「蝶の舌」という映画の話をふと思い出しました。

 

最初は漠然とスペインのフランコ体制のことを頭にうかべていました。

フランコは、モロッコで反乱軍を起こし、共和派を攻撃、その際ヒトラーに協力してもらい、それこそゲルニカの悲劇はドイツ軍がフランコに協力する中で起きた出来事です、スペインを制圧してしまい国家元首となる人です。

独裁者です。ファランヘ党というファシズム政党と軍を権力の背景にします。でも、第二次世界大戦では、枢軸よりの立場ながら、中立を保ちます。武器を使った戦争には参加していないのです。

戦後、1975年にフランコが死ぬまで体制が続くのです。

 

中立していたということが頭の中に浮かんできたのです。

そうしたら、「蝶の舌」という映画のことが頭に浮かびました。

フランコが反乱を起こす直前の協和時代、そして内線、フランコ体制になる中での共和派の老教師と子どもの交流の話です。

思い出したのはじゃがいもの話です。

 

じゃがいもはアメリカ大陸が発見されてから、アメリカからヨーロッパ、スペインにもたらされます。

では、じゃがいもがなかった時代に何をじゃがいもの代わりにしていたのか?

それはクリだった。

ということを老先生が子どもたちに教えるのです。

 

共和制は続かず、フランコが内戦に勝つと、老先生は共和派として捕まってしまいます。すると大人たちは、(僕の記憶の中の話なので曖昧なのですが確かこうだった・・・・)

 

ずっと昔からじゃがいもを食べてきたんだ、クリをじゃがいもの代わりに食べていたなんて嘘を言ったものだ。

 

というようなことを言ったと思うのです。

子どもにとって優しい、なんでも教えてくれる先生は、嘘つきになってしまうのです。

 

その様子を一人の少年の眼から見つめている映画だったような・・・・

大人になった少年が回想する形だったかなあ・・・・

少年は、大人と同調して、あんなに、優しく教えてくれた老先生を、攻める大人の側に立って見ていたような気がします。

 

本能的に自分を守ろうとしたら、そうなるのは無理ないなぁ。

でも悲しい話だなぁ。

 

遠い昔の、遠い国の話とは言えない・・・・・

 

なんで、こんなことを、思い出すのか・・・・・

 

今日は稽古です。