしているか?
どきっとした人、少なくないのではないか。それが一番タイヘンなんだよ、と思った方、ご安心ください。自分を律することが苦手なのは、あなたに限ったことではない。
心理学者が、入念な世界的調査をもとに人として持っている(べき)強みを24個規定したCharacter Strengthというものがある。その中に、「自律心(Self-regulation)」がしっかり入っている。とほほ…、やっぱ、人として必要なスキルなのね。
でも、世界中600万人分のデータを分析すると、24個のうちボトム5(つまり相対的に「強くない」強み)に、自律心もしっかりランクインしているのである。
ということで、在宅勤務歴11年、自律心が常にトップ5に入っている(!)私が、世界中みんなが苦手な自律心を、テレワーク(自宅でのPC作業)において発揮するコツを伝授します。
…なんて、大上段に振りかざすほどのコツでもない。コロンブスの卵です。
それは、「時間を測る」こと。
「体重計ダイエット」と同じである。自分の実際の稼働時間を「みえる化」するのである。
Togglという無料アプリを使えばカンタン。Toggl社の回し者ではございませんが、このツール、友だちに紹介されて以来、愛用しております。
仕事を始めるときにボタンをクリックして、終わったときにまたクリックするだけ。留意点は、自主ランチタイムやコーヒー淹れて一休みするときに、ちゃんと気をつけてオンオフすることです。
オフィスにいれば、電話がかかってきたり、トイレに行くついでにちょっと同僚と立ち話したり、気づかないうちに気分転換をしている。一方、誰もいない、あるいは仕事とカンケーない伴侶や子供やペットのいる、そしてトイレはすぐ数歩先にある環境の中で、脇目もふらずに長時間仕事に集中するなんて、できるわけがない。ならばいっそ、集中している時間としていない時間を分けちゃうのである。