カーテンコールは手拍子と万雷の拍手でした。
舞台を終えたヒロさんの姿を見たい、
早くもう一度その笑顔が見たい・・・・・
そういう拍手でした・・・・
新宿紀伊國屋ホール「松元ヒロひとりだち」3日目
無事終演して今日はもう千穐楽です。
あっという間の4日間です・・・・
ふとマルセ太郎さんの言葉「記憶は弱者にあり」を思い出しました。
最近の世の中を見ていると、弱いことがいけないのだ、
という空気がある気がします。
負ける方が悪い・・・奪って何が悪い・・・・
そういう人たちの声を代弁する声が大きい世界になっている・・・・
笑いだってそう・・・
そんなことを思ってしまったのは、俳優座劇場がロッポンギヨシモトシアターに
なってしまったというのも関係ないわけじゃないかも・・・・
そのニュースにはびっくりしました・・・・
もはや頭の中が「?」「?」「?」
今の世の中に感じるのは、
弱者にある記憶を効率という言葉で蓋をする・・・・
傲慢で何が悪い、金を儲けられないやつが悪い・・・・
・・・・資本主義とはそういうもの・・・・
弱いやつは黙っとけ・・・・
そんな空気・・・・
息が詰まる・・・・
冷たい人たちが冷たいということも気づかずにいる・・・・
生きていることの素敵さ、命があることの素敵さ、
助け合うことの素敵さ・・・・
人が大きく成長していくといういことは、
お金持ちになることでも効率よくやれることでもなく、
多くの人と繋がれることなんじゃなかろうか・・・・
奪うことではなく分かち合うこと、
他人を笑顔にできること・・・・
助け合える世界を創っていくこと・・・・
お互いを尊重しあえること・・・・
・・・なんだ憲法の前文に書いてあることかぁ・・・・
この憲法の前文を否定した総理大臣がいたっけ・・・・
話が横にずれました・・・・
ヒロさんの笑いはそんな世の中でどっこい前向きに生きている人の姿を、
僕らに伝えてくれる舞台なのです。
逆境を笑い飛ばして、希望を持ってまっすぐに進んでいく人たちの姿が
ドキュメンタリーのように舞台に活き活きと展開していきます。
その見つめる目はずっと優しく、その優しさが時に社会に対する怒りになる。
優しさが根底にある怒りは共感と共に笑いになっていく・・・・
決して絶望することなく世の中を見つめているから悲壮にはならない。
笑いになるから観客も一緒に希望を持って立ち向かい合うエネルギーになる。
そう、希望を失くしてはいけない・・・・
舞台というものはどんなにツライ世界を描いていても、
その先に希望が持てるものでありたいといつも思って、
自分たちの舞台を創っています。
カラ元気ではなく、社会に向き合っていけるエネルギーになる舞台・・・・
どんなに面白くても心が冷え冷えするものではなく、
暖かくなれるものがいいと思うのです。
この部屋から十年以上・・・年2回4日間観させてもらってきました。
もちろん仕事をしているのですが、
門前の小僧でもあります。
この一瞬の舞台での体験を大事にして僕らの舞台を創造していこう
たいせつなものをしっかりと持って、まっすぐに進んでいこう

