平成中村座姫路城公演(二部)@姫路城三の丸広場 | palestinian-wind

palestinian-wind

ワタクシの風に吹かれてみますか?

浅草以来の平成中村座は

播磨は姫路へとやって参りました。



姫路城世界遺産登録30周年記念

となっております。



しかも物語の舞台!の

姫路城で演る『天守物語』✧


泉鏡花先生ご自身が 

経費は出してもいいとまで言って


この作品の舞台化を

嘱望されていたのに生前は叶えられず


舞台化されたのは1951年

亡くなられて12年後のことでした。


まさか現場で事件が起こることになるとは

さぞや感涙にむせってらっしゃることでしょう。




***


岡崎柿紅 作

棒しばり(ぼうしばり)


【あらすじ】

次郎冠者と太郎冠者は無類の酒好き。ある日、主人の曽根松兵衛は外出中に酒を盗み飲まれないよう一計を案じ、次郎冠者の両手を棒に、太郎冠者を後ろ手に縛りつけて外出します。飲めぬとわかるとますます酒が飲みたい二人は、協力して酒を酌み交わし始めます。そうして二人がほろ酔い気分で踊り出したところへ、松兵衛が帰ってきて…。
 狂言を題材とした、おかしみにあふれる松羽目物の舞踊。両手が使えず、自由が利かないなかでも存分に踊って見せるところがみどころです。(公式HPより)


次郎冠者 / 中村勘九郎

太郎冠者 / 中村橋之助

曽根松兵衛 / 中村扇雀


みんな大好き"棒しばり"


2人が縛られたまま

お酒を飲んだり飲ませたり


はたまた扇子を片手から放り投げて

もう片方で受けるとか

やんやの喝采も見どころ。



***


まずは実際の天守閣内部をご覧ください。


石段をクネクネと登りきったあと

またクネクネ階段を登りました。




3階に着きました。

手前が西大柱、奥が東大柱です。


これが地下から最上階床下まで立っており

下は直径約95センチ、上は45センチとのこと。




柱の太さが分かりますね

(ついでに私の腕の太さも)


実は西大柱は故あって繋げてあり

この裂け目から継ぎ目を覗くことができます。




刀に直接触れることもできたんですが

これが素晴らしく重い!


これで振り下ろされたら

その重みでズバッと切れちゃうわ(汗)




窓や欄間にある柱が八角形や菱形に

据えられているのは


その美粧もさることながら

銃を構えた時広角に敵を狙えるからだそうです。




最上階にある長壁神社さん。




この後ろの柱には

面白い嵌め込みがいくつかありまして


中でもこれはとすぐ分かるのが

お星様☆




天守閣から見える

三の丸の建物が平成中村座です。





泉鏡花 作

坂東玉三郎 演出

天守物語(てんしゅものがたり)


【あらすじ】

播磨国姫路にある白鷺城。この城の天守閣の最上階は、人間たちが近づくことのない、美しい異形の者たちが暮らす別世界。この世界の主こそ、美しく気高い富姫です。そこへ富姫を姉と慕う亀姫が訪れ、久しぶりの再会を喜ぶ富姫は、亀姫に土産として白鷺城の城主である武田播磨守自慢の白い鷹を与えます。
 その夜、天守閣に播磨守に仕える姫川図書之助が鷹を探しに現れました。富姫は、凛とした図書之助の応対に、命を奪うべきところを無事に帰しますが、図書之助は天守を降りる途中で燈を消してしまい、火を求めて最上階へと戻ってきます。図書之助に恋心を抱き始めていた富姫は、自分に会った証として、城主秘蔵の兜を渡しますが、再び天守を降りた図書之助は家宝の兜を盗んだ疑いをかけられてしまい…。
 泉鏡花の戯曲のなかでも屈指の名作とされ、姫路城(白鷺城)の天守に隠れ住むといわれた姫の伝説を題材に、鏡花ならではの幻想的な世界を織り込んだ作品です。(公式HPより)


天守夫人富姫 / 中村七之助

姫川図書之助 / 中村虎太郎

朱の盤坊 / 中村橋之助

亀姫 / 中村鶴松

小田原修理 / 片岡亀蔵

舌長婆/近江之丞桃六 / 中村勘九郎

薄 / 中村扇雀



始まる少し前から照明が暗くなり

薄暗がりの会場が天守閣のそれとなります。


幕が開くと手前に並んだ腰元たちが

露で秋草を釣っています。


もうここで鏡花ワールドへ

ズドーンと入っちゃいました。


あら、誰それさんお上手とかなんとか

台詞もとても聞きやすい。


富姫の七之助さん、赤姫の鶴松(亀姫)さん

ゲロゲロな美しさ愛らしさ。


スッポンを階段に見立てて

虎太郎くんが出たり入ったりも妙。


歌舞伎座でいうところの

ドブ(花道の下手側)だったので


その姿が逆光的に見えて

これまたなんともな感じ。


途中から雨が降り出して

気温がグッと下がって


お芝居も雨から始まるので

本当に身体の毛穴から


ヒタヒタとした空気が

入り込んできました。


最後はお決まりの背後の壁が

左右に開いて


本物の姫路城がバーーーン!


見えない光線みたいなものが

天守閣から一直線に

平成中村座に繋がっていて


その先の役者たちにも

降り注いでる感じでジーン。。


***


ちょうど天守閣見学から

下に降りてきた時に


昼の部が終わったところで

小屋の後ろから人が溜まっていて


どれどれと加わったら

後ろの壁が開きまして!


勘九郎さんが見えました〜。

その横にちょこっと七之助さん。



最後はこちらに近づいてきて

勘九郎さんと七之助さんが

手を振ってくださったんです。


で、私はそれを動画で撮った

つもりだったのが


なぜだかスイッチを押し間違えて

地面を写しておりました(涙)


なんだかお芝居よりも

天守閣の案内になっちゃいましたが


お城見物の時は晴れて

お芝居はその設定の雨という


なかなかいい感じの

遠征になりました。


お土産は

その名も天守物語✧



を、抱えて宝塚まで向かいましたとさ。

宝塚?そう宝塚(ニヤリ)